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鰻だけに何ともつかみどころのないお話「土用うなぎの起源」

2005-07-19 23:59:45 | 旅・鉄道・グルメ…
鰻だけに何ともつかみどころのないお話「土用うなぎの起源」

(写真:平賀 源内)





土用丑の日」にウナギを食べる風習はいつから始まったのか、ご存じですか? 古い書物をひもといてみると・・・



 安永元年(1772年)正月には、徳川幕府の怪物、ワイロ取りの親玉・田沼意次が老中という大役に就任した。
奢侈禁止令は解かれ、野放しの状態となり、ぜいたくな客が「うなぎさきうり」は相手にせず、鰻の品定めを自分の目で見て、注文をつけるというふうに変わった。



 江戸湾に清川のながれ込むところ、背中が青黒い「青ウナギ」で「胸黄」と言って腹が黄色味をおびているやつがうまいという。



しかも、雌鰻がよろしいと能書きがうるさい。雌は顔つきが柔和だが、雄は鰻相がよくないなどと、文句をつける客も現れはじめたのも、このころからである。

 いわゆる「土用」と「うなぎ」が結びついたのもこの頃の話と言われている。
「土用」は年四回あるが、夏の土用を選んで「土用うなぎ」で、精気をつけようというのである。
方位術では「木火土金水」の五行中「土」は「丑」の方位に当たり、土気は木火金水に勝つという。

そこで夏の土用に「ウナギ」を食べて、夏痩せを防ぎ大いにスタミナをつけるという次第。

そこで「きょう(旧仮名では「けふ」)は丑の日」と偶然書いた貼り紙が鰻屋の宣伝にかかったわけである。

 ところで、この名文句(?)を考え出したのは平賀源内だという。源内は安永八年(1779年)五十一歳で没したが、この有名な宣伝文句は確実な文献が見当たらないというのも不思議なことで、今に至るまで、その出所は、怪しいもので、のらりくらりとして、つかみどころがない。しかし、鰻屋にとっては大切なお守りであるには違いない。

 この「土用丑」とウナギとの関係、医学的にまんざら当てにならぬとも言えない。というのは、夏負けで体力の衰えた時、回復の効を奏すといわれる「エレクチン」が含まれているからである。
平賀源内の時代に「腰を暖め湯を起こし」と説明されているのも恐らくはこの働きであろう。

▲風俗評論家 植原 路郎 「うなぎの歴史と蒲焼屋」(月刊食堂別冊 うなぎ)より抜粋            
おしまい


以下、参考までに・・・



●鰻なんでも辞典

Q:土用丑の日は日付が決まっているの?
A:立春、立夏、立秋、立冬の前18~19日間を土用といいます。土用波とか。その間の12干支の丑にあたる日が”土用丑の日”と呼ばれます。その間に2回丑があれば後の丑を2の丑といいます。ですから最低でも土用丑の日は1年に4回はあるのです。

Q:鰻には種類があるの?
A:ウナギ科にはウナギ属Anguillaしかなく、世界に18種が知られ、日本には、ふつうのウナギAnguilla japonicaとオオウナギAnguilla marmorataの2種がいる。
世界の分布では、太平洋、インド洋、大西洋の広く生息しており、北はノルウェー北部から、南はニュージーランド南部まで分布している。

Q:鰻は何所が一番栄養があるの?
A:鰻の旨いところは尻尾であると、古くからいわれています。俗にいわれていることに、魚の旨いところは、年中、よく動いている部分が美味しいとされ、おおくの魚では、尾の部分は、むしろまずい部分とされている。

栄養学者によると、鰻の体の後部より3/5~4/5の部分の脂肪量が最も多く、頭部と尻端が最小であることが明らかにされ、尻尾の方が脂肪に富んで美味しく、しかもビタミンAが多量であることが証明された。

Q:鰻の旬は?
A:土用鰻といわれて、夏が鰻の旬で味覚の優れて時期と思われがちである。これは、食べる側が、暑い夏の体力を消耗して、栄養価のある鰻を体が要求する。そこで、食べるから、確かに旨いと感じるのではないだろうか。

季節的に鰻が旨い時期は、天然物では、10月末の下り鰻がよく、養殖鰻は、露地池では、餌を食べなくなる11月以降とされているが、現在のハウス養殖では四季の変化はあまり関係ないといえる。

Q:蒲焼の起源は?
A:蒲焼の起源については、いろいろな説ありる。
1.かんばしい香りが早く人の鼻に入る意味で、香ばやが転じたとする説。
2.昔は長い丸のまま、たてに口から尾まで竹串に刺して、塩焼きにしたが、その形が蒲の穂に似ているので、がまやきといったが、それが後に転じたとする説。
3.鰻を焼いた時の色が、樺色だとか、樺皮に似ているから樺焼に転じたとする説。
4.蒲鉾から転じたとする説。

平成17年5月29日

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