日本人の好きな「三すくみ」

衆院議員選挙を思う

実は私の額に４針と目の上下に１針ずつの縫い跡があります。
この傷は子供の頃に犬に咬まれた跡なのです。何故、咬まれたかと言いますと私が子供の頃は犬は放し飼いが多く私などは野良犬を飼っていました。子供の私にとってはかなり大きな犬が昼寝をしていましてその上に乗っかったのですから驚いた拍子に咬まれました。普段は遊んだりしている犬ですから特別きかない犬ではありません。
では何故私が犬の上に乗っかったかと言いますと当時漫画や映画で「児雷也」と言う忍者物の走りとも言える作品が子供達の中で流行っていました。

主役は児雷也と言って大きな「蝦蟇」に化ける術を持っています。そして宿敵の大蛇丸は「大蛇」に化けることが出来、蝦蟇よりも強いのでした。ところがもう一人地雷也の兄妹の綱手姫も術を持っていて「なめくじ」に化けることが出来、大蛇には勝つことが出来ます。ですが蝦蟇には勝てません。この様な「三すくみ」の物語でした。これらに化ける時にはドロドロと煙を出して大きな蝦蟇の上で印を結姿が流行っていました。
もうお解りでしょう。私は寝ている犬の上でこれをやろうとしたのです。そして当然の結果に。
顔から血を流して泣いている私を見て驚いた向かいの大人の方が病院に連れって行ってくれたそうです。
皆さんは犬のその後を心配するでしょう。この時、私は私の名誉と犬の名誉を守る為に最大の智恵を絞りました。それは私が走っていて昼寝中の犬の上に転んだと言いました。多少の後ろめたさはありましたが犬は殺処分もされず私は馬鹿さ加減を知られずに済みました。その後もその犬とは遊んでいました。

それこそ「蛇足」な話を長々としてきましたがこの物語は明治頃に出来た作品ですが恐らく元ネタは昔からあったと思われます。
この物語が流行したのはやはり日本人の精神状態にしっくりきたからではないでしょうか。独裁は許さない、程々のところで妥協する縄文時代からの智恵として脈々と生きて来た感覚なのだと思います。それと同じに今でも何事かを決める際に行われる「ジャンケン」はこの最たる見本でしょう。

この様な事を考えていると今回の衆院議員選挙の結果は自民党、民主党、維新の三すくみ状態に終るような気がしています。