会社に入ったばかりの頃は
昼飯を買いに行くのが11時半だったんだが
いつの間にか少しずつ早くなり
今では10時55分になると俺がソワソワしだす
『そろそろ行きますか!』
ってんで買いに行くので
食べる時間ももちろん早い
11時40分過ぎには食べ終える
そこからおもむろに倉庫へ行く
夏の倉庫で昼寝をするには少しばかりコツがいる
とてもじゃ無いがこのまま倉庫に入ってゴロンと横になっても
暑くて眠れたものじゃない
まずは正面のシャッターを開ける
ただ開ければいいってんじゃない
30センチだけ開けるのだ
今度は倉庫の奥の窓を全開にする
更に二階へ上がって二階の窓も開ける
こうする事でシャッターの所から風が入ってくる流れが生まれる
全部開けると今度は陽の光が入って暑くなる
いいか、開けるのは30センチだけだ
コンクリートのたたきの上にすのこを敷いている
その上に座布団を3枚
枕にする座布団を1枚
足元には冷風機を置くんだ
足元から涼しい風を浴びるのがいい
そして忘れちゃならないのが蚊取り線香
コレがないと蚊に食われるぞ。気をつけろ。
そして横になって折り畳んだ座布団を枕にしたら
Amazonタブレットにダウンロードしてた怪談をイヤホンで聞く
目を閉じる
ゆっくり深呼吸する
この怪談は毎回同じやつだ
聞かなくても先が知れてる
新鮮味なんか何もない
でもそれがいい
聞き飽きてる怪談ほど眠くなるものはない
右足のつま先で左の靴下を下げて
左のつま先で右の靴下を下げる
全部脱いだら履くのが面倒だから
靴下は半分だけ残して脱ぐんだ
いいかもう一回言うぞ
靴下は半分までだ
そうだ
それがまさに今の状態だ
聞き飽きた怪談和尚の怪談説法が今日も心地いいじゃないか
会社で寝るなとか言ってるのは
もう読者さんしかいない
会社じゃ誰も俺に昼寝するななんて言わねぇんだ
だってこれが俺のルーティンだかr……
zzz