2022年10月の入国制限緩和以降、訪日客数は増加し続けています。日本政府観光局の推計によると2023年1月~5月の訪日客数は約864万人で、コロナ禍前の2019年同期間比では約7割ですが着実な回復が続いています。トップ5は韓国、台湾、米国、香港、タイで、2019年にトップだった中国本土からは1割程度でまだまだ回復していません。
一方、2023年1月~4月の日本人の出国者数は、韓国、ハワイを含むアメリカ、台湾等の訪日者数の多い国・地域が出国数でも上位で、約224万人でした。インバウンドが注目される中で、日本人もそれなりには海外旅行へ出かけ始めています。
そんな状況の中で、筆者は2023年6月にドイツ・フィンランド・スウェーデンを旅行しました。旅行中で気になったのがこのブログの本題です。
さて、問題です:以下の写真に共通している点は何でしょうか?
◆スウェーデン・ストックホルムにあるバイキング博物館
◆フィンランド・ヘルシンキにある「テンペリアウキオ教会」(岩の教会として有名)
◆ドイツ・ベルリンの市内観光バス(注1)
気になった点とは、欧州の観光産業の目が、その昔リッチだった日本人から今や経済分野で世界を席巻している中国人へシフトしつつあるのではないかということです。3つの写真とも外国人旅行者向けに複数の言語での音声サービスや案内版があります。が、そこに日本語は無く中国語です。テンペリアウキオ教会の方に聞くと、中国人は観光バスで団体客が来訪しますが、日本人はほとんど来ないとのことでした。
私も旅行中に空港や観光スポット等で中国人の団体ツアーやカップルに多く出会い、これに対し日本人の団体客は皆無で、個人客もほとんど見ませんでした。(中国人か韓国人か日本人かは見た目だけでは100%正確に見分けるのは難しいですが言葉や文字で分かります。言葉や文字が無くても何となく雰囲気で感覚的にわかるものです。)
国際社会での日本の地位低下は、このところの円安傾向にも象徴されています。観光面でも世界各国において中国人への期待感が高まっているのが現状ではないでしょうか。日本人と中国人のそれぞれの海外旅行者数の実態が明確になればなるほど、日本語と中国語でどちらかを選択しなければならないとしたら、ますます諸外国で中国人への期待と対応が進むと容易に想像します。
(注1)運行されている観光バスは日本語と中国語の両方のサービスがあるものも多く走っています。
以上
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