もんく [とある南端港街の住人になった人]

日本の技術とは

寝る前と朝出かける前にベビーパウダーを身体に振る。

朝はYardleyを、夜はジョンソンを使う。出かける時のために小さなボトルに入ったメジャーでないメーカーのものも買った。どれも台湾で売られていたものと違ってコーンスターチではなくタルクだった。

これらを使ってみて同じタルクなのに相当に使い心地が違うことがわかった。Yardleyは粉が荒め、マイナーメーカー製は粉が相当に細かい。ジョンソンはその中間だ。Yardleyは香りがとても良いのだけれど振った粉を手で広げようとするとザラザラした感じがして良くない。マイナーメーカーは粉が細かいのでスムースに身体に摺り込めると想像されるかも知れないが細かすぎて毛穴に入ってしまうのか、背中などが痒くなり易い。結論としてジョンソンはやっぱりそのあたりまで良く考えて作っているのだろうと思う。こんな枯れた製品にもそれを支えるノウハウがあるのかと思うと感心する。



今でも日本の技術は優れていると多くの人が思っている。同じカテゴリーの製品なら高くても日本製を選ぶ(お金に余裕があれば)と言うのはマレーシアでも聞く。ただ、実際に作る方の立場から見ると半分は正しいけれども半分はそうでもないとも感じる。

まず、日本の品質管理は他の国のそれよりだいぶ厳しいのは事実だ。だから出来上がる製品が他の国のものより均質である可能性は高い。各部品が均質であれば組みあがった最終製品もハズレが少ないだろう。工業製品は均質なのが当たり前だと知らない人は思うかも知れないが実際にはそれは難しいことで、同じ機械を同じセッティングで同じ人が作っていても完全にコピーしたように同じ物を作ることはほとんどできない。工業と言うのはその不均一との戦いなのだ。

その不均一をいかにコントロールするかが技術の核心とも言える。日本はそれを長い間ずっとやってきた。逆に言えば華やかな技術革新や新製品を生み出すよりもそちらの方に長けていると言える。例えば今売られている新車の自動車だけを見るととても高度な技術が採用されていて凄いもに見えるが、実際には2年や4年毎の更新で少しづつ変化させてきた成果だと言う事は少し長く生きているおじさんたちは良く知っている。やっている事はとても地味なのである。

さて、それをやってきてどの位日本にノウハウが溜まっているかと言う事になるが、これには懐疑的にならざるを得ない部分もある。

日本でネジを買うとすると1000本買ったネジにはほとんど1本の欠陥も無い。よくコントロールされているからだ。その他の気にも留めない部品、部品とも呼べないような細かい物でも同じできっと誰かがコントロールして均質にして提供してくれる。日本の強さは未だそこにある。

ただ、困るのはこれを使う人間がそれを当たり前だと思ってしまっている所にあるのではないだろうか。何かが必要で手に入れたいと思うとだいたいの物が高い質で入手できる。そうなるとそれを使う人間はその部分については考えなくて済む。と言う事は、製品を作っているその人はその多くの部分を他人に支えられているにも関わらずそれに気付かない。そして考える習慣すらも捨てて依存してしまっていることになる。

さて、それは技術と言えるのか?

物が出来たからと言って、それはその人間がコントロールすべきところをコントロール出来ているとは言えないのではないか。日本を離れて製品を作るなり管理するとそれを感じる事が多い。台湾でもマレーシアでも同じだった。日本人ができるはずだと言っても出来ない事はある。日本であれば考えなくても良かった部分も外国では考えてできるようにしなければ出来るようにはならない。会ったことも気にしたこともない誰かの支えが無くなるからだ。

支えが無くなった時、日本人に何が残っているだろうか?
もし少しでも何かがあるならばその人はきっと良いエンジニアと言えるだろうし、そして確かに日本の技術を支えている人だと思う。



今朝、アイスコーヒーを飲もうとしてテーブルの上のタオル地のコースターを動かしたら細かいアリが10匹ほどその下にいた。甘い飲み物を飲んだりはしていないのに不思議だ。部屋の多くの部分が乾燥しているからそこに水分を求めて集まってきてしまったのかも知れない。

以前は少し大きめのアリが歩いていることがあったが、キャサリンさんがそれらをアリの巣コロリで退治してしまったので今度はアリの巣コロリの餌も食べられないほどの小さいアリが勢力を伸ばしてきたのだろう。この小さなアリは今のところ集団行動していないので大丈夫だが、もっと集まってきてしまったらどうなるのだろう。寝ているうちに1m位運ばれてしまうだろうか。


今日はコーヒー豆が無くなったので駅前のカルフールまで買いに行こうと思う。ウーロン茶(緑の)も買おうかと思う。緑のウーロン茶はあまり売られていないのだ。
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