最後の巡礼を終え、タクシーが四国を出て鳴門海峡を渡る時、ちょうどタイミングよく、
渦潮らしきものを見る事ができました。
高野山に着き、少し辺りを観光し、この旅最後の宿泊場所である宿坊に入った頃
なんと後半落ち着いていた血圧がまた一気に上がってしまったのです。
最後の夜は、皆さんに自分の事を打ち明けてアリガトウの気持ちを伝えようと思っていたのですが
夕食の席に着くころには、座っていられないほど厳しい状況でした。
皆さんが集まり、皆さんが注文されたお酒などが運ばれてくる前に
私は具合の悪さに耐えきれず口を開きました。
「お食事の前に申し訳ないのですが、少し私の話を聞いてください・・」
私は去年心臓手術をしたこと、体調が安定したので旅に参加したが初日に具合が悪くなり
いつリタイアしようかと思いづつけていた事、そのため夕食の席にも長く座っていられなく
皆様に嫌な思いをさせたのではないかと思っていた事。
そしてまさに今また血圧が上がって、最後の夜なのにゆっくりと皆さんとお話しできそうにない事。
などをお話しさせていただき、皆様のお蔭で完結出来た事に感謝の気持ちも伝えました。
常に先頭を切って歩いていた私の話を、皆さんは信じられない顔で聞いていました。
一番の元気印だったのに。
つるさんのお蔭でペースが出来て、予定通り回れることが出来たようなものなのに。
とおっしゃって下さる方もいました。
せっかくの最後の晩餐に気まずいムードになりそうだったのですが、話をしているうちに私の具合も少し良くなり
「お話したら何だか楽になりました」と美味しい精進料理をぺろりと平らげ
「そういう事なので、せっかく最後の夜ですが今日もこれで失礼します」と席を立ち部屋に戻りました。
どんなに具合が悪くても食欲だけはあったのも、頑張れた一因だと思います。ありがたいことです。
食べないとだめだ・・という気持ちもあったはずです。
この旅で、普段手を抜いている我が食事を反省することしきりでした。
身体は食べたもので出来ている事を痛感。
部屋に戻ると外は雨が強くなっていました。
明日は6時からお勤めだそうですが、
この調子では無理かもしれないと思いつつ、割とすんなり眠りにつきました。
夜中目が覚めると、大雨の音が聞こえました。
この雨はきっといろいろなものを洗い清めてくれているのだろう。
そして、慈雨という言葉を思い、バラバラと打ちつける雨の音を聞きながらもう少し眠って目覚めると4時半。
雨は上がり、夜が明け始めた庭を見ると、庭の松の葉にいく千もの雨粒がしがみついていました。
血圧も脈もそこまで悪くなかったのでお勤めにも参加することにしました。
明日につづく
感謝をこめて
つる姫