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『ルクス・ペイン』 公式ホームページ
さて、Wiiウェアばかり書いてたので影に隠れがちですが、DSでは『ルクス・ペイン』を購入しましたです。
現在、約4時間プレイしてのファーストインプレッションです。
●人の『思念』を探り、導き出すアドベンチャー
人の「怒り」や「悲しみ」、「苦しみ」といった『思念』を探り、見つけ出す「Σ(シグマ)」という能力をもつ主人公。難しく言いましたが、要するに人の心が読み取れる、ということです。直接、人の心を読み取るだけでなく、空間に残った思念、いわゆる『残留思念』を探って読み取ることもできます。
その思念を探っていって、どこかに潜む、弱い心に寄生する「サイレント」という寄生体を倒すのが目的です。
冒頭はちょっと違う流れですが、基本的には学園での1日が1エピソードとなっています。その1日の間に、色んな人の思念を探ったり、残留思念を探ったりして、サイレントの在り処を突き止めていきます。
●操作・用語・ゲームの流れ
ざっと、流れと専門用語を紹介してみます。
・エーテル画面
基本画面では、下画面が普通の現実世界で、上画面には下画面と同じ場所の「エーテル画面」というのが見えています。色調が反転して少し画面が揺れ動いています。
このエーテル画面では、残留思念が見えたり、あるいは人と会話などをしている最中に相手が過剰な思念を出した時(怒る、喜ぶなど)の様子が見えたりします。
・「Σ(シグマ)モード」
今いる場所に残留思念を感じたり、あるいは相手から思念を感じた所で、画面左下にΣアイコンが出たり、画面真ん中にΣの文字が出てきます。それぞれタッチすると、色調が反転してΣ画面に入ります。
・Σ画面
Σ画面では、「ワーム」というものを見つけ出して捕獲するミニゲーム的なことを行います。「ワーム」というのは、簡単に言うと、思念や残留思念が形になったものです。
まず、サーチでワームがどの辺りにいるかを探します。「サーチモード」で画面をタッチすると、その近くにワームがいるかどうかをサーチします。
位置が特定できたら、素早く「イレースモード」に切り替えて、画面をスライドして空間を削り、「ワーム」を探します。ワームは常に動いているので、注意しましょう。
ワームを発見したらタッチし続けてください。一定時間タッチするとワームが消え、そこから「ターム」が生まれます。「ターム」というのは、人の思念が言葉や映像に変化して表されている様を言います。
全てのワームを捕獲してタームを導き出すと、ミッションコンプリートです。
ちなみに、人がいない場所でのΣ画面では何の制限もありませんが、人に対してΣ画面で操作を行うときは、制限時間と精神力ゲージというものが出てきます。精神力ゲージは、空間を削るとドンドン減っていき、0になるとゲームオーバーになります。制限時間を迎えてしまってもゲームオーバーになります。わりと焦ってしまいますよ。…ただ、セーブは行き先の選択でいつでもセーブできるので、こまめにセーブしておきましょう。
・「ターム」の中身を見る
ミッション完了すると、「ターム」の中身を見ます。ターム(言葉)をタッチすると、それが言葉の映像として上画面に浮かび上がってきます。文字の表示の仕方やBGM、効果音などでその思念の雰囲気を出しており、私はなかなか好きです。ただ、人によっては長ったらしく感じると思うので、映像はスキップしてもいいかもしれません。後で内容だけでも見ることはできるので。
ちなみに、残留思念は「ターム」をタッチするだけで中身を見ることができますが、人から摘出した「ターム」である場合、タームをタッチしてその人に向ってスライドして、「インプリント」というのを行います。これにより、その人物から「ターム」に関係している情報を知ることが出来ます。(誰かを憎んでいる、とか)
・タームの「合成」
さらに、1つのΣモードで2つ以上の「ターム」が見つかり、かつそのターム同士の内容が非常に関連性の強いものである場合、合成によってさらに深い思念を知ることが出来ます。ただし、これ自体はほとんど自動で行われるので、気にしなくていいと思います(笑)
・「サイレント」との対決
人の心に巣食う「サイレント」を発見したら、その人物の「精神世界」に入り込み、そのサイレントを倒します。
下画面に、たくさんの青い点が表れ膨れ上がっていきます。それが白くなったタイミングでタッチすると、サイレントにダメージを与えます。失敗したり、逃してしまうとダメージを受けてしまいます。
基本的には、以上のような感じで、「ターム」からいろんな情報を得て「サイレント」を探し出して倒し、ストーリーを進行していきます。
ちなみにこのゲームは「レベル」(このゲームでは「ランク」と呼んでいます)という概念が存在し、タームを摘出したりサイレントを倒したりすると経験値が入っていきます。レベルが上がると、Σ画面で利用する「サーチモード」や「イレースモード」の能力が上がります。
・エモーションモード
これは、会話の一部で出てくるモードです。本来は、選択肢で相手の言葉に対して返すことがほとんどですが、たまに相手のの言葉に対して「表情」で返す場面が出てきます。それが「エモーションモード」と言います。選択肢として、「怒り」「呆れる」「笑う」「冷静」などが出るので、適していると思う表情を選んでください。
まあ…要するに選択肢のと何ら変わりないですが、ちょっと変化があるだけで面白くなるもんですね。
●いい繋ぎ方で、わりとやめ時を失う
このゲームは、実は私自身もあまり完全に理解できない状態で購入したものだったので、パッと見では魅力が伝わりにくい感じがあります。
しかし内容は、個人的にはけっこう好きです。
どちらかというと…小説を読み進めていくような楽しみ方かもしれません。推理的なものもそんなに必要なく、わりと文字を読み進めていってこそ、という感じがします。しかし、そこに映像による表現、Σモードなどでうまいこと刺激を与えているという感じです。
冒頭はチュートリアルという意識があったためか、ちょっと文章が多めで人によってはダルい第一印象を与えてしまうと思いますが、学園生活に入ると、かなりいいバランスです。会話とΣモードとかがバランスよく訪れるという感じで、わりとプレイし始めると、やめ時を失います。
あと、データ的な面もしっかりしており、詰まった時はアドバイスをくれたり、あるいは今まで見てきたタームの内容やサイレントの内容なども見ることができます。
反面、メニューの操作や内容に関しては全く何も説明してくれないので、説明書を読んだり適当に触ってみないと、メニューの内容とかが分かりません。私なんかは、1時間くらいプレイしたところで「セーブってどうやるの?」と思い、説明書を見ると、行き先選択画面でSTARTボタンを押すとシステムメニューが開くことを知りましたので(笑)
その点については…まあ開発者側からしてみれば「それくらい探してくれ」ということかもしれませんが、ユーザーはそうは思いませんので。
あとは、演出の面でですかね。人物の絵とかは表情が変わるたびにフェードインアウトの演出が入るので、人によってはもどかしく感じるでしょう。私も最初はちょっと気になりましたが、今はそれほどでもないです。
それと、たまに意味のないと思うタイミングで画面のフェードインアウドが入るのも気になったりしました。こちらも、まあ別に気にはならないとは思いますが…。
ちなみに、専門用語に関しては…実はそんなに覚えなくてもゼンゼン話には付いていけるので問題ないです。が、ダークな世界観はそこそこ好みが分かれるかもしれません。まあ、人の感情がモロに見えるのでね。特に冒頭は、文章的にグロありです。想像して楽しむ作品ですが、むしろ想像したくないというか。
以上の点を考慮しまして、個人的にはけっこう良作です。ストーリーは単純ですが、人の心が見えることで、正統なアドベンチャーとしての「深み」を感じた作品です。