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精神科医の落語診断

2005-03-11 09:27:35 | 落語・その他芸能一般
精神科医の落語診断
  (写真:中田輝夫・昭和大学医学部教授)

 精神科医の落語診断(中田輝夫)が面白い。落語の登場人物を、精神科医の立場から診断する内容だから、落語の解説本ではない。あくまでも精神科医による精神医学の本である。内容は、「心のさまざま」「心の病のさまざま」・・「心の病の取り扱い」「治療の現場あれこれ」など、六章から成っている。

 そのうちの第四章「アルコール・異性」が、呑ん兵衛である小生の目を惹いた。
「親子酒」でアルコールの薬理を説き、「一人酒盛」で呑兵衛の心理、「らくだ」で問題飲酒者、「芝浜」で断酒の素晴らしき一例を挙げている。詳しくは、本書をお読みいただくとして、自戒を込め、要点だけを次に記してみる。

 筆者・中田氏は嘗て、アルコールで刑事事件を起こした人の精神鑑定を行った経験があり、その時の実験データを基に診断を行って行く。
● 「親子酒」の場合、「顔が幾つにも見える」親爺よりも、「家がグルグル廻る」倅の方が血中のアルコール濃度は高く、酩酊度も高いそうだ。
● 「一人酒盛」の主人公は、忙しいという友人をわざわざ呼びつけておきながら、一滴の酒も振る舞わず、相手が怒ると「あいつは酒癖が悪い」と言う。自己愛人格者だそうだ。
● 「らくだ」の屑屋について。 酩酊状態は“単純酩酊”と“異常酩酊”に分かれ、後者は更に“病的酩酊”と“複雑酩酊”に分類される。屑屋は、“複雑酩酊”に該当するらしい。

これらとは別のカテゴリーとして、“問題飲酒者”というのもあるそうだ。以下、
抜き書きする。
《問題飲酒者はまだ本格的に幻覚などが出て来るアルコール中毒の正規軍ではないが、予備軍ではある。そのまま飲酒を続けるうちに、正規軍に編入されることになる運命が待ち受けている。せめて予備軍にいる間に“退役”する手続きをとらないと、えらいことになる。
 この噺の屑屋の飲み方、酔い方は、大いに一つの反省材料を提供するものと見た方が良いかもしれない。“正規軍”に従軍するようになって苦しむのは当人ばかりでなく、必ず家族も巻き添えにされることになる。   以下、略・・・》

 クワバラクワバラ。人一倍酒好きな小生も、今後気を付けよう! 先輩諸氏、ご同役も、お気を付けアスアッセ。

平成17年3月11日  B

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