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芸者の売り物
久しぶりに「国立演芸場」寄席へ行って来た。
圧倒的な存在感を示したのが、内海桂子だった。芸歴六十数年の師匠は、とても八十代には見えない。貫禄だねえ。
桂子師いわく『昔は、芸者の売り物といえば三味線だった。それを支えてくれたのが旦那衆の存在だった。例えば、柳橋芸者の三味線で教わった唄を、新橋で芸者に三味線を弾かせながら唄ったり、赤坂で覚えたのを深川芸者の三味線で唄ったりしたものだ。
そうして芸者に祝儀をくれるのが、旦那というものだった。今じゃ旦那衆がいなくなったから、芸者が三味線を持たずに座敷へ出てくる。専らカラオケばかり。芸者も売る物がなくなったものだから、近頃は“蛤の吸い物”ばかり売っている・・・』
06.04.13