『肉弾』
対応ハード : プレイステーション3 ※PlayStation Move専用
※「PlayStation Move」は、「PlayStation Eye」がないと動作しません。
発売元 : ソニー・コンピュータエンタテインメント
開発 : コールドウッド・インタラクティブ(海外のメーカーです)
発売日 : 2010/11/18
希望小売価格 : 3,980円(税込)
ジャンル : 格闘
プレイ人数 : 1~2人
通信機能 : インターネット通信対応・ボイスチャット対応
CERO : B(12才以上対象)
備考 : 3D立体視対応・インストールデータ必須(約1GB)
◆参考データ--------------------------◆
購入価格 : 2,562円(中古)
プレイ時間 : 約2時間
プレイ内容 : ライバルを15人ほど撃破&友人と対戦してみました
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●= 頼れるのは、己の拳だけ! =●
今作は、「PlayStation Move(以下、Moveと略します)」専用の格闘アクションゲームです。
大抵の人は筋肉痛になること必死な、ガチバトル&トレーニングを楽しめます。
●= ルール説明 =●
相手を殴って殴って、体力を0にすれば勝ちです。…以上(笑)
勝てばクレジット(お金)を獲得するほか、戦える相手がどんどん増えていきます。
しかし、「パワー」「スタミナ」といったステータス(アビリティー)があり、これが低いままでは強い相手には敵いません。そのためには、トレーニングをしなければいけません。
基本的なプレイスタイルとしては、
バトルをおこなってお金をためる
↓
クレジットを消費してトレーニングしてステータスアップ
↓
より強い相手と戦っていく
の、繰り返しです。
◆-- 予想 --◆
バトルでは、自分自身にクレジット(お金)を賭けることで、勝利時により多くのクレジットを獲得できます。もちろん、負けてしまえばパーです。
また、賭ける際はただ「勝利」と賭けることもできますし、例えば「すばやい勝利」「きれいな勝利」といったものもあります。条件は厳しくなりますが、獲得できるクレジットがさらに増えます。
●= コントローラについて =●
◆-- 操作タイプ --◆
Moveが2本ある場合は、両手に持ってプレイします。
1本しかない場合は、右手にMoveを。左手にはPS3の普通のコントローラ(ワイヤレスコントローラ)を持ちます。USB差込口がテレビのほうを向いて、Lボタンが上に来るように持ちます。
◆-- キャリブレーション --◆
バトルを開始する前、もしくはトレーニングを行う前に、キャリブレーションを行います。
1.Moveを「PlayStation Eye」に向けて、Moveボタンを押します。(2本使う場合は、両方おこないます)
↓
2.Moveを真っ直ぐ前に向けて数回パンチ動作をします。
↓
3.両手を左右に大きく広げてMoveボタンを押します。(カメラの視界にMoveの先端が映るように)
↓
4.背景の状態をテストするので、カメラ視界の外に移動して、Moveボタンを押します。
↓
5.戦う姿勢のポーズ(両手をあごの下に持ってくる)をして、Moveボタンを押します。
起動して最初はこの動作をおこない、2回目以降は3と5の動作のみ行います。
バトル&トレーニング中は、その場から足を動かさないようにしましょう。位置がズレると動作がおかしくなってしまうようです。(もしズレてしまった場合は、○ボタンを押して再調整しましょう)
●= アクションの紹介 =●
◆-- クリーンムーブ --◆
いわゆる基本アクションです。
Move(ワイヤレスコントローラ)を動かすだけでできる動作で、ストレートパンチ・フック・アッパーカット・ガードなどができます。
また、Moveボタンを押しながらMoveを振ると、移動ができます。ボタンを使用しますが、これも「クリーンムーブ」に部類されます。
◆-- ダーディ・ムーブ --◆
ボタンを押しながらMove(ワイヤレスコントローラ)を動かすことでできる、特殊な攻撃です。
バトルに勝利していくことで1つずつ覚えていきます。非常に強力ですが、スタミナを多く消費します。
◆-- その他の操作 --◆
□ボタンを押すと、「挑発」を行います。レイジゲージがたまりますが、スキも大きいです。(レイジゲージについては、少し下で説明しています)
また、△ボタンを押すとカメラ視点を切り替えられます。
●= 各パラメータの紹介 =●
◆-- ヘルスゲージ --◆
いわゆる体力です。0になると負けです。
◆-- スタミナゲージ --◆
攻撃をするたびに消費していきます。
攻撃し続けると白いメーターを赤いメーターが侵食していき、赤いメーターだけになると攻撃力が大きく低下します。攻撃を止めて、白いメーターを回復しましょう。
◆-- レイジゲージ --◆
このゲージが多いほどダーディ・ムーブの攻撃力が上がります。
ダメージを与える、与えられる、挑発をすることで増えていきます。何もしていない間は徐々に減っていきます。
◆-- アビリティー --◆
プレイヤーの基本能力を表すステータスです。全6種類あります。
パワー … パンチの強さに影響します。
スピード … 移動速度とパンチの速さに影響します。
スタミナ … スタミナゲージの減り具合に影響します。
あご … パンチを受けてノックアウトしてしまう確率に影響します。
ハート … パンチを受けてギブアップしてしまう確率に影響します。
テクニック … パンチの命中率に影響します。
◆-- ランク --◆
バトルに勝つと増えて、負けると減ります。
ランクを一定まで上げると、登場時・退場時・挑発のモーションで新しいモーションが選択できるようになります。
◆-- クレジット --◆
これが、いわゆるお金です。バトルに勝つなどで増えていきます。
トレーニングをする時、アイテムを購入する時、ケガを治療する時に消費します。
※ケガを治療しないでいると、能力が充分に発揮できない…と思われます。ハッキリ書かれていないですが(笑)
◆-- スキルポイント --◆
トレーニングの結果に応じて獲得します。
これを消費することで、アビリティーを上げることができます。
◆-- 評判 --◆
最初は「中立」ですが、戦い方によってこれが変わっていきます。名称と関係は以下の通りです。
評判が良い
↑聖人
|高潔
|公平
|中立
|不正
|卑劣
↓罪人
評判が悪い
クリーンムーブの比率が多いほど評判が良くなり、ダーディ・ムーブの比率が多いほど評判が悪くなります。
評判が良いほど、勝利した時にもらえるクレジットが増えます。評判が悪いほど減ります。(予想したクレジットにも影響します)
●= モード紹介(1人プレイ用) =●
◆-- イベント --◆
ステージを選択した後、そのステージにいる対戦相手を選択して、戦います。
倒していくことで選択できる相手が増えていき、最後にはそのステージの頂点に君臨する「ボス」が待ち構えています。
◆-- トレーニング --◆
全5種類のトレーニングがあります。
無料のものは、スキルポイントを獲得できません。有料のものは、スキルポイントを獲得できます。トレーニングの成績に応じて獲得できるスキルポイントの数が違いますので、基本的には得意なトレーニングを続けると良いです。
◆-- フィットネス --◆
これまでのプレイで消費したカロリーを確認できます。
バトル終了時にも表示されます。
◆-- ファイター --◆
プレイヤーに関するデータを確認・操作できます。
外観を変えたり、スキルポイントを消費してアビリティーを強化したりできます。
また、条件を満たすことで獲得できる「ブースター」というものがあり、獲得したブースターに応じて様々な能力が上がります。その条件も、ここで確認できます。
●= モード紹介(多人数プレイ用) =●
※オンラインについては利用していないので、説明書を参考にして書いています。
◆-- オフライン --◆
ローカルで2人対戦ができます。ローカル対戦するには、Moveが最低2本で、かつMoveと普通のコントローラが合計で4つ以上ないとプレイできません。
◆-- オンライン --◆
インターネットに接続して、知らない相手との対戦ができます。
「ランク有り」と「ランクなし」の2種類があります。
|-- ランク有り --|
あらかじめ12種類の「ステージ」が用意されています。その中で、自分と同じステージにいる人たちと対戦して、勝利していくことでステージ内でのランクトップを目指します。
|-- ランクなし --|
こちらは、ステージ関係なく自由に対戦できます。
フレンドとの対戦もできます。フレンド対戦時は、相手にメールで対戦を申し込むことも出来ます。
なお、どちらの場合もボイスチャット対応です。基本的にはONになっています。
OFFにしたい場合は、本体メニュー画面で「設定」→「周辺機器設定」→「音声機器設定」と選択肢、入力機器の項目を「使用しない」にします。
※初期設定では「使用しない」になっているっぽいですが、一応確認しておきましょう。
※相手がONの場合、こちらがOFFであっても相手の声は聞こえます。
◆-- 観戦 --◆
オンラインで対戦中の模様を、観戦することができます。
また、それに対して予想をしてクレジットを賭けることができます。
●= partygameの評価 =●…86点(100点満点)
これがPS3流フィットネスか…
○=良かった点
△=人それぞれ or 気になったけど悪いというほどではない点
×=悪かった点
|-- ○コアユーザー向けという不思議 --|
『Wii Fit』シリーズとかでもそうですが、本来こういった「体を激しく動かすゲーム」って、雰囲気やシステムがライトユーザー向きに作られていることが多いです。しかしこの作品は、見た目もそうですしゲーム内容も、コアユーザー向けです。
で、コアユーザーというのは大体こういう「面倒そうなこと」はやりたがらないものですが…まず、そもそも「PlayStation Move」を持っているという時点で、体を動かすことを面倒だと感じている人の割合はかなり少なくなります。
あとは、ゲームとして楽しめるという意味では飽きが来にくいでしょう。そう考えると、確かにPS3ユーザー向きのフィットネスゲームになっているように思いました。何だかんだで、マーケティング的には理にかなっているというわけです。
|-- ○地味で疲れるのに、続けたくなる魅力 --|
最初、一通りプレイしてみて思ったのは、とにかく「地味」です。そして、強くなるにはトレーニングが欠かせないので、疲れます。サンドバックを2~3回続けるだけで、けっこう腕にきます(私が運動してないからかもしれませんが(笑))。
しかし、トレーニングの成果はバトルでしっかりと反映され、これまで敵わなかった相手を倒せるようになっていたりします。さらに、バトルを続けることで自身のテクニックも上がっていくでしょう。それによる「地味な達成感」こそが、一番の魅力であり、続けたくなる要因になっています。地味な達成感って、私けっこう好きなんですよね~(笑)
やりこみ要素もそこそこあり、ライバルを倒していくのはもちろん、「ブースター」など条件を満たさないと獲得できないものもあります。また、それこそCPUが相手にならなくなってきたらオンラインで対人戦を楽しむことも出来ます。
根本的な部分が単純なぶん、(価格のわりには)やることを多く詰め込むことができ、それもまた続けたくなる要因になっているでしょう。
|-- △できれば、Move2本で --|
操作タイプは「Move2本」と「Move+普通のコントローラ」の2タイプがあると説明しましたが、できることならMove2本あったほうがいいです。
Moveの場合は、自身の動きそのままにゲーム内のキャラクターの腕も動いてくれますが、普通のコントローラの場合はただ反応するだけなので、振るとそれに応じて動く。つまり、ワンテンポ遅くなりますし、細かい動きもできません。
もちろん、ちゃんとパンチはできるのでそんなに大きな支障ではないですが、バトルやトレーニングを実際にやってみたりすると、右と左で動きが違うのは思ったよりもどかしく感じました。充分に魅力を楽しみたいのであれば、やはりMove2本でプレイして欲しいです。
ただ、ローカルで友達と対戦する時とかはMoveが4本必要なことになるので、そこは「Move+普通のコントローラ」でもいいと思います。充分に楽しめます。
|-- △トレーニングについて --|
基本中の基本である「サンドバッグ」や、「スピードバッグ」「ミット打ち」など、まさにボクシングらしいトレーニングががあるんですが、ボクシング経験なしの私には、サンドバック以外はまともに続けられません(笑)
スピードバッグは「音を聞いてリズムをつかめ!」なんて言いますが、素人にはさっぱり分かりません。ミット打ちも、正確かつ素早いパンチが求められるので、難易度高めです。しかし、スキルポイントがより多くもらえるみたいな価値は感じなくて、結局私はサンドバッグしかやっていません。
気にはなりましたが…まあ、開発者の意図した通りかもしれませんし、難しいからといってデジタル的なサポートを入れるのは、ゲーム性に合っていないというのも分かる気がするので、これはこれでいいとは思います。
|-- ×一部システムが分かりづらい --|
例えば「評判」について、上記で説明しましたね。クリーンムーブ(基本のアクション)を多用すれば評判が良くなり、ダーディ・ムーブ(特殊攻撃)を多用すれば評判が悪くなる、と。
しかし、ゲーム中では全く説明してくれません。説明書でも、けっこう分かりにくいところに書かれていました。なんか、ダーディ・ムーブを使って勝っていたら、もらえるお金が減っていたので「何で?」と思ったら、そういうことだった…という感じで、そこは一応チュートリアルで説明が欲しかったです。(ゲームの最初にはチュートリアルがあったので)
あとは、「ケガ」についても具体的には書かれていません。
こんな風に、一部のシステムであまり詳しいことが分からない部分があったので、ちょっと気になりました。
|-- △その他、細々と --|
・インストールデータが必須なので、初めて起動した時はプレイ開始まで時間がかかります。あと、インストールデータがある割には、次回以降に起動した時のロードもかなり長いです。
しかし、始まってしまうとロードはほぼ皆無です。最初だけガマンってことですね。
・チュートリアルや新しいアクションを指導してくれるおじさんが、「真面目にバカをやっている」という感じで好印象です(笑)
・キャリブレーションの時に両手を左右に広げるので、テレビからの距離は2m以上あったほうが良いようです。
私の場合はちょっと距離が短いので…軽く肘を曲げないと、画面内に収まりません(笑)まあ、それでも反応には支障がありませんが。
・「ダーディ・ムーブ」のアクションをする場合、ボタンを押しながら振るという動作がほとんどですが…押した後すぐに振らないと、うまくいかないようです。押しっぱなしにしたまま連続でアクションできるかと思いましたが、一度離さないといけないようで。ちょっと、分かりにくかったです。
ちなみに、メニュー画面での操作もそういう仕様になっており、一気にページ送りをすることができません。
・顔や髪型といったパーツの種類は少ないです。まあ、良くも悪くも洋ゲーっぽい感じですね。
・ボイスチャットは「基本ON」になっているという仕様。もちろんOFFにはできますが、相手がONにしていた場合、相手の声は聞こえます。
ちょっと日本人ユーザーとしては抵抗のある仕様ですね。
◆-- 総評 --◆
「コアゲーマー向けの擬似リアルファイトゲーム」ということで、やることはシンプルですが、非常に個性を感じる作品になっています。
気持ち的にはもちろんですが、肉体的?にも達成感を感じられますね。
本当に、腕が筋肉痛になること必死のゲームなので、まず自身が運動をすることに対して充実感を感じられるか?で判断されると良いかと思います。それを知らずにいきなりこのゲームをプレイしたら、色々な意味で面食らうことになるでしょう(笑)
そして、筋肉痛覚悟で何時間もトレーニングするのもいいですが、基本は毎日20~30分程度トレーニングをして、その間に数回バトル。これを続けるというのがよろしいでしょう。まあ、バトル自体はそこまで疲れるものではないので、繰り返し同じ相手とバトルしてテクニックを磨いても良いと思いますし。
ともかく、無理しない程度に楽しむようにしましょう。
今回、一応「ファーストインプレッション」としましたが、セカンドインプレッションは、何か新たな発見があったり評価に大きな変化がないと書かない予定です。あしからず。
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