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舞初メ、謡初メ、笑初メ。

2006-01-07 09:36:03 | 落語・その他芸能一般


舞初メ、謡初メ、笑初メ。

 正月気分が未だ色濃く残っている5日の夕刻、千駄ヶ谷の国立能楽堂へ大蔵流狂言を観に行った。演題タイトルは『新春狂言 舞初メ、謡初メ、笑初メ。』(冒頭の写真)だった。

                  katatmri.JPG

 プログラムは次の通り…

 一、舞初式
    
大蔵流茂山家本家で1月4日に行われる「舞初式」の再現

 二、新春トーク

 三、福の神
    
古典演目

 四、柑子(こうじ)
    
古典演目

 五、新作 流れ星X         
茂山千三郎/作・演出


 
 満場笑いと拍手の嵐だったとくに新作がウケタ

 近頃の東京の寄席へ行って落語を聞いても、こんなには笑えない。原因は噺家が下手だからだ。観ていてハラハラする真打ちが多い。どこかオドオドしていて進取の気性が見受けられない。芸が拙いくせに、先輩の悪い癖だけは学んでいて、妙に図々しい。伝統を守るということの意味が分かっていない。指導者にも一因があるのだろう。そこへ行くと、上方の噺家の方が未だマシだ。

 大蔵流の若手狂言師は、十分に狂言の手法と伝統を守りつつ、新作に挑んでいる。 

「五、新作 流れ星Ⅹ」の粗筋は…
 2005ーーー
 温暖化がすすみ住めなくなった地球から、
 宇宙の流れ者となった男は、
 ある生命体反応のある星に漂着する。
 この星もまた温暖化の過去を持っていた。
 この星の住民 『ボイボイ星人』が
 その温暖化の危機をある発明で救ったことを
 知った地球人は…

 ゲーム機(を模したボール紙)が登場するやら、パソコンやネットの用語が飛び交うやら、場内の老いも若きも拍手を惜しまず、笑い転げたのだった。
 狂言も発生して未だ間もない頃は、身の回りの品を使い、当時のファッションで演ったのだろう。だからこそ共感を呼び皆が笑えたのだ。現在なら定めしパソコンやゲーム機だろう。

 誤解があるといけないので、断っておくが…
 狂言も能ほどではないが、やはり伝統・型に極めてやかましい。彼ら若手の新作にも批判があると仄聞する。一方、彼らを温かく見守る風潮もあるやに伺っている。
 東京の若手噺家は、もう一度足下を見つめ直して行かないと、自分で自分の首を絞める結果になりかねない。
 ともあれ狂言界に芽生えた若き力に盛大な拍手を送りたい

06.01.06

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