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文字離れ
若者の文字離れ…というか、本を読まない若者が増えているとか。なに、若者だけではない。高年齢層も同じだ。
読まないだけではなく、文字を書かなくなった。手紙のやりとりも随分減ったらしい。この原因は、書くのにも届くのにも時間と手間が掛かる手紙よりも、電話やインターネットの方が手軽で便利だからだ。即時性では後者の方が断然優れている。
ひょっとしたら、イヤひょっとしなくても、デジタル方式の通信手段の発達・普及が、本離れの大きな要因のひとつになっていると言っても、間違いないだろう。
でも果たしてそれで良いのだろうか。読書は自分を見つめ直し、自分を高める優れた手段だと思う。多くの人が読書を楽しみ、人生の潤いや癒しを受けていることも事実だ。
最近面白い現象に出くわした。デジタル世界に現在もドップリ浸かり、これからも浸かるであろう4歳児が、手紙に興味を抱きはじめ、盛んに手紙を欲しがる。自分宛に来たという満足感以外に、文字を読む楽しみが大きいみたいだ。
未だ極めてたどたどしく、時々「ま」と「ほ」を間違えたり、一文字一文字をポツリポツリと拾い読みする程度だ。
この4歳児が鉄道車両に異常な興味を持っている。写真を見せると、全部「型式」と列車の愛称を言い当てる。
そこで4歳児への手紙は、文字を少なくして鉄道車両の絵を描いて送る。それがタイヘンだ。列車に詳しいから形状や色彩を正しく描かねばならない。
そこで役に立つのが、冒頭の写真集『鉄道車両色見本帳 1 国鉄・JR編』である。この本は余分な説明が省かれており、読みやすく見やすいように工夫されている。今後、私鉄編も上梓の予定とか。楽しみにしている。
こんなことが切っ掛けになって、4歳児が読書好きになってくれたらと婆さんは、せっせと孫に手紙を書いている。
05.12.29