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鮨は世に連れ、世は鮨に連れ「江戸前握り鮨」

2005-03-03 11:21:29 | 旅・鉄道・グルメ…
鮨は世に連れ、世は鮨に連れ「江戸前握り鮨」
(写真:中国の「魚の熟鮓」…チーズの味がするそうだ)

 江戸前の握り鮨について縷々述べるが、江戸前以外の握り鮨の悪口を言う意図ではない。江戸前以外の鮨も旨いし、現に小生も喜んで食べている。ただ、江戸の文化とそれ以外の土地の文化が異なるように、同じ握り鮨と言っても別物だという気がするだけだ。鮨のバリエーションを否定するつもりは全くない。

 鮨の起源は諸説あってややこしいが、江戸前の握り鮨の歴史はそんなに古いものではない。せいぜい200年くらいだろうと言われている。
 関西の熟鮓押し寿司は歴史はもっと古く、その伝統は古代から連綿と続いている。



熟鮓などは作るのに一年とか二年の歳月を要するし、押し寿司だとて、結構時間や手間が掛かる。
文化・文政の頃というからおよそ200年ほど前になるが、気の短い江戸っ子によって、比較的安直に食べられる江戸前の握り鮨が生み出されたと聞いている。その頃には丁度、江戸でも品質の良い自前の醤油や味噌、酒や味醂が製造出来るようになってきていた。上質な調味料の完成と江戸っ子の気の短さが、握りを生み出したともいえる。

「握り鮨」は日本全国津々浦々、どこにでもある。しかし本来の「江戸前の握り」に限定すると、今や東京でも、ほんの一握りの鮨屋でしか、お目にかかれなくなってしまった。

第一に「鮨飯」の塩梅が甘すぎたり素っ気なさ過ぎたりして、江戸前でなくなってきている。また飯が冷たすぎたり、温かすぎたりするのも、「丼を喰っているんじゃねえや!」と言いたくなる。

第二に、ネタと飯の分量のバランスがとれていない。やたらネタが大きいのは、鮨としてはいかがなものか。お結びに刺身を乗っけて食っているようなのは、いただけない。

第三に、やたらネタの新鮮さを誇る傾向が強いが、本来の江戸前のネタは流通が未発達だったせいもあり、鮨職人が煮たり焼いたり酢で締めたりして・・つまりはひと手間加えたものである。それが鮨の旨さを引き出し、鮨の値打ちを決めるものだろう。その証拠に、鮨に付ける醤油を出さない鮨屋もある。

第四に、ガラスのショーケースはネタを乾燥させてしまい、感心しない。注文の度に、大きな専用の冷蔵庫から出してきて握るのが本来である。

第五に、江戸前のネタは元々5~6種類しかない。鮪に烏賊、蛤、コハダ、穴子など江戸湾及び近海で獲れたものだけである。雲丹やイクラなどは、江戸前本来の握りからすれば外道である。

“鮨は世に連れ、世は鮨に連れ”・・・だナ。さ、江戸前の握りを喰いに行くとするか・・・
「巻き」と云ったら、「何をまきます?」なんて聴くなっ! 「干瓢の細巻き」に決まっているじゃねえかっ!

平成17年3月3日  B

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