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このコの為にも元気でいなければ・・・頑張ろう!
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それは集中治療室に入ってから2日目に突然起きました。
苦しい、息が出来ない・・・。
『どんぐりさん、シッカリしてッ、目を開けて下さいッ!
私の手を握って下さいッ!!』
看護師さん達の呼びかけにも、手に力が入らず、
目も開ける事も出来ません。
酸素マスクも付けていましたが、思うように息も出来ません。
頭を締め付けられるような強い痛みと息苦しさ、そして吐き気・・・。
言葉を発することも出来ません。
『意識低下、レベル1・・・2・・・。誰か至急、先生に連絡して下さいッ!』
看護師さん達の慌ただしい動きと、女医さんの指示する声が聞こえてきました。
(お願い、先生には連絡しないで・・・大丈夫ですから・・・先生には知らせないで・・・)
必死に訴えようとしましたが言葉が出ません。
手術が無事終わった時の、主治医の嬉しそうな顔を思い出すと、
心配をかけたくない気持ちが強く有りました。
助けて戴いた命。私たち患者も回復して良くなった所を見せたいものなのです。
意識が遠のく中、看護師さん達の励ます声は聞こえていました。
(この様な時、声をかけ続ける事が大事なようです)
その後の事は、全く分かりません。どのぐらい時間が経ったのでしょう。
気が付いた時には、心配そうに私の顔を覗き込む主治医の顔が有りました。
『どんぐりさん、大丈夫ですか?気が付いて良かった。心配しましたよ』
わたしの手を握れますか? 力を入れて握って見て下さい』
仮眠室でシャワーを浴びてる最中に呼び出されたのでしょう。
主治医の髪の毛からはシャンプーの香りがしてました。
(ご心配おかけしてすみません。もう大丈夫です楽になりました)
私が手を握り返すと『どんぐりさんが元気になってくれて嬉しいです』
満面の笑みがこぼれてました。
前日の長時間の手術で疲れているはずです。
出来れば心配をかけたくなかった・・・そう思うと申し訳ない気持ちでいっぱいでした。
発作の原因は、2日目になってやっと水分も取れるようになり、誤嚥を防ぐ為、
リクライニングベッドの上半身を起こした事によるものでした。
(このような症状が起こるとは、医師も看護師さん達も予測できなかったようです)
ベットを起こした事で、脳の血流と律神経が上手く働かなかったようです。
(病名を聞かされましたが難しくて忘れました)
集中治療室には、担当医師に代わって女医さんと数名の看護師がいて
異変を直ぐにキャッチできるよう、私たち患者に付き添ってくれてます。
ベットの脇にはモニター画面もあり、幾つもの数字が点滅してるのが見えました。
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4日目には症状も落ち着き一般病棟へ移る事になりました。
ベットも病棟用に代わります。
『どんぐりさん、こちらのベットへ移動します。
僕の肩にシッカリつかまって下さいね』
若い男性の看護師さんは、そう言うと私の背中半分に
何か薄いアクリル板のようなものを差し入れました。
(ベットへ移動する際、身体を滑りやすくる為のようです)
こんなに優しそうなイケメンの肩に抱き着くなんて
最初で最後かもしれません
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胸がどきどき・・・。
若い時の父ちゃんにだって、こんなに胸がときめく事は無かったと思う・・・たぶん。
少しだけ、ときめいたかもしれないけど・・・昔の事は忘れた。
(この言葉・・・前にも書いた気がするけど・・・まッ、いいか
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うふッ!またとないチャンスですもの。冥途の土産にしよう。
思いっきり抱きつこうとしましたが、わたしの身体には、
心電図を図る線が何本もの貼り付けられてます。
両方の腕には点滴の針が差し込んであり、長いチューブが邪魔をして
首に巻きつきそうになってます
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その時、女性の看護師さんが『私も手伝います』
といってかけよってきました。
もうッ、せっかくいい所なのに・・・邪魔しないでほしい
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声には出しませんでしたが、多分顔には出していたと思います。
どんぐり母ちゃん、この歳になっても、まだ少しは乙女心が残ってます。
そしていよいよ一般病棟へ。
続く。