ニセコのダチョウ牧場(第2有島だちょう牧場)

ダチョウの孵化から解体まで行い、命を頂く事、牧場を営む事で得た、学びや気づきを記録しています。

2021/03/07

2021年03月07日 | 日記



オスが巣を作り守る季節です。
私はオスの機嫌を見ながら、身を低くして卵を頂きます。
だちょうさんがだちょうさんらしく有るためには、棒などで牽制して入ることはしていません。
オスの自信をくじいてしまい、ストレスを感じ、巣作りや卵を守る行為、生殖行為をしなくなってしまうかもしれません。

命は大切だ、食べ物は大事に頂きましょうという事は今更言われなくても分かっているよとお思いになられる方が多いかと思います。
けれども、だちょうさん達と一緒に生活している中で、日々生きている事がとても尊いと心の芯までは分かっていないと教えられる自分を思うと、命は大切なんだよと伝えることをやめることは出来ないものです。

お肉を売っていた頃から今まで、小売して頂いている方々のおかげも有りましてウインナーやどら焼き、牧場のカフェメニューの99.9%(袋の穴あき等で食べれなくなった物等が残り0.1%)はどなたかに買って頂きました。売れ残ってしまった物は、ほぼ誰かに食べて貰ったり、自分で頂きました。

機会損失やロス率等の経営学の考え方からすると、可笑しなことをやっているんですけれども、日々だちょうさんと一緒に生活している者としては当然のように思えて、あえて今までこうして売り切ってきたことをウェブサイトなどに最近まであげたこともありませんでした。

食べ物が溢れて、命が食べられもせずに捨てられていく今の日本において、やっていることが可笑しく見えるかもしれませんが、私はこの営みを淡々としていきたいと考えています。
商品数が少なかったり、いつもプリンが売り切れていたりしてすみません。

食べきれない量が残ると、だちょうさんに目を合わせるのが怖いんです笑
「お前、卵持って行っておいて何してるんだ」って感覚。
この感覚は畜産関係者の方ほど麻痺していく感覚ですね。
ちょっと強引なこじつけで、反感を買いそうですが、心理学の実験で有名な監獄実験というものがあります。飼養する側とされる側にもこうした心の働きが起きやすいと私は考えています。

人は易きに流れやすく、動物たちの幸せはどうしてもおきざりになっていきます。
経済動物だからという言葉で、全てまとめて分かっているように扱うことが、だちょうさん達にはないように勤めるしかないですね。
私もだいぶ麻痺してしまっている事が分かるので、自戒を込めて書きました。

経営と動物たちの幸せの両立はなかなか難しいからこそ面白い、やりがいのあることですね!
これからも応援宜しくお願い致しますm(_ _)m


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