もんく [とある港街の住人]

映画「Boys Don't Cry」 -悲しすぎる現実

世の中にはどうしようも無い悲しい現実と言うものがあるのだろうか。
うん、あるんだろう、と思う。
どうしようも無いままに、悲しいままに死んでいってしまうって事も覚悟しなければならないかもしれない。

幸いにもこの映画の主人公にはそのどうしようも無い現実をわかってくれる人が1人だけいた。死んでしまうちょっと前にだけれども。それにその人のために死ななければならなかったと言うこともあるけれど。

これを「幸いにも」と言って良いとも思えないけれど、でも彼の人生を考えればやっぱり「幸いにも」で良いのかなあ。


(結果:悲しすぎる現実をちゃんと見ておこう)


追加
正直と嘘について。
ティーナ・ブランドンは自分に正直に生きようとした。
けれど他人には嘘をついていた。もっとも、本人にとってはそうでは無いのだけれど。

この嘘に周りは憤る。映画を見ている方も「そんな事で良いの?後でバレるじゃないか」と思う。一方で仕方ないとも思う。最初から正直に言ったらどうなるかは分かり切っているのだから。

では、どうすれば良かったかと言う話ではない。
彼のついた嘘は誰のものか?と言う事だ。
嘘を言ったのはブランドンだ。しかし嘘をつかせたのは「私」だ。
私はその嘘に参加していると認めざるを得ない。充分に。

もし、私の近くに彼がいたら、彼でなくても何か普通と違っている特性を持つ人がいたら自分はどう思うだろうか。どんな態度で接することができるだろうか、と考える。

だからブランドンに嘘をつかせるのは私だと思うし、嘘がバレたからと言って私は憤る事ができない。

コメント一覧

哀生龍
TB&コメント有難うございます
http://www.rak1.jp/one/user/aikirin/
>嘘をつかせたのは「私」だ

嘘をつかなければ自分のアイデンティティーを守れないような状況が、ブランドンを追い詰めてしまったんですよね。

だからと言って、ブランドンがラナにしたことは100%“仕方ないことだった”とは言いがたい。

運良くラナは受け入れてくれたけれど、多くの場合は受け入れてもらえずに相手を酷く傷つけてしまうことになるのだから・・・



理性で感じた事と感情で感じた事にギャップが生まれるような、なかなか重みのある品作品ですね!
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