チャイコフスキー 1812年
夕方以降に車で皇居前の内堀通りを走ることが
ときどきある。ここ2年くらいで、
皇居の周りをジョギングする人の数が
格段に増えたと感じる。ジョギングというのは……
米国のおデブ男性であったジム・フィックスが、
200パウンドを超えた体重の減量を
ランニングによって成功させ、それを本にしたところ、
「すばらしいダイエット法」としてベストセラーになった。
1977年のことである……それが、
一般に広がったものである。が、その
フィックス氏もそれから7年後の1984年に
ジョギング中に心筋梗塞を起こして死亡した。
享年52歳。が、
金がかからない「健康法」だから、
未だに走るものが絶えない。心臓に悪いだけでない。
足腰への負担もきつい。だから、つまりは、
ジョギング健康法を実践できるような人は、
もともと体が頑丈にできてる、
というだけのことである。私は昨今の
「市民マラソン」なるものにもまったく興味がないし、
わざわざジムやトレイニングルームに通う酔狂な趣味もない。
私のような一般人の体には悪いゴルフやテニスのような
運動の類は、ただひとつの「エクササイズ」を除いてやめた。
この、ベータ・エンドルフィンが分泌されまくるエクササイズだけは
どんなに体に悪くてもどうしてもやめれない。
テヌキのテキトーオヤジな私でも、これだけは精進してる。
野球のバット(たまに居合い刀)での素振りである。
エクスタスィもクエン酸汁出ナフィルも不要であるが、この
エクササイズがなければにっちもサッチモいかない。ちなみに、
1812は2でも3でも割り切れる。
B管のコルネット2本のユニゾンが
変ロ長調で「ラ・マルセイエーズ」を吹き、
ついでその4度下で、
Es管という長い管のトランペット2本のユニソゾンが
ヘ長調の「ラ・マルセイエーズ」を吹く。
この「色分け」「音高分け」なども、
"本物の大砲を使った録音か"とか、
"どれが爆演か"などにやっきになってるむきには、
どうでもいいことなようである。世の中には、
コルネットの音とホルンの音の違いも判らない
プロの作曲講師もいたり、「白鳥の湖」の
ナーポリの踊りをコルネットが吹くことも知らない
(コルネットという楽器の存在自体知らない)
チャイコフスキー好きもいるらしいが、
お笑いトリオ「ネプチューン」の原田泰造と
作詞家の松本隆の顔の区別がつかない
私のような拙脳もいる。ともあれ、
この「1812年」における
トランペットのEs管という指定は、ただただ、
再現ラールゴ部での変ホ長調のfffでの
聖歌吹奏のためである。つまり、
「英雄の調である変ホ長調」は
「ラ・マルセイエーズ」にはなじまさせず、
ロシア正教聖歌「主よ、汝の民を救い給え」
のために配されてる、ということである。さて、
「ラ・マルセイエーズ」の吹奏が、
[c(<)es(<)ges(<)a](減7)
という極大値を築くと、
コルネットを除く金管群と低弦による
ア=[c(<)ges(<)a(<)es](減7)
→
イ=[ces(<)ges(<)a(<)es](ホ短調の属7)
→
ウ=[b(<)ges(<)b(<)es](変ホ短調の主和音)
→
エ=[a(<)ges(<)ces(<)es](ホ短調の属7)
が、
***♪アー●●・●●アー・・イー●●・●●イー│
ウーウー・ーーウー・・ーーウー・エー○○♪
というチャイコフスキー独特の、
不安が歩んでくるがごときスィンコペ律動が、
第1主題の確保を導く。
***♪ラー(主題確保のここでは「ファ」ではなくなってる)│
<ファーーー・ー>ミ>レ<ミ・・>レ>ド>シ>ラ・♯ソー、<シー│
>ファー、<ラー・>レー、<ファー・・>シー、<レー・>ミ、ミ<♯ファ<♯ソ│
<ラーーー・ー>♯ソ<ラ<シ・・<(ここから初提示より2度上がる)
レ>ド、●●・●>ラ<シ<♯ド│
<レーーー・ー>♯ド<レ<ミ・・<ソ>ファ●●・●>ミ<ファ<♯ソ│
<シ>ラ●●・●>♯ソ<ラ<シ・・<レ>ド●●・●>シ<ド<レ│
<(※)♯レーーー・ーーーー・・ーーーー・ーーーー│ーー♪
(※)シンバルが打ち鳴らされる(2拍)。
ここで、上記♯レ=aを、
ピッコロ、フルート2管、コーラングレ、クラリネット2管、チェロ以上の弦が
全音と8分の1鳴らす中、
オーボエ2管、ファゴット2管、金管群、コントラバスが、
[c(<)a(<)es(<)ges](減7)
→
[cis(<)a(<)des(<)ges](ニ長調のミソシ)
→
[d(<)a(<)h(<)ges](ニ長調のラドミソ)
→
[dis(<)a(<)c(<)ges](減7)
→
[e(<)a(<)cis(<)g](ニ長調の属7)
というスィンコペな和声を連ねる。
私はこの箇所に強く惹かれ、
拙脳の中がベータ・エンドルフィンに満ちるのである。
このように「ニ長調」が確定され、「ラ・マルセイエーズ」が、
オーボエ2管、ファゴット2管、ホルン4管、コルネット2管、トランペット2管
のfffによって、
***♪ソソ・ソーソー│<ドーーー・ドーーー・・<『レーーー・レーーー』│
ソソ・ソーソー│>ミーーー・ミーーー・・<『ソーーー・ソーーー』│
<ソーーー・ーー>ミー・>ドー♪
<ミーーー・ーー>ドー・>ミー♪
と、ホルン5度を交えて吹かれるのである。それは
楽器編成を替えてさらに2度、奏される。そして、
***♪ソーーー・ーー>ミー・・>ドーーー・ーーーー♪の部分だけが、
低弦による♪ド>シ>ラ>♭ラ・>ソ<♭ラ<Nラ<シ♪
のトレモロを下敷きにして、ffのホルン4管で吹かれる。それが、
音価を倍にして、クラリネット2管とファゴット2管で
再びfffで吹かれると、
[ミ(<)ド]があと6度吹かれる。この後、
「1812年」の中のソナータ部の、
「展開されない」第2主題と第3主題が提示される。
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