映画「Gravity(グラヴィティ=重力、邦題=ゼロ・グラビティ)」が
日本で公開されるにあたって、六本木ヒルズへ舞台挨拶しにやってきた
サンドラ・ブロック女史と故マイケル・ジャクソンの顔を判別できない
拙脳なる私は、こういう映画にはまったく興味がない。ちなみに、
"Anti-gravity lean"もしくは"zero gravity"というのは、
故マイクル・ジャクスンがそのダンスで披露した大技だったものである。
いっぽう、
チャリティ・イヴェントに向かう途中で
友人のレイサーが運転する車の自滅事故で巻き沿いになった
ポール・ウォーカーが40歳で死亡した。また、
「スケバン刑事」や大映ドラマのナレイションなど、あの
声と言いまわしが特徴的だった来宮良子女史が82歳で死んだ。
同女史の声が出るものはほとんど
おどろおどろしいものか対決・決闘スィーンだった。
元恋人にちょっかいを出してその亭主に復活祭の日に
決闘を挑むはめになった主人公が
その決闘で殺されて幕となるのが、ジョヴァンニ・ヴェルガの戯曲
"Cavalleria Rusticana(カヴァレリア・ルスティカーナ=田舎者の騎士道)"
である。それを題材にして、
音楽出版社が募集した1幕物のオペラに応募してみごと選ばれたのが、
今日が、生誕150年の日にあたる
Pietro Mascagni(ピエトロ・マスカーンニ、1863-1945)、
いわゆるピエトロ・マスカーニである。その1890年当時、マスカンンニは
一介の音楽教師にすぎなかった。が、
このオペラ一作でずっと飯が食ってけたほどの
当たった作品だった。とはいえ、
通ぶったのには見くだされるオペラである。
このオペラは神話の神々や王侯貴族を題材にしてない。
シチリア島で起こった不倫・決闘事件に基づいた、
ほぼ同時代の実話であり、三面記事的内容の
血なまぐさい劇だから、という面と、
マスカンニ自身の技量が拙いとされる面と、さらに、後年、
ムッソリーニと近い立場だったことが、
人格的に嫌われるキャラだった面とがある。
ムッソリーニが大嫌いだったトスカニーニに疎まれたことは言うまでもない。
ただ、
「カヴァレリア・ルスティカーナ」作曲当時の急場な状況や、
ミラノ音楽院中退というキャリアから
ほとんど作曲家としての実績がない26歳の音楽教師、
ということを考えると、逆に、
よくぞここまで完成度が高いオペラを書きあげたとは思う。
実際、この作品の成功によって、
レオンカヴァッロが「道化師」を、ジョルダーノが「アンドレア・シェーニエ」を、
さらに、すでに名声を勝ち得てたプッチーニまでもが「トスカ」を作曲して、
いわゆるヴェリズモ・オペラ路線が流行りとなったのである。また、
ヴェリズモとはいえないかもしれないが、プッチーニは「トスカ」の前にも、
「ラ・ボエーム」でレオンカヴァッロのネタを横取りしてまでも
彼らへの対抗心を剥きだしにするほどだった。ともあれ、
「カヴァレリア・ルスティカーナ」にしても「パリアッチ(道化師)」にしても、
そのエンディングは、劇中に「決闘」がある
チャイコフスキーの「エヴゲニー・オネーギン」のようである。
(このオペラでもっともポピュラーな箇所である
「間奏曲」をマスカンニのオーケストレイションそのまま、
https://soundcloud.com/kamomenoiwao-1/mascagni-cavalleria-rusticana
に、それから、
"Mamma,quel vino e generoso"
(マンマ、クェル・ヴィーノ・エ・ジェネローゾ)
「(拙大意)かあちゃん、あのワインはまずいよ(だから、悪酔いしちゃった)」
からエンディングまでを、ヴォウカル部分をコルネットに替えたものを、
https://soundcloud.com/kamomenoiwao-1/mascagni-cavalleria
に、それぞれアップしました)
日本で公開されるにあたって、六本木ヒルズへ舞台挨拶しにやってきた
サンドラ・ブロック女史と故マイケル・ジャクソンの顔を判別できない
拙脳なる私は、こういう映画にはまったく興味がない。ちなみに、
"Anti-gravity lean"もしくは"zero gravity"というのは、
故マイクル・ジャクスンがそのダンスで披露した大技だったものである。
いっぽう、
チャリティ・イヴェントに向かう途中で
友人のレイサーが運転する車の自滅事故で巻き沿いになった
ポール・ウォーカーが40歳で死亡した。また、
「スケバン刑事」や大映ドラマのナレイションなど、あの
声と言いまわしが特徴的だった来宮良子女史が82歳で死んだ。
同女史の声が出るものはほとんど
おどろおどろしいものか対決・決闘スィーンだった。
元恋人にちょっかいを出してその亭主に復活祭の日に
決闘を挑むはめになった主人公が
その決闘で殺されて幕となるのが、ジョヴァンニ・ヴェルガの戯曲
"Cavalleria Rusticana(カヴァレリア・ルスティカーナ=田舎者の騎士道)"
である。それを題材にして、
音楽出版社が募集した1幕物のオペラに応募してみごと選ばれたのが、
今日が、生誕150年の日にあたる
Pietro Mascagni(ピエトロ・マスカーンニ、1863-1945)、
いわゆるピエトロ・マスカーニである。その1890年当時、マスカンンニは
一介の音楽教師にすぎなかった。が、
このオペラ一作でずっと飯が食ってけたほどの
当たった作品だった。とはいえ、
通ぶったのには見くだされるオペラである。
このオペラは神話の神々や王侯貴族を題材にしてない。
シチリア島で起こった不倫・決闘事件に基づいた、
ほぼ同時代の実話であり、三面記事的内容の
血なまぐさい劇だから、という面と、
マスカンニ自身の技量が拙いとされる面と、さらに、後年、
ムッソリーニと近い立場だったことが、
人格的に嫌われるキャラだった面とがある。
ムッソリーニが大嫌いだったトスカニーニに疎まれたことは言うまでもない。
ただ、
「カヴァレリア・ルスティカーナ」作曲当時の急場な状況や、
ミラノ音楽院中退というキャリアから
ほとんど作曲家としての実績がない26歳の音楽教師、
ということを考えると、逆に、
よくぞここまで完成度が高いオペラを書きあげたとは思う。
実際、この作品の成功によって、
レオンカヴァッロが「道化師」を、ジョルダーノが「アンドレア・シェーニエ」を、
さらに、すでに名声を勝ち得てたプッチーニまでもが「トスカ」を作曲して、
いわゆるヴェリズモ・オペラ路線が流行りとなったのである。また、
ヴェリズモとはいえないかもしれないが、プッチーニは「トスカ」の前にも、
「ラ・ボエーム」でレオンカヴァッロのネタを横取りしてまでも
彼らへの対抗心を剥きだしにするほどだった。ともあれ、
「カヴァレリア・ルスティカーナ」にしても「パリアッチ(道化師)」にしても、
そのエンディングは、劇中に「決闘」がある
チャイコフスキーの「エヴゲニー・オネーギン」のようである。
(このオペラでもっともポピュラーな箇所である
「間奏曲」をマスカンニのオーケストレイションそのまま、
https://soundcloud.com/kamomenoiwao-1/mascagni-cavalleria-rusticana
に、それから、
"Mamma,quel vino e generoso"
(マンマ、クェル・ヴィーノ・エ・ジェネローゾ)
「(拙大意)かあちゃん、あのワインはまずいよ(だから、悪酔いしちゃった)」
からエンディングまでを、ヴォウカル部分をコルネットに替えたものを、
https://soundcloud.com/kamomenoiwao-1/mascagni-cavalleria
に、それぞれアップしました)
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