先日、初めてネコの記事を投稿させて頂きました。
遠い昔の為、画像も無く文字だけの表現では当時の情景を感じてとっては頂けないのでは、と言う思いもありました。
それでも、今また、文字にしてみたいと思い立ったのには当時の貧しい時代を人間以上に知恵を絞って生きぬいたアカの生涯を書いてみたいと思ったからです。
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長旅で受けたアカの傷はほぼ完治していましたが、目の上と鼻筋には深い傷跡が残りその二か所だけはハゲたようになっていました。
この頃になるとアカの縄張り意識も一層強くなり『この傷は男の勲章だッ!!悔しかったら付けてみろッ!!』と言わんばかりに近隣のオス猫達に目を光らせていました。
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その朝、アカにしては珍しくニャーニャー騒ぎながら台所にいる母に駆け寄って来ました。
そして、訴えるように母の足元に絡みついて離れようとしませんでした。
アカには家族よりも先に朝ご飯をあげていたのですが、母は不思議に思いアカの茶碗の所へ行って見ると、一番下の弟が顔中にかつお節とご飯粒をくっ付け、両手で煮干しにしゃぶりついていました。
(今では考えられないでしょうが、当時はごく普通にある光景でした)
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アカにして見ればご飯は別としても大好物の煮干しまで盗られては、黙っているわけにはいきません。
奪い取る事だってできたでしょうが、しゃぶった後の煮干しなど食べたくありません。
こうなったら母に訴え新しいご飯と煮干しを用意してもらった方が得策だと考えたのでしょう。
『かあちゃん、おいらヨダレだらけの煮干しは絶対イヤだからね。新しいのに変えてね。』
新しいのを期待していたアカですが、茶碗に戻されたのは弟が散々しゃぶってヨレヨレになった煮干しでした。
『アカ、早く食べないとまた食べられちゃうよ』母はそう言いながらヒョイと弟を背中に背負うと台所に消えていきました。
最初から背負っていてくれればこんな思いしなくて済んだのに、アカの茶碗の中には無残な姿の煮干しを隠すようにパラパラとかつお節がかけてありました。
母ちゃんとしては、かつお節で証拠隠滅を図ったつもりでしょうが、アカの目はごまかされません。
『やだ~ッ!!絶対やだよ~ッ!!』
ニャーニャー騒ぎ立てた末、やっとのおもいで新しい煮干しに変えてもらいました。
そして何事も諦めてはだめだと言う事を、アカはちっこい頭で学習しました。
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コロは、ふにゃふにゃになった煮干し入りのご飯を美味しそうに食べ始めました。
そして、茶碗がカラになると地面に落ちているご飯粒も一つ残らず食べ切りました。
※続きは次回投稿させて頂きます。
遠い昔の為、画像も無く文字だけの表現では当時の情景を感じてとっては頂けないのでは、と言う思いもありました。
それでも、今また、文字にしてみたいと思い立ったのには当時の貧しい時代を人間以上に知恵を絞って生きぬいたアカの生涯を書いてみたいと思ったからです。
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長旅で受けたアカの傷はほぼ完治していましたが、目の上と鼻筋には深い傷跡が残りその二か所だけはハゲたようになっていました。
この頃になるとアカの縄張り意識も一層強くなり『この傷は男の勲章だッ!!悔しかったら付けてみろッ!!』と言わんばかりに近隣のオス猫達に目を光らせていました。
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その朝、アカにしては珍しくニャーニャー騒ぎながら台所にいる母に駆け寄って来ました。
そして、訴えるように母の足元に絡みついて離れようとしませんでした。
アカには家族よりも先に朝ご飯をあげていたのですが、母は不思議に思いアカの茶碗の所へ行って見ると、一番下の弟が顔中にかつお節とご飯粒をくっ付け、両手で煮干しにしゃぶりついていました。
(今では考えられないでしょうが、当時はごく普通にある光景でした)
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アカにして見ればご飯は別としても大好物の煮干しまで盗られては、黙っているわけにはいきません。
奪い取る事だってできたでしょうが、しゃぶった後の煮干しなど食べたくありません。
こうなったら母に訴え新しいご飯と煮干しを用意してもらった方が得策だと考えたのでしょう。
『かあちゃん、おいらヨダレだらけの煮干しは絶対イヤだからね。新しいのに変えてね。』
新しいのを期待していたアカですが、茶碗に戻されたのは弟が散々しゃぶってヨレヨレになった煮干しでした。
『アカ、早く食べないとまた食べられちゃうよ』母はそう言いながらヒョイと弟を背中に背負うと台所に消えていきました。
最初から背負っていてくれればこんな思いしなくて済んだのに、アカの茶碗の中には無残な姿の煮干しを隠すようにパラパラとかつお節がかけてありました。
母ちゃんとしては、かつお節で証拠隠滅を図ったつもりでしょうが、アカの目はごまかされません。
『やだ~ッ!!絶対やだよ~ッ!!』
ニャーニャー騒ぎ立てた末、やっとのおもいで新しい煮干しに変えてもらいました。
そして何事も諦めてはだめだと言う事を、アカはちっこい頭で学習しました。
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コロは、ふにゃふにゃになった煮干し入りのご飯を美味しそうに食べ始めました。
そして、茶碗がカラになると地面に落ちているご飯粒も一つ残らず食べ切りました。
※続きは次回投稿させて頂きます。