もってのほか
写真㊤:五代目・柳家小さん
よく“思案の外(ほか)”とか“もってのほか”と言う。
ところが、“もってのほか”という喰い物がある。こりゃあ、北日本を中心に食されるようだ。旨いか不味いか、人それぞれかも知れないが、なかなか乙な喰い物だ。
「もってのほか」。黄色の夏菊が終わると登場する。食用菊の王様か…。
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いや喰いものの話ではない。プロの噺家の棚卸し。
我々は(プロの)噺家を棚卸して、その巧拙をよく口にする。どこをどう捉えて、巧拙を云うのだろうか。どう演ったら巧くて、どうだったら拙いのか。
こりゃあ、いろいろな切り口があるだろうが、少なくてもそのひとつは、話の運び・・・笑いの落とし所へ客を誘う際の腕前の巧拙ではないかと思う。
簡単なことではない。例えば、先日亡くなった小せんも、落とし所の笑いへ持って行く際の手法が拙劣だった。勉強が足りないのか、能力不足なのか知らない。十年一日の如く演っている。何十年も演っていれば、あれくらい喋れて当たり前だろう。
小さんの弟子では、小満んが抜群に巧い。
尤も、彼は実際には黒門町(八代目・桂 文楽)の最後の弟子であり、小さんの影響は限定的だ。
小さん師にはお気の毒だが、現状で見る限り、弟子に恵まれているとは言いがたい。泉下の小さん師匠はどう思っているのだろうか。
“思案の外”か、それとも弟子どもが“もってのほか”なのか
06.10.25
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