庭の一角でヒメイワダレソウ(リピア)を育てているのですが、そこに雑草であるコメヒシバが入り込んでちょっと困ったことに・・
これはヒメイワダレソウの花。9月20日に撮ったものです。現在では花は終わっています。
そしてこれがコメヒシバの花序(花穂)。これも9月20日に撮影しました。現在ではタネがいっぱいついてしまっています。
メヒシバより全体的に小型で細く、花序の枝分かれ数は2〜4本で少ないです。また、小型でも他の雑草に負けないようにということでしょうか、日陰に強いという特徴があります。
元々家の北側に生えていたのを刈ってきて積み上げていたのです。それがヒメイワダレソウの近くだったのがいけなかった。いつの間にかその中にもコメヒシバが生えて来てしまいました。両者の背丈が近いので、コメヒシバだけ抜くのが面倒なんですよ。抜けたと思っても茎が細いから切れやすくて一部が残って取りきれないという・・とても厄介な植物なのです。今年の春、かなり丁寧に抜いて完全に駆逐してやった!!と思っていたのですが、気づけば秋にたくさん花序を出していました。この状況だとまたタネが撒き散らされているよね。全く困ったものです。
ヒメイワダレソウはグランドカバープランツだけれどコメヒシバに勝てていない、というのも問題の領域は日当たりがあまりよろしくなく、ヒメが弱り気味なところに比較的日陰に強いコメヒシバが入り込んだからです。日当たりが良い領域ではヒメが打ち勝っている感じはあります。
そこで今後の選択肢は、
- このまま放置して遷移を観察する
- 日当たりを良くしてヒメイワダレソウを優勢にする
- イネ科植物に選択性の高い除草剤を用いる
- タネをつける前にコメヒシバだけ丁寧に抜き続ける
- ヒメイワダレソウごと刈り取り 除草が容易な別な植物を植える
といったところでしょうか。
1番を実行すると今後も莫大にタネが撒き散らされ続けるということ。植物観察としては面白いですが庭の管理としては全然面白くないので あり得ません。2番は陰にしている鉢を移動するくらい。最も大きく影響している隣の家を移動させるわけにもいかず不可能。3番はイネ科雑草に選択性の高い除草剤があります。ポルトフロアブル、セレクト乳剤、ナブ乳剤、ワンサイドP乳剤、ラッソー乳剤など。100ml販売のセレクト乳剤を検討してみると、価格が3700円くらい。使用方法は、1平方メートルあたり薬剤50〜75μlを水100mlに薄めて散布。該当箇所がほぼ2m^2なので650〜1000回分以上あるということ。今後の労力を考えれば使いきれなかったとしても安いのかもしれないのですがね。もちろん農家用なので園芸植物に適応は取れていないので自己責任。
4番が一番妥当だとは思うのですが、自分の性格からすると無理っぽい。1年間だけならなんとか頑張れるかもだが休眠種子が必ずあるはずだから地道な努力を何年も続けられそうにない・・ということはヒメイワダレソウごと抜き取るのが現実的かなぁ。まぁ保留して4と5で考えてみます。
コメヒシバとメヒシバの比較。両者とも庭に生えているので比較観察します。
この写真は花序の枝を並べたもの。左がメヒシバで右がコメヒシバ。コメヒシバの方が細いのがわかります。
これらの枝の縁を顕微鏡で拡大してみると・・
メヒシバの方では微鋸歯のギザギザがあって触るとザラつきます。一方コメヒシバはというと・・
コメヒシバでは縁がつるんとしていてザラつきません。
コメヒシバの葉を透過光で見てみると・・
このように葉脈も緑色をしており、これはC4植物の特徴です。C4植物では維管束の周りに葉緑体を持つ維管束鞘細胞と葉肉細胞が取り囲んでいるので葉脈が緑色に見えます。一方C3植物ではそれがないため透けて白く見えます。写真は載せませんがメヒシバもC4植物なので同様な特徴が観察されました。クランツ構造については「葉の断面。ポーチュラカとマツバボタン」でも解説しています。
葉の断面の顕微鏡写真は・・
綺麗な断面が作れませんでした。白いトンガリは葉に生えていた毛です。エノコログサでは比較的綺麗に切れたのでお口直しに載せておきます。
クランツ構造が並んでいるのが美しい!