セグメントゲームズ

元ゲームプランナーという、しがない肩書きだけが取り柄のゲームブログ。生ラジオの告知が中心で、たまにテキスト対談を更新中!

3DS『ものすごく脳を鍛える5分間の鬼トレーニング』 ファーストインプレッション

2012年08月07日 11時37分10秒 | 【旧】購入・レビュー話
遅くなりましたが、全ての鬼トレを体験したので、ファーストインプレッションです。





東北大学加齢医学研究所 川島隆太教授監修 ものすごく脳を鍛える5分間の鬼トレーニング
対応ゲーム機 ―→ ニンテンドー3DS
発売日 ―→ 2012/07/28
希望小売価格 ―→ 3,800円(税込・ダウンロード版も同価格)
ジャンル ―→ 脳活性化ソフト
プレイ人数 ―→ 1人
すれちがい通信 ―→ トレーニング記録の交換
いつの間に通信 ―→ トレーニング記録のアップロード
CERO ―→ A(全年齢対象)




■====== 簡単なご紹介 ======■

かつて脳トレブームを巻き起こした『脳を鍛える大人のDSトレーニング』シリーズに続く、脳トレ作品です。
これまでの脳トレは”老化防止”がメインだったのに対し、今回はワーキングメモリー(情報を一時的に記憶して引き出す能力)を鍛えることによる”能力向上”がメインになります。
ご年配の人は、若々しい脳の力を取り戻すために。若い人は、まだ開花していないポテンシャルのために、挑戦してみましょう。
鬼トレの名の如く、それぞれのプレイヤーに合わせた限界ギリギリの難易度で、トレーニングを行います。


最初は極わずかのトレーニングしかありませんが、1日1回ちゃんと起動するごとに、徐々に新たなトレーニングが増えていきます。
用意されているトレーニングのタイプと種類は、以下の通りです。

◆== 鬼トレ ==◆
今作のメイントレーニングです。全8種類。
トレーニングできるのは、1種類につき1日5分。トレーニングしている最中のみ時間がカウントされ、一段落した段階で5分を超えていたら終了です。
せっかく全部体験したので、全部紹介しておきます。

・「鬼計算」 ―→ 計算の答えを覚えて、後で答えます。「1バック」は「1つ前の問題に答える」。「3バック」だと「3つ前の問題に答える」のです。
・「鬼めくり」 ―→ 神経衰弱です。1枚につき1回目まではめくってもいいですが、2回目以降めくった場合は、揃えられないとミスになります。できるだけ少ないミスで全ペアを揃えます。
・「鬼ネズミ」 ―→ 見えないマスの中を、ネコとネズミが出たり入ったりします。最後に、ネズミの位置を全て答えます。
・「鬼朗読」 ―→ 文章をしっかり読み上げ、下線の部分を覚えます。これを何度か繰り返し、最後に下線の言葉を全て答えます。
・「鬼記号」 ―→ 「鬼計算」の記号バージョンです。
・「鬼ブロック」 ―→ 6つのブロックのうち1つが点滅します。ブロックの配置が変わって何度か繰り返され、最後に、点滅したブロックを正確に答えていきます。
・「鬼カップ」 ―→ よくあるカップのシャッフルゲーム。全てのカップに数字の入ったボールが入っており、最後は数字の順に全て選択します。
・「鬼耳算」 ―→ 「鬼計算」は計算を文字で覚えますが、こちらは流れる音声で覚えます。

◆== 鬼トレ補助 ==◆
鬼トレの効果をさらに高めるためのトレーニングです。全9種類。
かつてDS版やDSiウェアで収録されていたものが多いです。

◆== 脳トレ ==◆
DS版の頃と同様、老化防止が目的のトレーニングです。全9種類。
陣取りパズルやソリティアなど、シンプルでミニゲーム感覚のものが多いです。

◆== リラックス ==◆
トレーニングではなく、脳をリラックスさせるためのミニゲームです。全3種類。
同じ色の細胞と爆弾を計3つ以上並べて消す「脂肪爆発」や、DS版でも人気(?)だった「細菌撲滅」などがあります。
なお、縦持ちでプレイするため、立体視には対応していません。




それと、ダウンロード版についても軽く説明しておきます。
3DSでは初めて、今作と『New スーパーマリオブラザーズ 2』でパッケージタイトルのダウンロード販売をおこなっています。

購入方法は3種類。
従来通り「ニンテンドーeショップ」にアクセスして、残高で購入してダウンロードする方法。
お店に売っているダウンロードカード(上の写真)を購入し、書かれている番号をeショップで入力してダウンロードする方法。
オンラインショップで番号を購入し、その番号をeショップで入力してダウンロードする方法です。

私は今回、試しにダウンロードカードを購入してみました。
詳細については、以前書いた記事「ニンテンドー3DSのダウンロードカードを購入してみました」をご参照ください。



■====== partygameの評価 ======■

=良い  =まあまあ or ちょっと気になる  ×=悪い

◆=== 参考データ ===◆

 購入価格 ―→ 3,580円(税込・ダウンロードカード)
 プレイ時間 ―→ 約12時間
 プレイ内容 ―→ 全ての鬼トレをプレイ&他のトレーニングも大体プレイ
 過去のシリーズ作品 ―→ DS版2作品と、DSiウェア版の理系編をプレイしたことがあります


◆=== 全体的なインターフェース(画面構成)について ===◆

○ ―→ DS版の頃よりは、若干凝った作りになっています。
DS版の頃は、このうえなくシンプルでしたからね。それと比べると若干の動きが入りましたが、特にストレスを感じるレベルではありません。すぐ慣れます。

○ ―→ 新しい要素は「!」マークで教えてくれます。
矢印マークにも「!」が付くので、どの方向に「!」があるか、簡単に分かります。ありがたいですね。

△ ―→ たまに、「パス」ボタンを押しちゃうことが。
漢字をそのまま書き取る、鬼トレ補助の「漢字破壊」というトレーニングがあるんですが、下画面の右上に「パス」ボタン。たま~に、「消す」ボタンと間違えてタッチしちゃうことがあるんですよね。
いや、位置が全然違うんですけど、ペンから近い位置にあるのでそちらに意識が行きがちなんです。

とはいえ、位置的にこれ以上ベストなところもないので…例えば、はい・いいえの確認くらいは欲しかったかもしれません。


◆=== ゲームシステムについて ===◆

○ ―→ 本当に、集中した!って感じです。
だいたいの鬼トレでは、1日目のプレイでそれなりにギリギリの難易度が見えてきて、2日目以降はだいたい同じレベルの周辺をウロウロとする感じになります。
「人によって違う、ちょうど良いレベルの合わせ方」としては、理に適っているやり方だな~と思いました。それこそ1日5分しかプレイできず、やり直しは効きませんので、集中しないと!という意識が余計に高まります。それで、ようやく一歩上のレベルへ登れた時は、そりゃもう嬉しいですし、明日からはこれを維持していこうという新しい目標ができます。

○ ―→ 他のトレーニングも上々。
まだ半分以下しか解禁されていませんが、どこかで見たことがあるものから、ちょっと新しいものまで色々。
なかにはひとクセあったりして、合う合わないの激しいものもあるかもしれませんが、ま、鬼トレ以外はそれこそ自由にプレイしたらいいって話ですので。

個人的には、脳トレの「陣取対局」が地味に気に入っています。
あと、リラックスゲームも地味に面白くて、ついつい長時間プレイしちゃいます。「脂肪爆発」も「細菌撲滅」も、見事な時間泥棒です(笑)

○ ―→ 川島教授のアドバイスは、個人的には嬉しいです。
1回プレイした後に、「同じレベルが続いていますね。ワーキングメモリーが鍛えられている証拠ですよ!」とか、「惜しかったですね。次は全問正解を目指してみてください」とか、ちょっとした一言があるだけでもありがたいです。多少なりともやる気につながります。
各所でこういう川島教授のボイスが入ったのは、作品を盛りたてていていいな~と思いました。なかには「ウザい」という人もいるでしょうけど、そういう人はオプションで顔と音声を削除できますので(笑)

それと、起動時にたまに「脳講座」とか入りますが、これも分かりやすくてなかなか良いと思っています。小ネタもありますし、聞くのが面倒なら後回しもできます。
あと、川島教授の会話中は、基本的にどこでも早送りが可能です。字幕もあるので、早送りしても話が理解できなくなることはなく。些細ながら、ありがたい機能です。

○ ―→ 新しいトレーニングが解禁されるスピードについて。
だいたい1日起動するごとに1つの鬼トレが解禁。他のタイプのトレーニングは、もっと解禁スピードが遅いです。

まあ、DS版の時もこれくらいのペースでしたけどね。
基本的にこういったライトユーザー向けの作品って、あまり一気に色々なものが解禁されると、付いていけなくなる傾向がありますので、個人的にはこんなものかな~と思っています。
そりゃ、ゲームをやり慣れている人には物足りないでしょうけど、これは新しもの好きを満足させるためのゲームではありませんので。

△ ―→ 似たような鬼トレが、ちょっと多いかな。
「鬼計算」と「鬼記号」と「鬼耳算」は、根底が同じなので、ちょっと”かさ増し”な感じがしてしまいました。全8種類と言っていましたが、個人的には、全6種類+αって感じです。
まあ、このスタイルの鬼トレが好みだとか集中できる!ということであれば、この3種類をひたすら続けるというのもアリですけどね。

△ ―→ 「脳年齢」のような、分かりやすい基準は無くなりました。
代わりに「グレード」というものがあり、成績が上がるとメーターがアップ。満タンになるとグレードアップという、ちょっとゲームっぽい仕組みに変わりました。
まあ、あの脳年齢のような直感的な分かりやすさは無いですが、自分のペースプレイし、あわよくばワンランクアップを目指すという流れは作れているので、それでも良いかな~と思いました。脳年齢って、分かりやすいけど意外と信用ならない基準だと思っていましたし(笑)

△ ―→ 「賞状」について。
いわゆるPS3のトロフィー機能みたいな、やり込み要素の一種です。
これがあること自体は悪くないんですが、用意されている条件がちょっと気になりました。

シンプルな条件のものだけならいいんですが、例えば「鬼○○を3日連続(7日連続)でプレイする」。これが、全ての鬼トレに用意されていたりします。
鬼トレは全8種類で、全てプレイすれば40分。トレーニングしない部分を含めれば1時間はかかるでしょう。毎日、それだけの時間集中してプレイできる環境の人は、けっこう限られてくると思うんですが…賞状でそういう条件があることで、ちょっと強要しているように感じたんですね。

あと、「鬼計算で3バック以上を達成」とかあるんですが、これの次に「7バック以上を達成」というのは、目標が飛びすぎではないかと思うんです。
それこそ「ギリギリの難易度で挑戦して、そこからゆっくりと記録を伸ばしていければ」という名目なのであれば、もう少し小刻みに目標を用意してあげるべきだったと思います。せめて、次は「5バック以上」かな。

もちろん、賞状のコンプリートなんてやりたい人だけがやればいいですし、見たくなければ見なければいいのです。
しかし、ただでさえ集中力を求める厳しいトレーニングだと言っているのに、賞状の豊富な条件の数々がさらに重くのしかかり、逆にプレイ意欲を削いでしまいそうな気がしたのです。しかも、新しい賞状がもらえたらメニュー画面で「!」マークが付くので、人間の心理としては何となく気になって見に行ってしまうものです。
そういう意味で、賞状の条件にはもう少し気を配って欲しかったように感じました。普通のゲームならともかく、こういうタイプのゲームだと、条件を何でも用意していればいいというものではないと思うので。



■====== 得点とまとめ ======■ … 85点(100点満点)
「限界ギリギリで脳を鍛える」というコンセプトに基づき、理にかなったゲームスタイルにまとまっていると思います。
鬼トレで集中力の限界に挑戦した後は、リラックスゲームでまったりしたり。はたまた脳トレ中心にプレイもできたり。トレーニングの種類もそれなりに豊富なので、自分のやりたい形で挑戦できます。まあ、基本は鬼トレ中心ですけどね。

個人的には特に、「鬼計算」と「鬼ネズミ」で集中力が引き出されているな~と思いました。
ま、慣れの問題もあると思いますが、鬼トレといってもルールは単純明快ですからね。あとは、脳がそれを処理できるか?そして集中が途切れずにプレイできるか?トレーニングとして見ても、ゲームとして見ても、その「本気度」が試されます。


これまでの脳トレのようにまったりと楽しむのではなく、本気で挑戦する!って感じのものなので、やはり最後には「やる気がどれだけ続くか?」ですね。
かつて、『えいご漬け』だとか『Wii Fit』だとか、色々な能力向上のための作品が出てきましたが、これらもやっぱり最終的には、英語を覚えたい!とか、スリムになりたい!という確固たる意識があってこそ、続くものです。ただの興味本位では、やっぱり数週間程度が関の山です。
今作も、自分の脳を変えたい!という意識があって、さらにそれを自分や周りが実感し始めるようになれば、それが大きなモチベーションへつながることでしょう。

ま、たかが10日程度ですからね。私はまだ、自分の脳が変わった!なんて思ってはいませんが、少なくとも鬼トレの成績は徐々に伸びていますし、何となくですが「集中力」は高まったかも?と思う時があります。
以前だと、iPhoneとかで時間の制約に縛られたゲーム(『なめこ栽培キット』など)があったりすると、それの影響で一定時間ごとにiPhoneがどうしても気になっていたりして集中しきれないところがありました。今は、そんなことなくなりましたからね。まあ、アプリに飽きてきただけかもしれませんけど(笑)


全てのトレーニングを体験して、キリのいいところでセカンドインプレッションを書こうと思います。

万人向け ← ○●○○○○○○○○ → 熟練者向け
手軽に ← ○●○○○○○○○○ → じっくり
思考タイプ ← ●○○○○○○○○○ → 感覚タイプ
 爽快感重視 ← ○○○○○○○○●○ → 達成感重視 


関連記事:
DSiウェア『ちょっと脳を鍛える大人のDSiトレーニング 理系編』 インプレッション(2009/07/10)

その他のタイトルの評価は、こちらからどうぞ
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« この日に発売された昔のゲー... | トップ | 今日のゲーム情報 & マイプ... »

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

【旧】購入・レビュー話」カテゴリの最新記事