ぜんきちの365日

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古書店街の来歴を探る

2017-04-17 09:47:36 | 日記
東京の神田神保町の名前は!
地下鉄の駅名に記されたルビによれば「かんだじんぼうちょう」と発音する。
週に1・2回は通っている場所であるが、その町名が何に由来するのか考えたことがなかった。
最も多かった時代、1930年代には二百軒もの古本屋が軒を連ねた世界最大の古書店街である。
歩いていても店先の本に気をとられてしまい、その土地の来歴にまで想像が及ばない。
学生時代からこの町に親しみ、勤務先や移住地として長らく過ごした著者が、歴史探偵ぶりを
存分に発揮し、町の来歴を調べあげて記した大著である。かって神保という旗本の屋敷がそこにあったから神保町。
徳川時代には武家が住んでいた土地が、明治・になっていくつもの学校・大学の用地に転じ、その学生たちを顧客に
当て込んで古書店が集中するようになった。それが古本の町の誕生である。この本は、多くの回想や古地図をふんだんに
参照しながら、古書店主たちと客としての学生や収集家、その双方の群像を生き生きと描く。老舗の書店や取次の閉店など、
時代が現代に近ずくほど、暗い話題が多くなっている。今後は古書店街も大きく変わってゆくだろうが、
同時新たな種類の商売もそこに生まれ、様々な人が訪れて、また別の特色をつけ加える。そんな希望も立ち現れて
来るような気がした。