こんにちは、司法書士・ペット相続士の金城です。
「まったく交流のなかった叔父が亡くなり、いとこである自分に対して市役所から納税の督促状が届いたが、相続放棄はできるのか?」という趣旨の相談を受けることがしばしばあります。
先日も、まったく交流がなかった亡き叔父の相続放棄に関する相談がありましたので、ブログで取り上げておきます。
相談者は叔父が亡くなったことを知らなかったが、叔父の死後半年以上が経過してから滞納家賃の督促状が届いた、という事案です。
督促状が届いたあと相談者が調べてみたところ、叔父は離婚していたものの、叔父には子が3人いたことが判明しました。
この場合、子3人のみが相続人になり、相談者は相続人にはならないはずです。
ところが、子が3人とも相続放棄したために、いとこである相談者が相続人になったという事例でした。
この事例において叔父の相続人の順位は、第1順位は子、第2順位は両親、第3順位は兄弟姉妹、になります。
第1順位の子3人全員が相続放棄したため、第2順位の両親が相続人になりますが、両親も既に死亡していたため、第3順位の兄弟姉妹が相続人になります。
しかし、兄弟姉妹が既に死亡していたため、兄弟姉妹の子に当たる相談者が相続人になったという流れです。
ところで、相続放棄の期間は、民法915条1項において次のように定められています(一部抜粋)。
【相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内に、相続について、単純若しくは限定の承認又は放棄をしなければならない。】
「自己のために相続の開始があったことを知った時」とは、「自分が相続人になったことを知った時」という意味です。ですので、叔父が亡くなって半年以上が経過していようと、相談者は なお相続放棄ができることになります。
相続放棄ができる期間は、「被相続人が亡くなってから3か月」と誤解されているケースが多く見られますが、そうではないということです。