ゆったり山登り

北海道で暮らす自然が好きで、山登りやカヌーを楽しんでいるのんびり者です。
日々の自然や人との触合いを書いて行きます。

トムラウシ山遭難はなぜ起きたのかを読んで

2010-12-25 21:07:59 | 感想
昨年、この事故を知って真相が知りたくて、ニュースを色々と見聞きしていました。
結局よく分からなかったというのが実感でした。
今回、この本を読んで解ったような気がしています。それにしても、事故、当初のニュースを思い返してみると、事実とは違った報道が多々ありました。なぜ、そういう報道をしたかと言えば、消防団員とか現場を見た人からの聞き込みの結果であったようです。たしかに、見た本人が言ったのですから、事実のような気がしますが、それはあくまでも感想でしかないのですが、現場を知らずに見ていると真実と勘違いします。
それが報道の現実であって、正しい判断をする材料を見ている私達には持ち合わせていません。今回この本を読んでその危険性がつくづく分かりました。

本の副題には「低体温症と事故の教訓」となっています。亡くなった直接的原因として低体温症があったと言うことのようです。しかし、そこへ行き着くまでには何回もの事故を回避できる選択のチャンスがあったようです。そのことは報道もされていることですから、今、あえて述べません。ただ、気になったことがありましたので書きたいと思います。

著者が関係者全員からの聞き込みをして時系列を取ろうとしています。ところが北沼あたりから話が食い違ってきます。それぞれが記憶していたことを述べているのですが、微妙に違っているのです。確かに、バラバラになって行動したら通常でも多少の違いは出るでしょう。それがこの時は低体温症の初期症状として脳がうまく作用しなくなってきていたようです。それからは色々な症状として表れるのですが、もし、私がそうなったら防げるだろうかと考えた結果はその前に気付かなければ無理だと思いました。
現実に彼らは自分達の症状が低体温症だと気付いてはいませんでした。やはり、そこへ行き着く前の段階で間違った判断をしないようにするしかないようです。

あの事故に遇った人達の中で今もアミューズ社のパックを利用している方が数人いるようです。この業界の中では信用できる会社だそうです。利用したことのない私には分かりませんがどうやら否定していればよいというものでもないようです。