お山(産)歩雑記

お山を愛する絵描きの雑記帳かつ2010年7月生まれの歩美&2012年8月生まれの竜之介の一姫二太郎育児奮闘記

日本画の世界(?)

2009-05-31 18:57:29 | Weblog
怒涛の平日を終え、
今週末土曜日は、富士山の森を保護しようと
集まって下さった各団体の皆様と共に、
植えつけた広葉樹の苗木を鹿の害から保護する、
そんな作業を行ってきました。

1ヶ月前に植付けしたばかりのブナ、ミズナラ、ケヤキ、ヒメシャラ達に
鹿に喰われない様麻でできたテープを巻きつけます。
しかし、そんな短期間でも、既に鹿に喰われてしまった
痛々しい苗木が目に付きます。

バランスが崩れてしまっている(と人間の目には映る)森に
どう手を加えてゆくべきか。
葛藤はまだまだ続きそうです。


明けて日曜日。
久々に何も予定の無い一日。
天気も上々のお出かけ日和。
旦那様と共に静岡県立美術館に行ってまいりました。

目指すは酒井抱一の水墨画「月夜楓図」

実は今、朝日新聞の連載小説「麗しき果実」にはまっているんです。
酒井抱一の他、羊遊斉、鈴木其一といった江戸時代の芸術家の
生々しい生き様と創作に取り組む姿が、
「理野」と名づけられた想像上の女蒔絵職人の目を通して
とっても美しい文章で綴られていて、
毎日他の記事は読まなくても、まずこの連載小説だけは読んでいます。

…っていうか、この小説を読むまで、
酒井抱一のさの字も知らなかったのですが。

でもこの小説を通して当時の芸術家達に興味を持ち、
彼らの残した彩色画や水墨画を見ると、
そのすごさに呑まれてしまいました。
ごまかすことなく単純な線と色で表現された
自然動植物の描写の美しいこと。

以前行った薮内正幸さんの美術館でも
迷いの無い力強いスケッチの線に圧倒されましたが。
日本画の皆様(と一括りにしてはたして良いのか?)の
葛藤を繰り返した末にたどり着いた
静寂の線の表現には
本当にため息が出ます。


そんな抱一さんの作品に出会えると
わくわくして訪れた静岡県立美術館。
…でしたが。
「申し訳ございません、現在その作品は展示されておりません(BY受付嬢)」


なにぃぃぃ!
んじゃぁ、ロダンでも見て帰るかぁ!!(←無計画)

そうしてどちらかというと投げ槍に入った
常設のロダン展だったのですが。

…ロダンすげぇ(感涙)。


充実した休日でした~~~。




スイッチの切替法

2009-05-25 23:39:25 | Weblog
前回のブログを更新してから、
日中はひたすら山歩き、
夕方以降(&土日)は森林技術さんの連載作成と過ごしてきました。

富士山の麓、1000m以上を担当区域に持っているので、
お山は今まさにダイナミックな変化途上!
毎日が生き物たちの目覚めの瞬間に出会えます。
そして今回の連載イラストも、そんな内容で描かせていただきました。

本日担当のS様に、締め切りぎっりぎりで投稿してほっと一息。
ふぅっ~~~~(S様感謝です!)。


そうして明日からは、富士山国有林の今後を検討すべくの
各担当者様との現地検討開始。
スイッチの切替が必要です。


そんな時助けてくれるのが村上春樹さんの本です。
就職して以来何度同じフレーズを読み返した事でしょう。
そして何度頭の中のスイッチを切り替えてもらった事でしょう。
そう、パチンと。

押し付けではない、
けれど示唆に富んでいる。
やさしさと残酷さを
同時にみせてくれる。

私の描く絵も
そういったものを伝えられるといいのになぁ。
お山はまさにそのものだから。



追伸:メール対応が遅れてしまっている皆様(私的、仕事含む)。
ほんっっっっとうに申し訳ありません。
いくつもの事を同時進行できない不器用者ゆえ。
どうかご容赦のほど…

Lソン募金の森

2009-05-18 21:51:55 | Weblog
今週末は、コンビニ大手のLソンさんが「募金の森」として毎年施業を行ってくださっているイベントに参加してきました。

当日は東海全域が90%の雨模様。
残念ながら予定していた、ボランティアの皆さん170名による森林施業体験は、雨の為中止となってしまいました。
それでも、首都圏を中心に集まって下さった「森をどうにかしたい」と思っているメンバー。
雨で得られなかったモノ(施業体験)を悔やむより、雨だからこそ得られるものを伝えていくのが、私たちの役目です。

実際お山では、そこで生命が生きていく為に雨は無くてはならない存在です。
そして本当は、下流に住む人間にとっても、上流の雨と、それを受け止める森林の存在は無くてはならないのです。
その「水源涵養」の機能を、身をもって実感できるのが雨の日の森林観察☆
むしろ雨の日に山に来た人はそれが実感できてラッキー!ぐらいの気持ちで帰っていただかないと、
来ていただいた皆様に報いる私たちの価値がありません。

つまりは
物事
前向きに捉えないと
損をしますよ~
ってことです。


全然脈略ありませんが、
今回のイベント対応で必要性を感じたもの。
・プロジェクターが無くても対応できる、森林機能紙芝居。
・雨の日室内でも遊べる森林カルタ(子供たちが内容を理解できるもの!)
・雨だからって簡単に挫けないスタッフ魂。

ようやく更新できました☆

2009-05-11 22:56:50 | Weblog
各種手続きが遅れに遅れ、
先日ようやくインターネットが繋がりました☆
更新を待っていてくださった皆様も、
たいして待っていなかった皆様も、
本当にお久しぶりです。

4月3日に静岡より富士宮市に転勤し、
富士山国有林の森林官になって早1ヶ月。
正直怒涛のような日々でした。

まず単純に仕事量が5倍ほどに増えました。
いや、決して静岡が暇だったわけではないのですが。

実は富士山裾野って、ものすごぉぉい林業地帯なんですね。
考えてみればあれだけ広大ななだらかな土地があれば、
林業だって大規模に展開できるわけです。
ってな訳で現在これまでで一番、
木材生産のことを
考えて、経験して、勉強しています。

さらに、もちろん日本一の山富士山。
沢山の人がこの山に訪れ、
この山の天然生林(人工林ではない森林)を愛し、
守り育てるボランティア活動が大きく展開されています。
こういった方たちとのやり取りも、
ものすごく考えさせられれ、勉強になります。


この場所からまた
今後色々な情報を発信していけるよう頑張りますので、
皆様よろしくお願いします。