今日も、ご訪問くださりありがとうございます。
今度の日曜日は父の日ですね。
つる姫の父は、田舎の町の写真屋さんでした。
登山、バイク、車の旅、物作りの好きなだった父も
今は難病指定の病気になって、すっかり痩れてしまいました。
そんな父が、娘の夏休みの宿題の為に書いてくれた手紙を
紹介します。
戦争の話なので、興味のない方はスルーしてください。
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原文のまま
〇ちゃんへ じィじィ~より
先日は、立派な贈り物ありがとう。
いつまでも大事に着たいと思います。
○ちゃんの夏休みの宿題が、戦争体験者のお話を聞いて行くとか・・
太平洋戦争が始まったのが、昭和16年12月8日。
そして、終戦が昭和20年8月15日です。
およそ3年7か月間位の戦争期間でした。
その間にじいじーは2回恐ろしい目にあいました。
最初は昭和20年6月29日です。
じいじーはまだ15歳になったばかりで
兵隊になるには年が足りなく、陸軍軍属として
岡山市にあります太刀洗飛行学校の整備工の卵として
征空道場と言ふ寮に入っておりました。
そして夜は一人1時間ずつの交替で不審番をつとめます。
じいじーの不審番が6月29日12時~1時頃だったでしょうか。
寮の外側を見てまわってふと空を見上げると
岡山駅付近の空がまっかにそまっているではありませんか。
じいじい大きな声で「空襲じゃー空襲じゃー」と
叫びまわり、着のみ着のまま、下駄をわきの下にかかえて
逃げ回りました。
アメリカのボーイングB29と言ふ爆撃機からは
焼夷弾といって、鉄パイプの中にドロドロした液体が入っており
それに飛行機で火をつけ落下させます。
家とか地上に落ちると、火のついたドロドロの物体があちこちに
飛び散り、火災が起きると言ふ具合です。
火が付いて落ちて来る焼夷弾の炎と
風を切って落ちるヒュルヒュル々々と言ふあの音は
61年たってもじいじいーの目と耳に
今でもハッキリ記憶しております。
長く感じた空襲も、夜が明けるとB29もマリアナの
基地に帰ったのでしょう。いなくなっておりました。
そして征空道場はと、行ってみますと
跡形もなく焼失してしまい、じーじーの服もお布団も
身の回り品何もかも灰となっておりました。
ウロウロ歩いているうちに、ヌルッとしたものをふみつけました。
足元を見ますと焼けて死んだ人の腹わたを踏んだのです。
じーじーその時もまだハダシだったのです。
その夜からは寝る所もないので
飛行場の倉庫の様なところで、蚊になやまされ乍ら
8月15日の終戦日まで過ごしました。
二回目の体験は
アメリカ空軍の戦闘機グラマンと言ふ飛行機からの攻撃でした。
飛行場の練習機目がけて一機ずつ急降下して来て
機銃でバリバリと撃ちまくります。
練習機にはタマは殆んど当たっておりませんでした。
急降下して来たパイロットの顔が
はっきり見える位の高度まで下がって来ました。
グラマンの一機が、飛行場の近くの工場目がけて
ロケット弾を一発発射しましたが
不発だったのをおぼえております。
その時はあっと言ふ間のグラマンの飛来ですので
逃げるところも見つからず
じーじー1人だけ畠の中へかけこみ
ワラを体の上にかけて
飛行機から見つからない様にじっと動かないでおりました。
地上の人間一人見つけても
グラマンのやつは旋回して来て撃ちまくるのです。
今でもその時の機闘銃の音、耳の奥に残っているようです。
又、急降下した時の、キョロキョロと顔を動かした
パイロットも思い出します。
じーじーのお話し上手で無いのでありますが
○ちゃん少しでもわかってもらえたでしょうか。
少しでも○ちゃんの宿題のお役にたてばと思います。
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15歳の少年の怖ろしい体験です。
6月29日というのは、岡山大空襲の日だったようです。
今も世界のどこかで、戦争や暴動が起こっています。
日本は戦争はしてないけど
昨日も大阪で通り魔殺人があったし
脱法ハーブとかを吸いながら車を運転して人をひいたり
飲酒運転だって、後を絶たない。
そのために、何の落ち度もない人が命を失っています。
大震災の後、被災者の方はもちろん
多くの人たちが、意識を新たにしてきたことと思います。
でも、大きな流れはちっとも変ってないように思えます。
あっ!話しがややこしくなってしまった。
えろう、すんません。
お父さんの思い出はありますか?
つる姫は、幼いころ父にいろんな所に連れて行ってもらったので
母との思い出より、父との思い出の方が多い事に気づきました。
父の還暦のお祝いには、
弟と費用を出し合って、三人で東北まで車で旅をしました。
もっとも、運転は全部父。 苦笑
先日、父を訪ねた時に欲しがっていた電気カミソリを贈ります。
一人で、広島から北海道までもドライブしていた父の手は
電気カミソリを握る力も弱くなってしまいました。
ふるさとに、もうホタル飛んでるかな。
座布団投げて捕まるほどの、ホタル。
一週間が始まりました。
今の暮らしとご先祖様、親兄弟に感謝して
がんばってまいりましょう。
感謝をこめて つる姫