前編の続きです
「 かい~の~先生 」の指の先は
相変わらず奇跡の5番以内を指している
「ボケあ」は いつになく冗舌に
「いやぁ~ 家ではゲームばかりでぇ~
机に向かっている姿を見たことがないんですけれどねぇ~」
・・・と ふんふん鼻を鳴らしている
「いやいや ここまで点を取ろう思ったら
かなり努力されていないと 無理ですから
きっと 親御さんの知らないところで
頑張っておられるのでしょう」
「ボケあ」 すでに 舞い上がりまくり
私は思い切って 口を開いた
「先生 間違いなく ここですか
この山の部分・・・」
「え~~~ちょっと待ってくださいよぉ」
・・と 私たちに見えないように隠しつつ
資料をペラペラめくる
「ん・・このあたりですね・・」
と 指差した部分は
さっきの指先と 同じ・・・
ん
ではないっ!
「せんせ せんせ さきほどと
違うような気がするのですが・・・」
あきらかに その指先は
山のてっぺんから 少々下った場所であった
「 かい~の~先生 」 か~な~り~怪しいぞ
「ボケあ」は相変わらず
鼻の穴が膨らんだ状態のまま。
「せんせ 私 息子の点
少しだけ 聞いたのですが
やはり なんだか 違うような」
「そうですかぁ~ おかしいですねぇ
ちょっと待ってくださいよぉ~」
・・・と 焦る様子もなく
再度 資料をペラペラめくる
「だいたい ここあたりですかねぇ」
「 かい~の~先生 」の指の先は
さきほどの
一番高い山あたりを少し下った部分を
指して・・・
いないっ!
明らかに 一番高い山あたりを少し下った部分より
更に下ったところに
「 かい~の~先生 」の指先が停止状態にある
しかも その「 かい~の~先生 」の指先は
山の中腹辺りからじりじりと 低いほうへ低いほうへと
心なしか微動しているような
これ以上 聞くのは よそう
どんどん 下って
山のてっぺんどころか
1合目あたりまで下げられてしまった日には
私の隣で
鼻をふくらませている「ボケあ」が
あまりにも 不憫だからである。
「 かい~の~先生 」 は
結局 まだ統計をとっていなかったのか
それとも 別の学生と間違えたのか
いまだに ナゾは深まるばかり。
秋に手にする通知表を見るまで
「ボケあ」には 夢の中で待機して頂くことにした。
「ボケあ」の記念すべき懇談デビュー戦、
果たして 成功だった と言えるのであろうか