
偉大なる父“霜降り紋次郎”
競走馬の世界で血統が重視されるのはよく知られているが、実は家畜牛の世界にもサラブレッドが存在するのだ。
日本を代表する高級和牛「黒毛和種」(写真㊦)は、サシ(脂肪交雑)が実にきれいに入った最高位の牛肉である。
![]() 黒毛和種 |
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サシ(脂肪交雑)
http://www.green.pref.tokushima.jp/chikusan/file(it.bunsho)/nikuushi.htm
この黒毛和牛の中でも、とくに優れた血統がある。さらにこの血統のなかでも、ひときわ優秀な種牛は、「紋次郎」と呼ばれる伝説の種牛である。
紋次郎は、兵庫県美方郡(みかたぐん)で生まれた但馬牛であるが、後に上州で飼育され、土地(ところ)ゆかりの「紋次郎」という命名がなされた。
その生涯に残した子牛は、なんトッ! 14万頭とうから凄い。このような記録的な数字を残せたのは、ひとえに人工授精のたまものとか。
一般の黒毛和種の場合、この精液入りストローが、1本1000円~3000円で取引されるそうだが、“偉大なる父”紋次郎の精液は、1本10万円まで値が上がったことがあるそうだ
この業者は、きっと「ウシ、ウシ、ウシシシ……」とほくそ笑んだにちがいない。
06.06.12