8ヵ月ぶりに電車に乗って(!)、隣県の港町へ出かけてきました。
目的は、『ミナペルホネン/皆川明 つづく』展。
年明けからずっと、こちらへの巡回展を楽しみにしていたのに、このコロナ禍。
緊急事態宣言を超え、会期が変更されて開幕したのを喜んだのはいいけれど、今度は病気を拾いやすいこの身がネックとなって、外出もままならず。
それでもどうしてもどうしても見に行きたくて、毎日タイミングを計っていました。
そして、住まう場所と訪れる場所の感染症の実効再生産数が『1』を切り、私の体調も安定した先日。
「今だ!」とばかりにチケットを予約して、行ってきました*

美術館エントランス
やっと見に来られた〜!

会場入り口からこの迫力。
この美術館特有の入り組んだ通路と階段とを抜けた先がこの景色で、たまたま前後して着いた見知らぬご婦人と同時に小さく「わぁ…!」と歓声をあげてしまって、お互い顔を見合わせて笑い、ほっこり*

『洋服の森』
…圧巻!

『森』の迫力から我に返ったあとは、一着一着見ずにはいられなくて、気がついたら長い時をここで過ごしていました。

『one day』
かわいい。
思わず「うふふ*」と嬉しくなる模様です。

そのテキスタイルのデザイン画が、こちら。
デザイン画というより、もはや絵画。
物語が聴こえてきそう*

『taba』(中央のドレスです)
このテキスタイルのデザインと色が、とても好き。

そのデザイン画がこちら。

テープ(おそらく紙テープ)を縦に裂いたもので描かれています。
何気ないものからの、この発想力。
ただただ「すごいなぁ」と目を見張るばかり。
そして、この『束』のリズムもなんとも心地よくて…好き。

展示のしかたもリズミカルで、とても居心地のいい展示室ばかりでした。

『forest parade』
房になった、レースのような刺繍。
こんなにも細かなものを機械で刺すだなんて…すごい技術。

それが用いられたドレスがこちら。
胸元の軽やかな重厚感(言葉としては矛盾してるけど、そう感じたのです)にうっとり。

『jellybeans』
なんてかわいい天井!

無駄を作らない、驚くほど丁寧なパターンの配置。
趣味とはいえ、洋裁をする身には「学び」そのもので、何度もこの展示の前に戻っては、立ち尽くして見てしまいました。

『piece』
ハギレも、さらにはそのカケラも、大切に使い尽くす、見事な精神。
私のソーイングルームのハギレたちも、みんな私が気に入って手に入れた生地だもの…
最後の最後まで責任をもって、工夫して使わなくちゃね。(と、がっつり自分に言い聞かせ。)

『dop』
擦り切れた生地の下から、別の色。
経年変化が嬉しくなるだなんて…!
ほんとうに素敵な仕掛けです。
これら以外にも、皆川明さんによるこの会場オリジナルの壁画や、新聞コラムの挿絵などなど、テキスタイルや洋服以外にもたくさんの展示がありました。
ファンのかたにはきっと垂涎だったことでしょう*
ただ…私は『ミナペルホネン』や皆川さんのファンというよりは、「テキスタイルが大好きな、ちょっとだけ洋裁も齧る人間」としての目で鑑賞したので、こんな感想となりました(笑)
嬉しくなったりうっとりしたり、感銘を受けたり反省したり…
私にとってはとても意義深い展覧会でした。
行けてよかった!
そして、観覧後のお楽しみ(笑)、展覧会グッズ。
今回、内容が私には合わなかったので、図録は購入せず。
(図録好きな私にしては珍しい)

会期終盤に近かったせいか、ポストカードはあまり種類が残っていませんでした。
その中から、お気に入りを少しだけ*
下段は、てぬぐいです。
…ではありますが、私は『生地』だと思って見て、自分の裁縫に使えそうなものを選びました(笑)

さらに、ちょっとばかり奮発して、パニーニバッグも*
『ringo』という名そのままの、リンゴの木の刺繍が素敵。
内布は、皆川さんデザインのリバティプリント『Sleeping Rose』です。
豪華!(笑)
右上のお皿は、業務用食器のB級品(とはいえ、どこがB級品なのかわからないくらいの良品でした)にミナペルホネンのデザインを加えてリメイクされたもの。
これはミナの製品ではなく、パスザバトン(PASS THE BATON)というところのもので、展覧会のショップではなく美術館売店にて求めました。
ちょうどこれくらいの深皿が欲しいと思っていたところだったので、即決。
いいお買いものができました*
会場を出たあとは、歩き疲れた足を休ませたくて、美術館の裏手へ。

いい天気!
貿易港なので景色に色気はないですが(笑)、海風がとても気持ちよかったです。

…のはいいけれど。
歩き通しで、足が棒。
(帰宅したら1万歩超えてた…)
おまけにここ数ヶ月間の運動不足がたたり、むくみまで出ちゃって。
歩きやすさで選んだ編み上げシューズが災いして、見た目がボンレスハム状態に _:(´ཀ` )
ちなみに、この日着用したのは、手製のワンピース(→★)です。

海側から見た美術館です。
いつ見てもいい建物。
何度行っても館内で迷子になるけど(笑)
(それは私が構造を体感したくて、エレベーターを使わずに階段&通路を歩き倒すから。
でも美術館スタッフがみなさん朗らかに親切で、尋ねると笑って出口を案内してくださいます)

ヤノベケンジ 『Sun Sister』
ほんとうによい学びと気分転換の一日でした。
早くこの感染症が落ち着いて、もっと気楽に、そしてまたたびたび足を運べるようになるといいな。