
落語『そば清』
何でも大喰いするときは、つゆやタレをあまり浸けない方が、たくさん喰える。蕎麦や餅なども、何も浸けずに「素」で食べるのが大喰いの定法だ。
落語の『そば清』や『蛇眼草』でも、蕎麦や餅に「つゆ」や醤油は、余り(or全然)浸けないように記憶している。浸けると、たくさん喰えないようですな。
●世の中にツユ(汁)ほど こわいものはなし ショウユウ(醤油ゥ)こたあ、ツユ知らなんだ……駄洒落を言っている場合じゃない。
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落語『そば清』
(別名『蕎麦の羽織』 上方では、『蛇含草(じゃがんそう)』)
【あらすじ】は… 〔そば好きの清兵衛さん。今で言う、そばの大食いチャンピオン。あるとき、秘策を持って、七十枚の「盛りそば」(★もりそば、ざるそば、せいろそば)が喰えるかどうかの賭けを行う。大枚三両を賭けて。〕というのが大筋。
詳しくは…↓
真夏のあるとき、越後から信州のほうへ商売にまいりまして、どうまちがえたのか、山中で道にまよってしまいました。
疲れ切って一休みしていますと、その向こうに狩人がひとり、こくーり、こくりと居眠りをしているのが見えました。
すると妙な風が吹いてきて、どこからともなく大きなウワバミが現れて、その狩人を大きな口をあけて一呑みに呑んでしまいました。
清兵衛さんはびっくりしたのなんの。息を潜めて見ていますと、うわばみも人ひとりを呑んだのですから苦しいとみえ、しばらく、もがいておりましたが、岩陰に生えている黄色い草をなめると、四斗樽のようにふくれていた腹が、もとのように小さくなっていきました。
ウワバミの姿が見えなくなると、清兵衛さん、食べたものがこなれる草に、こわごわながら近づいて、草をつんで持ち帰ります。
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江戸に帰ってから、清兵衛さん。七十枚のそば食いに三両をかけて挑みます。五十まで食べ苦しくなったので、一息つくといって障子の外へ出て、例の草をぺろぺろなめはじめました。
しばらく経ったが返事がない。あまり静かなので、「清兵衛さんは、かなわなくなって逃げだしたんだ」と。障子を開けると……
蕎麦が清兵衛さんが着ていた黒の絽の夏羽織を着て座っておりました。
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『そば清』の題名は主人公、そば好きの清兵衛の名からきたもの。 別名を『蕎麦の羽織』、『羽織のそば』という。
これが上方だと題名は『蛇含草(じゃがんそう)』で餅を食べる筋書きになっている。
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