珍しく一週間も更新なしで、心配された方も多数おられると思いますが。
いないいない、か。
緊急事態宣言も明け、東京の感染者数も気持ち悪いくらい減りました。
長いこと特養に入っている父と、去年から入った母の顔もみたいし、元気な様子を見せたい。
ワクチンも打った、第6波が来る前、行くなら今しかないと急遽チケットを取って、二年ぶりに帰省してきました。
会うといってもいまはまだ、施設の入り口の大きなガラスドア越しです。
介護士さんが父母を車いすで連れてきてくださって、母は私を見たとたんに泣き出しました。
以前私が送ったニット帽をかぶってくれていました。
巨人と小人、の世界ですな。
父の表情は変わりません。なぜなら感情を表す事すらできない状態なのです。
91才の父は、自力で体を動かせず、今年の春には骨折して入院手術、夏には腸の炎症で入院治療。
昔の人にしては骨太で大きかった父は、今体重が47キロくらいしかなくなり、目はほとんど見えません。
耳は聞こえているようですが、痛いとか短い単語しか発せられないそうです。
一方母は、二年前に会ったときとは驚くほどの変化でした。要介護4だそうです。
母も背が高くてふっくらした人でしたが、とても小さくなって、二年前はちゃんと会話ができていましたが、今はもごもご話すだけ。
それでなくてもガラス越しですから、介護士さんを通じて伝えてもらうだけでした。
目がほとんど見えていないはずの父でしたが、しっかりと目が合っているような気がしました。
介護士さんが父に「娘さんわかる?」と聞いてくださった時、「わかる」と言えたのがガラス越しに聞こえてうれしかった。
ちゃんと頭の中には言葉があるんだと、そしてもっと伝えたいことがあるんだろうなと思い、胸がいっぱいになりました。
数年前までは、聞き取れるくらいの会話で冗談まで言えていた父でした。
母が、「犬は元気か」と聞いたときはウケました。
こたろうは一度一緒に帰省したことがありましたので、覚えていてくれたのでしょう。
ひ孫の写真をスマホで見せると、とても喜んでくれました。母の方はスマホの画面も見えるようです。
その母は、ずっと私から目を離すことはなく、観察するような、何かあこがれの人を見つめるような、あるいは、しっかりがんばりなさいよ、という厳しさ、こんなになっちゃったよ、という弱さや負い目のような、何とも言えない目で見ていました。
正直、怖いとも感じました。
大げさなようですが、しっかり生きなくちゃな、と思いました。
母と娘の関係、親子の関係って、きれいごとだけではなく、ひとそれぞれ、思うところがある方も少なからずおられるのでは。
そんな、わずか10分の面会ではありましたが、思い切って帰省して両親に会えてよかったと思いました。
また来るよ、とエア指切りをして別れました。
涙の再会の後は、弟が美術館に連れて行ってくれました。
もちろん、車です。田舎の移動は、車以外ないのが現実です。
何年振りかの美術館でしたが、晴らしい作品を堪能しました。
隣接するワイナリーでワインを買って帰宅。
外に行ったのは、この日だけでしたが、ドアツードアで、外を歩いたのは美術館と途中のダムの風景を見た時だけでした。
後は、後継者のいない弟、両親のなくなった後の事とか、今後の話をしたり、実家の片づけや掃除に追われていました。
男の一人住まい。
想像を絶しました。
爆
この間、自宅で母の介護をしてくれていた時期があったのと、家の商売と議員の仕事で手が回らなかったのも事実でしょう。
そして、今回の目的の一つ、断捨離。
箪笥の着物の量は半端ない。
買取などの手配はこの次という事にして、とりあえずいらないものを処分したり、押し入れや家具の中あるものの把握です。
男ではわからないこともありますので、ちょくちょく行って整理すればいいのですが、なんせ行くのに一日かかるので。
今回は丸一日を整理や掃除に使えたのが3日でしたが、そのうち2日は水回りや冷蔵庫の掃除にかかってしまいました。
ピカピカになったキッチンに、弟は大感激。
次に行った時は元の木阿弥でしょうが、出来れば半年後位には帰省して続きをやりたいと思います。
私が、真面目神経質綺麗好き片づけ上手、何よりちょっとやそっとでは諦めない姉でよかったでしょう?と言いたいです。
ここだけの話、今回はみなかったことにした場所もございましたが(笑)
今回は娘がリモートワークで家にいる時間が多かった事もあり、こたろうはお留守番でしたが、行く朝は早くから察して、ピーピー鳴かれて大変でした。
帰宅した時にはうれしすぎておしっこを漏らしました。
久しぶりに小さくて柔らかいこたろうを抱っこして、疲れも吹き飛びました。
聞くところによると、水もろくに飲まずに寝てばかりいたとか 泣
父母が元気だったころは、実家に帰れば料理好きな母のおいしい手料理を食べ、父や弟とお酒を飲んで遅くまで語り合ったものです。
子ども連れて帰省した時には、ドライブ好きな父が毎回オプションを考えて待っていてくれて、色んな所に連れて行ってくれました。
今は帰省してもゆっくり話すこともなく、母の料理ももう食べる事はできません。
時は流れ、沢山の事が移り変わります。
二年ぶりに新幹線に乗って、途中の京都駅に停まった時、ふと眼がしらが熱くなりました。
旅の大好きな私が、還暦の誕生日から3年続けて訪れた冬の京都の事を思い出し、コロナさえなければ出来たことがたくさんあったと。
今のところコロナに罹っていない私は、コロナのおかげでと思える事もたくさんありますが、ないほうがいい。
それは、自分が罹った病気も含めて、本当はコロナも病気もない方がいいに決まってるって。
東京から帰省すること自体に負い目を感じなければならない状況はとても悲しいし、親に会っても手も握れない。
昨日帰宅したばかりなので、今度はこちらでバタバタですが、まあ私にたっぷりあるのは時間ですから。
こちらでも近年かなり断捨離しましたが、実家にあったあふれんばかりのモノたちをみて、今一度身の回りの整理を意識しました。
何にもできない、目を合わせるだけの親との再会でしたが、それでも少しは親孝行ができたかな、と思うようにします。
私にとっては有意義な時間でした。
そして、電車に乗って旅したい虫が動き始めてしまいました。
(笑)
そうそう虫と言えば!続きは明日。
余談ですが、弟も私に似てちゃんとしている方なので?家の中のテーブルにはアクリル板を置いてました。
そして、食べる時以外はマスクでしたし、私もマスクで調理して、食べるものもすべて個別にしました。
また笑
今後も、これまでと同様の感染対策は続けます。
気を緩めてはダメ。
長くなりましたが、最後までお付き合いいただきありがとうございます。
感謝をこめて
つる姫