昔は炭坑に坑夫さんが入って行くとき、先頭の人は必ずカナリアの入った鳥籠をぶら下げたそうです。
炭坑は、山肌や地面を掘って作るので、全部地中にあります。地中には「ガス溜まり」みたいなものがあって、有害なガスが溜まっている危険性があります。昨日大丈夫だったからといって、今日も大丈夫とは限らない。ちょっとした地震で地盤が弛んで、どこからかガスが漏れてくる可能性もある。
そのためにカナリアを連れて行く。さっきまでピーピー鳴いてたのに急にぐったり黙ってしまったら、それは危険のサインの合図です。人間はその時点で引き返せば生命が助かるのです。
足利市の水道は9つの浄水場と配水場から、市民に美味しい安全な水を供給しています。
中川浄水場では、地下水を汲み上げ、ろ過し、配水池で貯められます。その配水池の前に、この写真のタナゴの水槽があります。
この水槽を監視カメラで写し、確認しています。
もし、このタナゴが元気がなくなっていたら、水道になにかしらの異常があるという合図です。
炭鉱のカナリヤと中川浄水場のタナゴ、ちょっと 哀しい感じがしますが、私たちの安全を一生懸命守ってくれています。
私たちの日常生活のなかでも、いろいろな場面で、このカナリヤとタナゴが必要なのかもしれません。