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『サバイバルキッズWii』
対応ハード : Wii
発売日 : 2008/08/07
希望小売価格 : 5,480円(税込)
ジャンル : サバイバルシミュレーション
プレイ人数 : 1~2人(ミニゲーム時のみ2人プレイ可能)
○無人島での冒険記『サバイバルキッズ』シリーズの最新作
今作は、DSで3タイトル発売されている『サバイバルキッズ』シリーズの、最新作です。同時に、初の据え置きゲーム機での発売です。
DS版で培ってきたシステムはそのままに、Wiiリモコンによりさらなるリアリティを向上させたものになっています。
○まず、基本的なこと
各キャラクターには、次のようなパラメータがあります。
・体力
基本的には減ることはありませんが、野生の動物の攻撃を受けると減ります。また、この後紹介する「水分」または「スタミナ」が0%になっている状態だと、徐々に減っていきます。拠点で寝ると、回復します。
体力が0%になるとゲームオーバーです。
・水分
時間とともに減っていきます。寝ても減ります。水を飲んだり、水分のある食べ物を食べると増えます。
水分が10%以下になると寝ることができなくなり、0%になると体力が減っていくうえに、脱水症状となり、水分のない食べ物が食べられなくなります。
・満腹度
時間とともに減っていきます。寝ても減ります。何か食べれば増えます。
満腹度が10%以下になると寝ることが出来なくなり、0%になると空腹状態になり、この後紹介する「スタミナ」の減りが早くなります。
・スタミナ
時間とともに減っていきます。ミニゲームなど特定の行動を行ったときにも減ります。休んだり拠点で寝たりすると、回復します。
スタミナが10%以下になると走れなくなり、0%になると体力が減っていきます。
基本的には、水や食べ物を蓄えるとか、何か作って過ごしやすい環境にするなどで、上記の4つのパラメータを保つことが大事になります。
パラメータの減り具合などは、天候によって変わってきます。例えば、雨の日は減りやすいとかですね。
また、例えば腐っている食べ物を食べてしまったら「腹痛」になったり、攻撃を受けて「怪我」をしてしまったら体力が減っていってしまうとか、雨に長時間うたれていると「風邪」をひいたりなど、ステータス異常もわりとリアリティのあるものが多数あります。
○操作方法
今作は、Wiiリモコン+ヌンチャクコントローラーのスタイルでプレイします。
・コントロールスティック(ヌンチャク)…移動
・Aボタン(Wiiリモコン)…決定・様々なアクションを行う
Aボタンで何かできるところでは、画面下にアイコンが表示されます。
・ポインター(Wiiリモコン)…様々なアクションを行う
木を振ったり、武器を振ったり、その場の状況に応じていろいろな振り方があります。
・Bボタン(Wiiリモコン)…装備している道具を取り出す・しまう
・+ボタン(Wiiリモコン)…メニュー画面を開く・デモのスキップ
(※見たことないデモもスキップできちゃうので、注意!)
・-ボタン(Wiiリモコン)…キャンセル
・1ボタン(Wiiリモコン)…マップの表示・非表示
・2ボタン(Wiiリモコン)…パラメータの表示・非表示
・Cボタン(ヌンチャク)…パートナーと行動する・離れる
パートナーが付いてきている状態でCボタンを押すと、パートナーはその場に停止します。
パートナーのいるところでもう一度Cボタンを押すと、再び付いてきます。
なお、パートナーを置いたまま別のエリアに移動することはできません。
・Zボタン(ヌンチャク)…視点切り替え
Zボタンを押すと、カメラが操作しているキャラの背面に回りこみます。
また、そのままZボタンを押しっぱなしにすると、操作しているキャラの視点になります。
○いろんなミニゲーム
今のところ体験しているのは、以下のような感じです。
・地面を探る
地面が少し盛り上がっているところでAボタンを押すと、地面を探るミニゲームが始まります。
Aボタンを押しながらWiiリモコンを振ってポインタを動かすと、地面を掘ります。何か発見したら、A+Bボタンでそれをつかんで、右下の袋の中に入れます。
埋まっているものの他に、たまに何か生き物が通り過ぎることもあるので、それも捕まえられます。
・料理
「切る」「焼く」などの調理法と使用する食材を選んで、料理をするミニゲームを行います。
「切る」は、メーター上を流れるポインタのタイミングに合わせてWiiリモコンを振り下ろします。
「焼く」は、A+Bボタンで食材をつかんでWiiリモコンをひねるとひっくり返し、もう一度A+Bボタンでつかむと、皿に盛ります。
どちらも、いい評価をもらうほど食べた時の回復量が増えます。
・火おこし
拠点の、火が消えているたき火を調べて、必要な道具を選択すると、火をおこすミニゲームが始まります。火おこしの器具の種類によって操作はことなります。
・モリで魚とり
コントロールスティックの左右でポインタを動かして、魚がポインタと合わさったあたりでWiiリモコンを突き出すと、モリを付きます。上下にはカーソルを動かせないうえに、暫くするとポインタがふらふらとし始めます。よ~く見定めましょう。
・一本橋渡り
前進は、自動で行われます。Wiiリモコンをひねって、メーターの中でポインタが真ん中にくるように調節しましょう。傾きすぎると前進しなくなるので、うまくバランスを保ちましょう。
ちなみに…たぶん、落ちない仕様になっていると思います。
・大工
主に木を使用した道具などを作る時に行うミニゲームです。木をノコギリできったり、ロープで木を縛ったりします。各作業によって、操作方法が違います。
ここに紹介したもの以外にも、まだたくさんのミニゲームが存在します。また、メインモードである程度ストーリーが進行すると、トップ画面に「ミニゲーム」という項目が追加され、そこでミニゲームを1人や2人で楽しんだり、対戦することもできるみたいです。
●チマチマ進めたくなる中毒性は健在。好みは激しく分かれる
まず、起動して最初に感じたのは「違和感」でしたね。今までのDS版では斜め上からのカメラ視点だったのに対し、今作はキャラの背面に視点が変わっていたのがまず、その違和感の原因でしょうね。視点が変わったことによって、移動速度が遅く感じたり、視点を切り替えるのが必要になったりとか…。
これは私個人の経験ですが、この感覚は、私がスーパーファミコン版の『ゼルダの伝説 神々のトライフォース』をさんざんプレイしたあと、初めて3Dになった『ゼルダの伝説 時のオカリナ』をプレイし始めたときの違和感と、その後の中毒性に、すごく似ています。
事実、今作もなんかちまちまと不満点がありつつ、もちろん良くなった点もありつつ…結局1週間で15時間プレイしているわけで(笑)
携帯ゲーム機はともかく、据え置きゲーム機で私が1週間にこれだけプレイするのは、『スーパーロボット大戦』シリーズ以外では久々でした。それだけの中毒性は健在ということです。
なんか…確かに同じミニゲームを何十回も繰り返すという作業は、それだけ見ると苦痛かもしれません。が、このゲームって、「明日は食材を確保しよう」とか「あ、今日は雨だから近くで木材を拾うだけにしよう」とか「明日はできるだけ億に進んでいってみよう」とか、いろいろその先を考えるからこそチクチクと遊び進められるというか…。あるいは「サバイバルゲーム」だからこそ許せるというか…そんな感じなんですよね。
それこそ、ここ最近は『モンスターハンター ポータブル 2nd G』や『世界樹の迷宮II』などが流行ってきてますが、あれらもわりと素材集めというのがメインに来ていて、その先に強い武器を作りたいということを考えるからこそ、チクチク遊び進められると思うんですよ。
そういう意味では、このサバイバルゲームにおいても、実はモンハンや世界樹と同じ概念が根底にあるのではないかと思うわけです。ただ知名度も魅力も低いから売れていないというだけで。
まあ据え置きゲーム機である分、DS版のときのような気軽さはないかもしれませんし、Wiiリモコンを色々使うという時点で面倒だと思いますが、こちらはこちらでWiiリモコンによる多彩なアクションや行動、あるいはシステム周りがよりリアリティに、かつバランスよいスタイルに洗礼されてきていることと思います。もちろん、リアリティの追求もやり過ぎるとくどくなってしまいますが、今度もこの方向性をより極めていってもらいたいものです。
総評として、この作品はDS版からそうでしたが、好き嫌いが激しく分かれるゲームです。
何十回も同じミニゲームをやらなければいけないことを、ただの苦痛な作業としか捉えられないなら、この作品は0としか捉えられないでしょう。しかし、その先にあるものに、たくさんの小さな楽しみを感じることができるなら、この作品の魅力は大きく膨れ上がるでしょう。
ただ、その先にある魅力というのがモンハンほど分かりやすく大きな魅力でもないので、結局は触れてみないと何とも言えない…という、アピールの難しい作品にはなっているんだろうな~と思います。
個人的不満として、イベント時にパラメータが強制的に100%に回復してしまうことと、常に時計が見れない(メニューを開かないと見れない)という2点がありますが、それ以外はそこまで気になるほどでもなく、DS版とあまり相違ない中毒性を楽しむことが出来ました。
万人にオススメできる作品ではないですが、興味のある人は是非、このサバイバルに挑戦してみてはいかがでしょうか?