空に何かが居る
長い間 ただ美しいと思って見ていた空に
恐ろしい気配を感じる
何者かが 明らかに悪意を持って 地上を見下ろしているような気がして
背筋に悪寒が走るのだ
太陽が沈みゆくのを 待ちかねて
灰色の雲が じわじわと闇を創り始める頃
やはり 何かが居る
空に向かって 欲望の塔を積み重ねる人間を嘲うかのように
刻一刻 下界の景色を変えてゆく
闇を恐れる人間が 部屋の灯りを一つずつ 灯し始める頃
カラスが二羽 けたたましい声をあげて旋回している
何かに脅えて逃げ回っているかのように見えた
次の瞬間
カァ!!
暮れかかった空を真っ二つに裂くような
激しい鳴き声のする方を見あげると
灰色の雲の辺りから
一羽のカラスが ちぎれるほど激しく翼をばたつかせて
ものすごい勢いで 東の空の向こうに消えて行った
さきほどまで 二羽で飛んでいたはずだ
灰色だった雲が 一瞬にして赤く染まる
見あげる私の額から流れる汗が
左右から集まり あごの先端で大きな塊となって
次から次に
熱のこもったアスファルトに 音を立てて落ちる
戦慄が 周りの空気に触れて凍りつき
再び ゆるゆると溶け始めると
晩餐の後の 寛ぎに似た笑い声が聞こえる
夕方の悪夢
何かが居る空
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気象庁より先に、梅雨明けを宣言しておったつる姫じゃ~。
いやはや、暑いです。
昨日どこかの町では、39度になったとか。
暑中お見舞い申し上げます。
今日もご訪問くださりありがとうございます。
素敵な一日をお過ごしください。
感謝をこめて つる姫