夜の小学校で見たものは・・・

　　　子どもたちが帰宅し静まり返った小学校での


　　　　　　　　　　役員会


　　　子どもの声が全く聞こえない校舎は

　　　　　　　　　　超　こわい・・・　


　　　　　真っ暗な教室は　今にも　見えないはずの影が


　　　　　　　　　見えてしまいそう　



　　　　　　　　　　階段の壁に飾られている写真の数々


　　　　　　　　　　　　順番に　眺めてみた


　　　　　　　　　　ふと　目にとまったのは


　　　　　　　　　　　　心霊写真ではなく


　　　　　　　　　　　　　先日の運動会の写真


　　　　　　　　　　　　　　騎馬戦の・・・・


　　　　　　　　　　　　　　　ん


　　　　　　　　　　　　　　これは　まさしく　うちの次男　


　　　　　　　　　　　三人で作る騎馬の真ん中で


　　　　　　　　　　　　　　今にも崩れ落ちそうに

　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　騎手を支えている



　　　　　　　　　　　今まで　見たことのない形相で


　　　　　　　　　　　　　歯を食いしばって・・・

　　　　　　　　　　　　　　　

　　　　　　　　　　


　　　　　　　　　　　　　次男は日頃から　笑顔　　

　　　　　　　　　　　　　　「　にこにこしてて　いいね　」


　　　　　　　　　　　　　と　よく言われるけれど


　　　　　　　　　　　　　　　男らしくそろそろ　シャキッ　としてほしい


　　　　　　　　　　　・・と　思っていた矢先のすごい形相の次男



　　　　　　　　　　次男の騎馬にまたがるＳくんは


　　　　　　　　　　　　どの騎手も勝ち目のない凄腕


　　　　　　　　　　　そう　最後まで　勝ち残る

　　　　　　　　　　　　　と　いうことは


　　　　　　　　イコール　この騎手の下にいる三人は　

　　　　　　　　　　　どの騎馬より　

　　　　　　　　　　　 長時間　支え続けることになる


　　　　　　　Sくんは次男に


　　　　　　　　　　　「　重くてごめん　でも　

　　　　　　　　　　　　　　　　　俺　絶対　がんばる

　　　　　　　　　　　　　　　　だから　一緒にがんばろう　」


　　　　　　　　　　次男は　その言葉を　私に　何度も話してくれた


　　　　　　　　　　　　　「　約束したから


　　　　　　　　　　　　　　　　　絶対　がんばるよ　」


　　　　　　　　　　友達からの　言葉は　


　　　　　　　　　　　　　　　誰からの　励ましより


　　　　　　　　　　　　　　　　もっと　もっと　価値のある言葉


　　　　　　　　　　　次男は　がんばる力を　


　　　　　　　　　　　　　　　私からではなく　Sくんにもらった



　　　　　　騎馬戦の練習が続く毎日
　

　　　　　　　次男はいつも　制服のまま


　　　　　　　　　　　夕飯も済ませることなく


　　　　　　　　　　　　リビングで眠っていた　


　　　　　　　朝はいつも　７時のバスで学校に行くのに


　　　　　　　　　　足を引きずりながら


　　　　　　　　　　　　　いつまでも　ぐずぐず


　　　　　　　私が仕事から帰ると


　　　　　　　　　　　腰が痛いよ～


　　　　　　　　　　　　　　足が痛いよ～


　　　　　　　　　　　　　　　　　首が痛いよ～


　　　　　　　　　　私は　はじめは事情がわからず


　　　　　　　　　　　　　どこか悪いのではないかと


　　　　　　　　　　　　　病院にいこうと思ったほど・・



　　　　でも　それは　騎馬戦の練習の日だけだったことに気がついて


　　　　　　　　　　「　そのくらいでへこたれて　どうする

　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　がんばる　がんばる　」


　　　　　　　　　　　。。。と背中をおした


　　　　　　　　　　　　　シップだらけの


　　　　　　　　　　　　　　背中・・・ 足・・・　肩・・・

　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　あの　痛みのすべてを


　　　　　　　　　　　　　　　物語っているかのような　写真　



　　　　　　　　　　何をやっても頼りない次男


　　　　　　　　　　　　　でも　彼なりに


　　　　　　　　　　　　　　　　　がんばっているんだな・・・


　　　　　　　　　あのとき


　　　　　　　　　　　　　背中をおすばかりでなく


　　　　　　　　　　　　　　抱きしめてやればよかったな・・・


　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　

　　　　　　　　　　Sくんとの約束どおり　勝利をおさめた騎馬戦


　　　　　　　　　　　　　でも　その結果は付録


　　　　　　　　　　　　　　　もっともっと　すごいものが


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　次男の宝物