桜を求めて野に山に

　　　夫はこの春は、どういうわけか桜を追いかけています。今までそれほど桜に興味はなさそう
　　だったのに、今年は美杉の薄墨桜、三多気の桜、大紀町のしだれ桜、醍醐の桜と足を運びました。

　　　昨日は、山の方だったらまだ咲いているかなと、その前の日にも陶芸展に出かけたきれいな村の
　　また別の地区を目指して車を走らせました。
　　　車川というところです。昔お酒の醸造場を営んでいたお屋敷が残っていて敷地内に桜の木が何本
　　かあります。古い建物の白い壁と桜のピンクがよいコントラスト。



　　こんなにきれいなのに、わたしたち二人の他は誰もいないのです。ヒヨドリだけが桜の木をあちら
　　こちらと渡りながら、例の高い声で鳴きかわしています。
　　満開もいいけど、ちらほら散りかけもいいよねーと話し、建物の周りをぐるりと一周しました。
　　本当に静かな山里。すぐ脇を流れている川の水も澄んでいて、お酒造りにはよい所だったのでしょ
　　う。


　　　よそから人が訪れるのもあまりないのか、ちょっとあたりを歩いてみたら、わざわざ確認しに出
　　て来られた方がいました。おじゃましましたー。
桜の花びらの間に咲いているこの可愛い花はなに？
　　トキワハゼかムラサキサギゴケのどちらかみたいです。調べてみました。

　　　この村で有名なお豆腐づくりもしているご飯やさん、まめやさんで厚いほかほかの油あげとかぶ
　　を買いました。おまけのおからが欲しくて。このおから、無料のため静かな争奪戦があります。
　　ひとり一つと書いてあるのに、いくつも持っていって、また補充されると子どもに取りに行かせる
　　つわものを発見しました。それをじっと見ているわたし…。

　　まめやさんの畑の麦。緑がきれい。

　　　今日はすごい風。昨日の桜も散ったかな。
　　夫は吉野の桜も見に行こうと目論んでいたらしいです。なぜそんなに貪欲に桜を追い求めるのか…
　　そんな年齢に夫婦ともどもなったということでしょうか。