ゴジラは”破壊神”なのか。”英雄”なのか。
![](https://www.tostv.jp/cinema/info/images/godzilla-movie.jpg)
『GODZILLA ゴジラ』
製作国 ―→ 2014年アメリカ映画
上映時間 ―→ 2時間3分
配給 ―→ 東映
映倫区分 ―→ G(全年齢対象)
■====== 簡単なご紹介 ======■
架空の怪獣から生まれた日本の特撮映画代表作「ゴジラ」の流れを汲む、ハリウッド制作の新作映画です。
1998年にも一度、ハリウッドが制作したことがありましたが、あちらと違って今回は、日本製の原作「ゴジラ」に準拠しつつも、最大限のリアリティある表現力を目指しています。
◆=== あらすじ ===◆
1999年。日本の原子力発電所で謎の振動と電磁波を感知。
不審に思った夫のジョーと妻のサンドラは調査に向かいますが、その甲斐なく原発が崩壊。サンドラは帰らぬ人となります。
それから15年後の2014年。この2人の息子であるフォードは、取りつかれたかのように研究を重ねるジョーが、立入禁止区域である原発跡地に侵入して逮捕されたとの情報を聞き、ジョーのもとへ駆けつけます。そして結局、またも原発跡地へと足を踏み入れることになるのですが、そこで2人は、とんでもない大きさの”繭(まゆ)”を目撃することになります。
■====== partygameの評価 ======■
○=良い △=まあまあorちょっと気になる ×=悪い
◆=== 参考データ ===◆
ローカライズの種類 ―→ 日本語吹き替え版・2D
見に行ったメンバー ―→ 私と父親
前情報 ―→ 見ていません
これまでの「ゴジラ」 ―→ 1、2作品ほど見ていると思うんですが…ほとんど記憶にありません。1998年のアメリカ版「ゴジラ」も同様です。
○ ―→ 表現力はおおむね申し分なし。
今回は「リアル」がテーマだそうですからね。表現力へのこだわりは強く感じました。迫力と恐怖が、映像を通して伝わってきます。
アメリカ映画特有の”ビビらせポイント”もいくつかあります。ビビリ耐性ゼロなんですから、勘弁してくださいよ~(笑)
ただ1つ。ゴジラのバストアップを見せる時に、真正面から見せることがあったのですが、なんかあまりカッコ良く感じなかったかな…。ちょっと鼻が目立ちすぎてゴリラっぽい印象なんです。まあ、ゴジラという名前は「ゴリラ」と「クジラ」から来ているそうなので、別にゴリラっぽく見えるのは間違っていないんでしょうけどね。
斜めや横とかから見せる場面では、カッコ良く見えましたよ。
○ ―→ 怪獣と人間。それぞれの立場は、しっかりと描けていたと思います。
怪獣の出現。そして、訳も分からないまま、抵抗するしかない非力な人間。しかし人間のなかには、ゴジラの可能性を信じるものもいる、と。
予定調和なところも多いですが、見ていてそれなりに引き込まれたので、それだけちゃんと表現できていたということだと思いますよ。
○ ―→ 日本語吹き替えは、思ったよりは違和感なし。
そりゃまあ、外人が日本語を喋っているように見えることの違和感なんて、無くなるわけがありません。でも、たまにしか映画を見ない私としては、そこまでヘンに感じることは無かったです。
ま、イヤなら字幕版を見たらいいだけって話ですので。
△ ―→ ムートーの外観は、もうちょっと怪獣らしくできなかったのかな。
今回、ゴジラとは別に、「ムートー」という2体の怪獣が出てくるのですが…なんか、怪獣というには妙に華奢(きゃしゃ)な気がして、怪獣特有のドッシリした感じが無かったです。図体のバランスも、あまり良いとは言えないですし。
父親いわく「怪獣というよりロボットみたい」って言ってましたが、確かにそうかもしれません。
△ ―→ ゴジラなどの怪獣より、人間のほうに強くスポットを充てている印象でした。
怪獣が都市を破壊していくなかで描かれる人間ドラマ自体は、それなりに感情移入できたので、内容そのものは良かったのですが…個人的に感じた疑問として「ゴジラの映画を見に来た人は、ゴジラを見たいのでは?」ということなんですよね。
それこそ、公式サイトでも「最強のゴジラ」と銘打っているのに、戦っている場面をあまり見せないなんて、そもそも最強ぶりを感じてもらいにくいと思うんですけどね。最強ぶりや恐怖を想像してもらうために、あえて戦っている場面を少なくしたという考え方だったのかもしれませんが、もしそうだとしても、私にはその考えがあまり伝わってこなかったというのが、正直なところです。
私は、前情報を全然見ずに来たので、ま、これはこれでアリなのかな?って思いましたが、ゴジラの存在感を期待した人にとっては、肩透かしを食らいそうな気がしました。
△ ―→ 一部で、いきなり展開が飛んでいたるように感じる場面がありました。
例えば、青年の乗った電車が、ムートーによって破壊され、落ちかける子供を助けつつ自らも落下の危機に陥ります。そこからどうなるの!?と思っていたら別のシーンに切り替わり、次にその青年が移った時は、全く別の場所で。その子の親を探してあげているシーンが出てきました。それって、いかがなものか?って思っちゃいました。
どうやら情報によると、映画が完成した時は4時間くらいの大長編になっていたらしく、内容を絞るために大部分をカットしたそうです。おそらくその影響で、いきなり飛んだように感じる場面があるんでしょうね。
あと、終盤の展開もずいぶんあっさりしていた気がしました。
いわゆるゴジラやムートーの戦いが、もっと熱く表現されても良かったと思うのですが、決着の瞬間も思ったよりあっさり気味。ま、その儚さに恐怖を感じて欲しいってことなのかもしれませんが、そうはいっても、ある程度は予定調和なところがあるのでね。もうちょっと全体的に”しつこさ”が欲しかったように思います。
■====== まとめ ======■
細々とアレコレ言いましたが、一言で言うなら、迫力あるゴジラを楽しむことはできたという印象でした。
ゴジラの存在感。咆哮。いわゆる本家ゴジラの良さを、最新の技術でもいかんなく表現できてたとは思いました。それを取り巻く別の怪獣と、それに対して様々な立場の人間が、色々な思いをもって行動する。やっぱりこう、人間に強いスポットが当たっていた気がしますが、こういう見せ方も私はアリだと思います。
あえて日本の原発を舞台にしているあたり、なんとなく皮肉なところも感じましたが、その一方で<ネタバレ注意!→>広島の原爆投下<←ネタバレ注意!>の話もチラッと出てきて、地元人としては少し感慨深いものがありました。
ただ、恐怖や脅威を感じてもらうためには、もっと新しい表現を盛り込んでほしかったのかな~とも思っちゃいましたね。
巨大なゴジラやムートーが巨大都市をいともたやすく崩壊させていき、そして周りでバタバタと人が死んでいく。でも、その恐怖はずっと昔のゴジラから描いてきたものだと思いますし、例え表現力が高まったとしても、それが恐怖感に比例してプラスされるとは限りません。昔のホラーゲームのほうが怖かった、なんて言ったりしますしね。
前回のハリウッド版ゴジラがあまりに変化しすぎたということで、今回は日本版ゴジラに「敬意を払った」とのことでしたが、今回は逆に、日本のゴジラに”敬意を払いすぎている”感があるのかな~とは思いました。バランスって、難しいですね。
とはいえ、ゴジラとしての真っ当な魅力は表現できていると思いますし、ゴジラの映る場面は少ないかもしれませんが、存在感は十二分に感じられます。その中で描かれる様々な人間の思想も魅力的でした。
気になっていた人は、映画館や、おそらくこの後発売されるであろうレンタルなどで、ご覧になってみると良いでしょう。
すでに続編も製作中ということなので。新時代ゴジラの、これからの活躍にご期待ください。
その他のタイトルの評価は、こちらからどうぞ
※映画のインプレッション記事は「その他(映画・DVD・アーケードなど)」からどうぞ。
![](https://www.tostv.jp/cinema/info/images/godzilla-movie.jpg)
『GODZILLA ゴジラ』
製作国 ―→ 2014年アメリカ映画
上映時間 ―→ 2時間3分
配給 ―→ 東映
映倫区分 ―→ G(全年齢対象)
■====== 簡単なご紹介 ======■
架空の怪獣から生まれた日本の特撮映画代表作「ゴジラ」の流れを汲む、ハリウッド制作の新作映画です。
1998年にも一度、ハリウッドが制作したことがありましたが、あちらと違って今回は、日本製の原作「ゴジラ」に準拠しつつも、最大限のリアリティある表現力を目指しています。
◆=== あらすじ ===◆
1999年。日本の原子力発電所で謎の振動と電磁波を感知。
不審に思った夫のジョーと妻のサンドラは調査に向かいますが、その甲斐なく原発が崩壊。サンドラは帰らぬ人となります。
それから15年後の2014年。この2人の息子であるフォードは、取りつかれたかのように研究を重ねるジョーが、立入禁止区域である原発跡地に侵入して逮捕されたとの情報を聞き、ジョーのもとへ駆けつけます。そして結局、またも原発跡地へと足を踏み入れることになるのですが、そこで2人は、とんでもない大きさの”繭(まゆ)”を目撃することになります。
■====== partygameの評価 ======■
○=良い △=まあまあorちょっと気になる ×=悪い
◆=== 参考データ ===◆
ローカライズの種類 ―→ 日本語吹き替え版・2D
見に行ったメンバー ―→ 私と父親
前情報 ―→ 見ていません
これまでの「ゴジラ」 ―→ 1、2作品ほど見ていると思うんですが…ほとんど記憶にありません。1998年のアメリカ版「ゴジラ」も同様です。
○ ―→ 表現力はおおむね申し分なし。
今回は「リアル」がテーマだそうですからね。表現力へのこだわりは強く感じました。迫力と恐怖が、映像を通して伝わってきます。
アメリカ映画特有の”ビビらせポイント”もいくつかあります。ビビリ耐性ゼロなんですから、勘弁してくださいよ~(笑)
ただ1つ。ゴジラのバストアップを見せる時に、真正面から見せることがあったのですが、なんかあまりカッコ良く感じなかったかな…。ちょっと鼻が目立ちすぎてゴリラっぽい印象なんです。まあ、ゴジラという名前は「ゴリラ」と「クジラ」から来ているそうなので、別にゴリラっぽく見えるのは間違っていないんでしょうけどね。
斜めや横とかから見せる場面では、カッコ良く見えましたよ。
○ ―→ 怪獣と人間。それぞれの立場は、しっかりと描けていたと思います。
怪獣の出現。そして、訳も分からないまま、抵抗するしかない非力な人間。しかし人間のなかには、ゴジラの可能性を信じるものもいる、と。
予定調和なところも多いですが、見ていてそれなりに引き込まれたので、それだけちゃんと表現できていたということだと思いますよ。
○ ―→ 日本語吹き替えは、思ったよりは違和感なし。
そりゃまあ、外人が日本語を喋っているように見えることの違和感なんて、無くなるわけがありません。でも、たまにしか映画を見ない私としては、そこまでヘンに感じることは無かったです。
ま、イヤなら字幕版を見たらいいだけって話ですので。
△ ―→ ムートーの外観は、もうちょっと怪獣らしくできなかったのかな。
今回、ゴジラとは別に、「ムートー」という2体の怪獣が出てくるのですが…なんか、怪獣というには妙に華奢(きゃしゃ)な気がして、怪獣特有のドッシリした感じが無かったです。図体のバランスも、あまり良いとは言えないですし。
父親いわく「怪獣というよりロボットみたい」って言ってましたが、確かにそうかもしれません。
△ ―→ ゴジラなどの怪獣より、人間のほうに強くスポットを充てている印象でした。
怪獣が都市を破壊していくなかで描かれる人間ドラマ自体は、それなりに感情移入できたので、内容そのものは良かったのですが…個人的に感じた疑問として「ゴジラの映画を見に来た人は、ゴジラを見たいのでは?」ということなんですよね。
それこそ、公式サイトでも「最強のゴジラ」と銘打っているのに、戦っている場面をあまり見せないなんて、そもそも最強ぶりを感じてもらいにくいと思うんですけどね。最強ぶりや恐怖を想像してもらうために、あえて戦っている場面を少なくしたという考え方だったのかもしれませんが、もしそうだとしても、私にはその考えがあまり伝わってこなかったというのが、正直なところです。
私は、前情報を全然見ずに来たので、ま、これはこれでアリなのかな?って思いましたが、ゴジラの存在感を期待した人にとっては、肩透かしを食らいそうな気がしました。
△ ―→ 一部で、いきなり展開が飛んでいたるように感じる場面がありました。
例えば、青年の乗った電車が、ムートーによって破壊され、落ちかける子供を助けつつ自らも落下の危機に陥ります。そこからどうなるの!?と思っていたら別のシーンに切り替わり、次にその青年が移った時は、全く別の場所で。その子の親を探してあげているシーンが出てきました。それって、いかがなものか?って思っちゃいました。
どうやら情報によると、映画が完成した時は4時間くらいの大長編になっていたらしく、内容を絞るために大部分をカットしたそうです。おそらくその影響で、いきなり飛んだように感じる場面があるんでしょうね。
あと、終盤の展開もずいぶんあっさりしていた気がしました。
いわゆるゴジラやムートーの戦いが、もっと熱く表現されても良かったと思うのですが、決着の瞬間も思ったよりあっさり気味。ま、その儚さに恐怖を感じて欲しいってことなのかもしれませんが、そうはいっても、ある程度は予定調和なところがあるのでね。もうちょっと全体的に”しつこさ”が欲しかったように思います。
■====== まとめ ======■
細々とアレコレ言いましたが、一言で言うなら、迫力あるゴジラを楽しむことはできたという印象でした。
ゴジラの存在感。咆哮。いわゆる本家ゴジラの良さを、最新の技術でもいかんなく表現できてたとは思いました。それを取り巻く別の怪獣と、それに対して様々な立場の人間が、色々な思いをもって行動する。やっぱりこう、人間に強いスポットが当たっていた気がしますが、こういう見せ方も私はアリだと思います。
あえて日本の原発を舞台にしているあたり、なんとなく皮肉なところも感じましたが、その一方で<ネタバレ注意!→>広島の原爆投下<←ネタバレ注意!>の話もチラッと出てきて、地元人としては少し感慨深いものがありました。
ただ、恐怖や脅威を感じてもらうためには、もっと新しい表現を盛り込んでほしかったのかな~とも思っちゃいましたね。
巨大なゴジラやムートーが巨大都市をいともたやすく崩壊させていき、そして周りでバタバタと人が死んでいく。でも、その恐怖はずっと昔のゴジラから描いてきたものだと思いますし、例え表現力が高まったとしても、それが恐怖感に比例してプラスされるとは限りません。昔のホラーゲームのほうが怖かった、なんて言ったりしますしね。
前回のハリウッド版ゴジラがあまりに変化しすぎたということで、今回は日本版ゴジラに「敬意を払った」とのことでしたが、今回は逆に、日本のゴジラに”敬意を払いすぎている”感があるのかな~とは思いました。バランスって、難しいですね。
とはいえ、ゴジラとしての真っ当な魅力は表現できていると思いますし、ゴジラの映る場面は少ないかもしれませんが、存在感は十二分に感じられます。その中で描かれる様々な人間の思想も魅力的でした。
気になっていた人は、映画館や、おそらくこの後発売されるであろうレンタルなどで、ご覧になってみると良いでしょう。
すでに続編も製作中ということなので。新時代ゴジラの、これからの活躍にご期待ください。
万人向け ← | ○●○○○○○○○○ | → マニア向け |
真面目 ← | ●○○○○○○○○○ | → ギャグ |
ストーリー重視 ← | ○○○○○○○●○○ | → ビジュアル重視 |
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ゴジラは結構怪獣や後兵器なら色々覚えてます。なのでいずれはこの映画見たいです。
他に見てきた人の感想というと某ブラウザゲームとコラボしてほしいとか、一応ゴジラと関わってたり出てほしいと思ってる艦艇も存在したりと。
ゴジラの設定自体も、おおむね日本のゴジラと同じだそうです。
これも、日本のゴジラに敬意を払った結果なんでしょうけど、そういう意味では日本のゴジラと同じような感覚で楽しんで頂きやすいと思います。いずれ機会がありましたら、是非どうぞ。