暑さはようやくおさまって来ましたね。秋の雰囲気を出そうと思って桔梗を買って来ました。
桔梗というと花冠も雌しべの先も5つに割れるのが普通だと思っていました。でもこの花は雌しべの先が4裂です。そういうこともあるのですね。
以下、一つの花に絞ってどのように咲き進むのか調べていきたいと思います。
ちょうど翌日開花しそうな蕾があったのでこれに決めました。でも形がなんかが変・・
正面から見ると四角い小包のよう。??これが5つに割れるのでしょうか?
開きました〜。ぱちぱち。開花1日目。あら〜やっぱり花冠は4裂でした。
開花直後は写真のように雌しべに雄しべがべったりとくっついています。仲が良いんですね・・。この段階で花粉はまだあらわにはなっていません。
次の写真が開花2日目・・
雄しべの数も花冠の割れと同じく4でした。2日目では雄しべは雌しべから離れて花冠近くまで倒れていました。そしてその葯には花粉が残っていませんでした。花粉はというと、雌しべの側面に生えている細かい毛にべったりと付いていました。雄しべは花粉を雌しべに託してその役割をあっという間に終えるのですね。花粉は雌しべ側面に提示されている一方で柱頭はまだ展開していないので雄が先に熟すという意味で「雄性先熟」といいます。
がくの数はどうなっているでしょうか。後ろから撮ってみると・・
がくも4つに割れていました。この花は全部4つで統一されているようです。同じ茎から出ている他の花では花冠・がく共に5裂で、雄しべが5本というのもありましたので遺伝的に決まっている形質ではないということです。
そして開花6日目の花が・・
柱頭が割れました。これも4裂でした。雄性期に入って4日が経過しており、この段階でほとんどの花粉が虫によって運び去られていました。柱頭が開いて花粉を受け取れるようになったのでここから雌性期になります。このように、雄性期と雌性期をずらすことで自家受粉を巧みに避けているのです。
今後の興味は、蜜のありかと花の微細な構造。それに子室の数。この花では子室が4つになると予想。花冠が5裂で柱頭が4裂の花ではどうなるのでしょうか。花冠が5裂で柱頭が3裂という花もありました。そのあたりは追って報告したいと思います。
【追加情報】
子室の数は柱頭がいくつに割れているかに関係していました。花冠が5列、雄しべが5本でも柱頭が3裂なら子室の数は3つになっていました。