<期限切れ鶏肉>「日本向けは問題ない」 中国が報告
【北京・井出晋平】日中両政府は6日、中国・上海の食品加工会社「上海福喜食品」の期限切れ鶏肉使用問題を巡り、北京で「食の安全」の事務レベル協議を開いた。中国側は「これまでのところ(同社から)対日輸出された食品に問題はない」と報告した。
協議では、日本側が日本マクドナルドとファミリーマート向けに輸出された製品に期限切れの鶏肉が混入していたかの説明を求めた。これに対し中国側は、上海福喜が国内向けと輸出向けを、時間帯を変えて製造していたと説明。工場内に設置された監視カメラの映像や書類などを調査した結果、「対日輸出食品は国内向けよりも厳格な管理が行われており、問題はない」と報告した。日本側は、引き続き輸出食品の安全性を確保するよう要請。中国側がまだ調査を終えていないため、最終的な調査結果の報告を待って今後の対応を検討する。
協議は、日本で起きた中国製冷凍ギョーザ事件をきっかけに2010年に締結した閣僚・事務レベルの日中間対話の枠組み「日中食品安全推進イニシアチブ」に基づいて行われた。事務レベル協議は年2回のペースで開かれているが、今回は上海福喜の問題を受けて日本側の要請で臨時に開かれた。日本マクドナルドが鶏肉製品の輸入元を中国からタイに切り替えるなど中国製食品全体に対する不信感が高まっており、中国側も影響拡大を懸念して臨時の協議に応じたとみられる。
日本側は、厚生労働省の食品安全担当者、中国側は輸出食品の安全管理を担当する国家品質監督検査検疫総局の課長らが出席した。