さて帰ろうか、と、帰れるとなるとがぜんはりきるこたろうくんと、大きな道路を渡る信号の手前まできました。
ここの信号は、待ち時間が長く、渡る時間が短いのですが、信号にたどり着くちょっと前に、青になりました。
焦るタイミングでもなかったのですが、こたろうとダッシュ。
すると、向かい側から渡ろうとするおばあちゃんが見えました。
瞬時に嫌な予感が。
その予感は的中。
おばあちゃんは、少し早足になったようにみえましたが、足がもつれて横断歩道にでたところで、前のめりに転んでしまいました。
「わ~、どうしよう。。。」
小心者です。びびるつる姫。
と思う反面、足はおばあちゃんに駆け寄って、目の前に停まっていたトラックの運転手さんに、手をあげて静止の合図を送ってから、おばあちゃんに声をかけました。
正直その時のことを良く覚えていないのですが、多分引越し業者のトラックから若い人が二人下りて来てくれたので、ひとりの人に、おばあちゃんを歩道まで連れていってもらうようたのみました。
私はこたろうを連れていたので、おばあちゃんを片腕でしか支えられなかったからです。
運悪く、おばあちゃんは瓶の飲み物を持っていたようで、割れた瓶を、もうひとりの人が路肩に寄せてくれました。
そこまでしてくれたとき、すでに信号は赤、若者達に「ありがとうございました」と声をかけて歩道に立ちすくむおばあちゃんのところに戻りました。
おばあちゃんは手の平から流血。
瓶のことがあったので、ガラスが刺さっていないか心配でしたが、おばあちゃんは呆然として手の平をみつめるだけ。
この近所の方ならおくってあげようかとも思ったのですが、どうやら横断歩道を渡った先のバス停から、バスに乗って自宅に帰ろうとしていたようです。
こたろうを抱っこしたまま、どうしたものかと考えていると、通りすがりのおばあちゃんが声をかけてくださいました。
ハンカチもティッシュも持ちあるいておられない、怪我をしたおばあちゃんに、ふたりでティッシュをさしあげました。
そして、歩けるようだし、手は擦り傷だし、これ以上できることはないと判断。
慌てないでゆっくり帰ってください。気をつけてくださいね。と声をかけてから、この事件の間、暴れたりぴーぴーいうこともなく、おとなしく待っていてくれたこたろうと帰途につきました。
こたろうは、早くうちに帰ってご褒美を食べたかったはずです。
それが楽しみで帰り道をはりきるのですから。
こたろうは本当にいい子だなと、こたろうをいっぱい褒めました。
そして、つる姫のことです。
あのままでよかったのか、と考えました。
倒れて起き上がれないなら救急車を呼んだ。
自分で立ってしっかりと会話もでき、傷はちょっと深いけど擦り傷。
あれ以上すべきことはなかった、と自分に言い聞かせました。
それで、思いました。
買い占めや、この時期出歩く高齢者が、「老害」と呼ばれて叩かれている今日この頃。
このおばあちゃんの出来事は、私にとって、とてもよい教訓になりました。
バスに乗ろうとするおばあちゃん、バスの来る時間はたぶん十分あったはずです。
もしかしたら、私たちが走っているのを見て、慌てたのかも知れませんが、おばあちゃんは足が悪いとおっしゃってました。
その悪い足で、車の通りが激しい広い道の横断歩道を、急いで渡ってはいけません。
体が気持ちについていかない、というのは歳を重ねた人からよく聞く言葉です。
はい、私も重ねたひとりですけれども^^
以前も書きましたが、レジに並んでいるときに、不平をもらしているのも、高齢者。
自分はこの年まで、いろんなことを頑張ってきたのだという自負と、先が長くない、という無意識な意識が、いろんな形で現れて来るのではないかと。
それは、自分にも同じことが言えるのだと気づいて、またもビビりました。
私は若いときも結婚してからも、病気をからも、いっぱい頑張ったんだから、残りの人生、やりたいことを我慢しないで生きたい。
そう思って、やりたいことリストなんてものを作ったばかり。
めっちゃ恥ずかしくなりました。
そして、思いました。
人に迷惑をかけない高齢者になりたいと。
老害などという言葉を言える若者も、そのうちわかるときがくるはずだとも。
いまどきの若いものは、と大人が言っていたことがわかりはじめたのは、もう何年もまえですが。
いろいろ考えたけど、とりあえず、信号で走るのはもう絶対やめる。
(笑)
転んだら洒落にならない。
人に迷惑をかけない、ってことは、高齢者じゃなくても同じことですが、昨日のおばあちゃんをみていて、自分は足が悪いとわかっているなら、走ろうとしたらダメでしょ、と思いました。
まだいける、という気持ちは大事なことですが、別な形で頑張ってほしいと。
信号が長いって言っても、2時間も3時間も待つわけではないのですから。
私にあれ以上なにができたでしょう。
皆さんなら、どこまでしてあげましたか?
正直、他に誰かがいたら、私は逃げていたかもしれません。
トラックから下りてきた若者達は、なにを思ったでしょう。
老害、だとおもったでしょうか。
救いだったのは、彼らが見て見ぬ振りをせず、助けてくれたことです。
もっとも、あの状況で見ない振りができる人はまずいないでしょうが。
とりあえずどいてもらわないと、車だせないですし。
あの後おばあちゃんがどうしたか、少なからず気になっていましたが、学習したことだけを心に刻むことにします。
おばあちゃんには、えらい目にあったと思わず、反省してほしいものです。
そして、ハンカチやティッシュは持ち歩いてほしいです。
とにかく大事に至らなくてよかったですね。
さて、今度は食料品の買い占めが始まったようです。
今日は買い物に行かないといけませんが、いまから憂鬱です。
人々の浅ましさをみるのは、いやだ。
という自分もその中にいてはるんやで。
普通の暮らしがいかにありがたいか、つくづく思う春。
去年の桜さがしの時に、缶ビールぷしゅとしたベンチのところにいた人懐こいねこちゃんです。
今日も笑顔で過ごせますように
感謝をこめて
つる姫
私の好きなものは笑顔。笑顔は世界を救うと信じるつる姫のブログです。
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