
私がこどものころ.昭和40年代の.家から乗る国鉄駅(JR駅)では貨物列車をよくみかけることがありました.
茶色い電気機関車やオレンジと白色のディーゼル機関車が,いろいろな種類の貨車を連ねて走っています.茶色い電車(車両の半分は幕で仕切られて荷物を載せていました)を駅で待っていても,駅のわきの線路に当たり前に貨車が停まっていたものです.いまでは信じられないことですが,蒸気機関車が貨物列車を引いていたことも見た記憶があります.調べてみると小学校あがったころまでは家のわきの路線で運用されていた形跡があります.鉄道は大変重要な交通機関です.
いま車校の卒業検定でその「踏切」を渡ろうとしています.2020年代では貨物の輸送は陸路トラックです.私は中型8tMT免許です.だからどうした.運転できるものなら宅急便の大きなトラックを車庫に入れてみろ.ゴメンナサイ.できません.
その踏切を越えるべく試験車を走らせています.右ウインカー.右に首を振る.中央線によせて踏切への右折の体勢にはいります.
右に首を振って,中央線のとぎれめの部分を通って右折.踏切に向かって進みます.停止線で停まります.
右折ウインカーを切っていない.
踏切に停まるために減速する.その時に気が付きました.すぐにウインカーの真ん中をおして消します.停止線で一時停止.
落ち着け.まだ大丈夫だ.
「老人力」といったのは20世紀末です.超芸術家赤瀬川源平氏の言葉です.モウロクしたことを自信をもって言う表現です.まだその域には行っていません.気が付きました.すこしは若い力が残っています.「無知の知」 思い出しましょう.
一時停止.トシヨリらしくゆっくりと右を向く.またゆっくりと左を向く.ゆっくりを首をあげて左上の「阪神タイガース柄のバツ印踏切の標識」を見ます.もう一度右を見て,サドルに座りなおして踏切を越えます.加速しません.同じ速度で.
二輪スラローム課題ならば大幅な減点,というような時間をかけています.あるいは大型二輪平均台なら余裕をもって合格,という時間.私の教習時間には悠久の時が流れています.
左右が優先道路という交差点を抜けて坂道に向かいます.もちろんここでも首をブンブンふります.
坂道.前の方がポールを行き過ぎているのを見ています.しかし改めてウエブサイトで「二輪卒業検定」などを検索しても,「坂道発進」というのは「発進できればいい」のであってその場所は大きな問題ではないようです.YouTube「ツキノワ教習所」の二輪検定コース動画では,坂道発進の停止指示位置を示すものがありません.たんに坂道の途中でとまって,再び発進しています.
2本あるポールの下のほう「2輪」と書いてある場所で停止.右,左,右を向きます.サドルを深く座りなおして両手を水平に.視線を山の上に.身体を前かがみにして右手アクセルを回して左手ブレーキを離します. ゆっくりとスタートしました.
ATです.昭和時代に四輪免許取得時に経験した「半クラッチ,左手ハンドブレーキはずしながら発進」はありません.ATでよかった.
坂道の頂上はT字路(自車はまっすぐ進行)なので,すこし速度をゆるめて徐行して坂道を下っていきます.
法規走行はもうすぐ終わります.