植物のふしぎ

植物をはじめ、生物のふしぎな生態をレポートします。
🌷ガーデニング・家庭菜園・草花と自然🌷

帯化したガーベラ

2024年12月13日 | 植物の生態

店頭に並んでいたガーベラが帯化していました。帯化とは植物の奇形の一種です。見た目が下の写真のようで売れ残り気味だったのかもしれません。もっと色鮮やかで花の大きなガーベラも売ってはいたのですが、変わったもの好きなわたしとしては ついこちらを選んでしまったという・・

正常な花が3個くっついたようになって「L字型」に見えます。帯化したものはピンクの花弁ですが、次に上がってきた花は白でした。色変わりする品種でもあるのでしょうか?その点も興味深いところです。

茎と萼の様子。写真右の正常なものに比べて茎も太め。花がL字型だから、がくもそれに応じて三角錐を逆さにしたような形になっていました。この性質は2番目に上がってきた花が正常だったことから遺伝的に決まっているわけではないということ。帯化は成長点の分裂に異常が出ることで発生するとされていて、その原因はさまざまあるようです。微生物が原因のこともあれば害虫による食害が帯化を引き起こすこともあるそうです。ネット上の情報では、ガーベラの帯化はしばしば見られるといいます。ガーベラ特有の原因って何なのでしょうか?品種によっても起こりやすさに違いがあるみたいですが、よく分かりませんでした。


園芸植物だけでなく野草でも帯化は起きるのでその紹介・・

これはメドハギといいます。マメ科ハギ属の多年草です。この写真でど〜んと横に伸びているのが帯化したメドハギです。それ以外のほっそりとした茎を持ったものが正常のものです。この写真は10月中旬の撮影で花はほとんど終わっていました。

帯状の茎にポツポツついているのはまだ若い豆果です。同じマメ科でエニシダ属のエニシダでは帯化したものをいけばなに使うそうですよ。いけばな界隈では帯化のことを石化(せっか)といっているようです。


帯化の原因が、他の生物による刺激だけということであれば形質が維持されることはないはずです。しかし、多肉植物のゴーラム花月(カゲツ)の帯化した品種として確立されているようなので、帯化の原因は植物側にもあり得るということでしょうね。それが何なのかは知りませんけれども・・。多肉植物やサボテン界では帯化のことを綴化(てっか) と言っているようです。

花月は「金のなる木」という名でも知られており正式な和名はフチベニベンケイだそうです。葉っぱの縁が赤く色づくからその和名になったのですね。ゴーラムでもその性質が受け継がれており、写真のように縁が赤くなります。花月の大株では花が咲くこともあるからゴーラムも大きく育てれば咲くのかな。咲かせてみたいな。

ゴーラムの独特な特徴は、というと葉の形。スプーンの先のような・・あるいは、ホーンのような とも言えるかな。あのパフパフっていう楽器の・・。地球上の植物にしてはあまりにも奇妙な形なので「宇宙の木」と呼ばれることもあります。この写真の鉢に宇宙人のフィギュアを置いたらおもしろいマン盆栽(注)になりそう。

注:マン盆栽は小さなフィギュアを添えた盆栽の一種でマンボミュージシャンのパラダイス山元氏が発案。マン(人・フィギュア)と盆栽を併せてマンボで言葉遊び。


【まとめ】

  1. 帯化とは、植物の奇形の一つで、茎や花が複数くっついて成長したような外見で帯状になること
  2. 帯化は植物の成長点の分裂に異常が生じることで起こるとされている
  3. 原因としては、微生物の感染や害虫の食害が挙げられる。その他、植物側にも帯化を起こす原因が形質として保持されることがある
  4. 一般には帯化と言われているが、サボテンや多肉植物方面では綴化、いけばな方面では石化と言われることが多く帯化に価値が見出されている場合もある
  5. 帯化は見た感じが正常とはかけ離れているので気色悪いのは否めない

【結論】

気色悪いと感じる人がいる一方、帯化に価値を見出す人もいる。だから他と違っていても気にすることはない。価値を分かってくれる人が必ずいるのだから。みんなちがって、みんないい。


【今後の予定】

  1. 今回ガーベラの購入株が色変わり品種なのかを見定める
  2. ゴーラムに花を咲かせる(そうとう先のことになりそう)
  3. 宇宙人のフィギュアを手に入れてゴーラムの横に立たせてみたい
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ゼラニウム他・花弁の紫外線吸収と反射

2024年11月23日 | 植物の生態

花はなぜ美しいのでしょうか。それは花粉を運ぶポリネーターの視覚があったからこそです。植物は子孫を残すため、ポリネーターに美しく飾ってアピールするように進化してきました。その代表であるハナバチなど昆虫は、ヒトが認識できない紫外線も見ることができるといいます。そして植物側もその波長域を利用してアピールしていることが知られるようになりました。今回は紫外透過・可視吸収フィルターU-360)を利用してゼラニウム、菜の花「オータムポエム」、ガイラルディアの花を観察したので報告したいと思います。


まずはゼラニウム(フウロソウ科テンジクアオイ属)です。普通に可視光で撮った写真が・・

テンジクアオイ属は花弁が5枚あり、そのうち上方にある2枚において模様や脈の深さなどが他の花弁と異なっています。写真の品種でも上方の2枚は付け根で色調が薄くなり、脈の溝がやや深くなっていました。別種によっては上の2枚に濃い色をした蜜標があるものもあります。

写真の花を紫外線透過可視光吸収フィルターを通してみると・・

 

この写真での撮影条件は(ISO1600 F2.2 1/8sec)でした。このように晴天時でも紫外線写真では大きく露出をかける必要があります。さらに紫外線では可視光の屈折率と異なるため可視光の時とは異なるピント調節が必要です。紫外線写真の場合、可視光で合わせた後にピントを近距離側にシフトします。カメラの性能や撮影条件によっては液晶の映像が暗くてピント調節は当てずっぽうになることもあります。

上の写真の場合補正しないと赤被りがひどく見にくいので画像処理ソフトで適当に修正したのが次の写真・・

花弁は基本的に紫外線を反射する性質がありますが、上方の2枚の花弁では付け根付近に紫外線を吸収している部位がありました。写真では赤褐色に写っている部分です。

撮影時に光線の方向や露出を変えてみると・・

 

同じ花でもかなり違って見えることがあります。紫外線領域での撮影では光線の方向や露出の程度など条件を色々変える必要がありそうです。

過去、別品種のゼラニウムで同様に観察した写真も載せておきます・・

可視光では5枚の花弁に違いなどは無いように見えましたが、紫外線領域では上2枚の花弁にはっきりとした模様がありました。

次にオータムポエム(アブラナ科アブラナ属)の花の観察・・

オータムポエムは、とう立ちした茎がアスパラガスのような風味があるのでアスパラ菜という名で流通しています。8月に播種すれば春を待たずに秋から咲き始めます。花の様子は他のアブラナ科の植物と同じです。今年は夏から秋の気温が高かった影響なのかは分かりませんが、これまでになく葉が大きくなりました。

花の観察・・

これを紫外線透過可視光吸収フィルターを通して見てみると・・

色補正はしてあります。4枚の花弁の基部に紫外線吸収帯がありました。可視光ではその吸収模様は判別できないことから、まさに人知れずハチに知らせているということのようです。

次に、キク科テンニンギク属のガイラルディアの花を観察します・・

この品種はグランフレイム・イエローです。可視光では、舌状花の花弁基部がオレンジ色に濃い色になっており、蜜標の役割をしているようにも見えます。紫外線領域ではどういう模様でしょうか・・

舌状花の花弁基部について、可視光で観察されたのと同様な模様は見られませんでした。花の中心である筒状花部分が濃く写っており紫外線反射が少ないことを示します。


【まとめ】

  1. ゼラニウムとオータムポエムでは、花弁の一部に紫外線吸収帯がありました。細胞中にある紫外線吸収物質が関与していそうです。
  2. ガイラルディアについては、紫外線吸収物質の有無については断言できません。筒状花部分で紫外線レベルが低いのは、吸収物質によるものか、乱反射させる複雑な構造によるものかがはっきりしないためです。
  3. 共通の特徴として、花弁で紫外線を反射させることで花の存在をアピールし、その中で虫に訪れてほしい部位では紫外線の反射を抑えています。紫外線吸収帯は蜜標と言ってよさそうです。
  4. ゆえに紫外線透過可視光吸収フィルターを用いれば、紫外線領域の蜜標も観察することができます。

【今後の予定】

  1. 以前行った実験と観察で、花弁の紫外線吸収は、表皮細胞に貯えられた紫外線吸収物質によって行われており、その物質は植物によって異なるがフラボン類に属するだろうことまで分かっています。
  2. 追試的な観察でアップデートはしておきたいと思います。
  3. キッチンラボでは物質的な研究を進めるのは困難でしょうね。
  4. いろいろな花で紫外線領域での蜜標を観察しておきたいと思います。
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ビオラの水挿し エンサイの続報

2024年10月29日 | 植物の生態

あるホームセンターでビオラを数株買ってきました。花の色がわり品種と徒長ぎみの苗。色がわり品種についてはまた後日ご紹介しますね。

花の苗選びのコツとしては徒長したものは避けましょうと言われていますが、今回はあえて徒長気味の苗を購入しました。水挿しが上手にできるか試してみるためです。ホームセンターの従業員さんが花柄詰みをし始めたので詰まれないうちに手に取りました。よく見ると違う植物も生えていたりして管理的に!?・・花の色形を見ればどこのホームセンターかわかってしまうかもですが、全体的に園芸関係の品が良いのでよく利用させてもらっています。

実験計画としては、水とメネデール入りで比較することにします。それに先日報告した「メランポジュームの水挿しは成功するのか?」で水を換えなくても切り花が傷みにくくなる漂白剤入りでも試験します。今後の結果次第ではアゲラタムと同様、購入苗の数を減らせるかなぁと目論見中。

タネを蒔いて育ててもいるのですが、パンジービオラは少し難しいんですよね。年内に花を咲かせたいときはまだ暑さの残る時期に蒔く必要あるけれど、温度が高いと上手に発芽してくれない。数打ちゃ当たる作戦をとりたいけれど野菜のタネと違ってほんのちょっとしか入っていなくてもそこそこのお値段だし。だから水挿しがうまくいくといいなぁと思っているのです。今後の結果が楽しみ。

水挿しは土にさす挿し芽と違って発根の様子が見られるところが良いです。さらに挿し芽だと蒸散量を最小限に抑えるため葉の数を減らす必要がありますが水挿しはそうしなくていいので発根できた場合に株への復活が早いというのもメリットです。デメリットとしては、発根した茎を土に植えるのが面倒臭いことくらいでしょうか。大量に株を作りたい人はきっと挿し芽の方がいいんでしょうね。

挿し芽、挿し木といえば久留米ツツジを増やしたいと思っているのですよ。何回かチャレンジしているのに上手にできなくて。発根してもその後枯れてしまうことも多々です。木の植物はどうなのでしょう、水挿しで発根させることはできるのでしょうか。観葉植物以外ではあまり見聞きしたことないけれど。。興味あるところです。


【追加情報】

11月18日になっても根が生える兆しがありません。22日間経っても発根しないので水挿しで増やすのは実用的ではないという結論。種まきを工夫して暑い時期でも発芽率を上げることに努力した方が良さそうです。3つとも挿し穂は生き生きはしていますが、ここで観察中止としたいと思います。挿し芽を成功させている方でも発根まで2ヶ月くらいかかるかも、と書かれていたので、いずれにしても購入苗から水差しや挿し芽で年内に定植させるのはコスパ・タイパ悪く現実的ではない感じです。


次に「エンサイの水挿し(節と発根の関係)」の続報です。

「脇芽が入らないように節の位置で切り取ったもの」では、カルス状の成長点の兆しは確認して土に植えてみようとしていた間に少し成長しまして・・

この写真のように葉の赤ちゃんみたいなのに・・見方を変えればちょっといやらしい形に成長してきました。パチパチパチ。水挿し始めてから1ヶ月くらいかかりましたねぇ。何の役にも立たないのですけれど・・エンサイの潜在能力として節の組織が少しでも含まれれば成長点を欠いていても時間はかかるが再生できると言えると思います。まぁ、植物の能力はすごい!という結論でした。さらに芽を大きくしたいので液肥とリキダスを薄めに入れておきました。

どうしてこの実験をしようと思ったかというと、以前へデラを切り戻した時に、その新緑があまりにも綺麗だったので葉っぱを水にさしておいたのですよ。そしたら葉柄の先から立派な根がビヨ〜んと出てきたのです。しばらく育てても全然変化が見られず邪魔になって捨ててしまいました。そのことがず〜と記憶の底にあったんですね。本当はその後がどうなるか知りたかったんです。あれももっと時間をかけて見ていれば芽が成長してきたのかもしれないなぁ。

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ガウラの花が風でゆらゆら・茎の断面が丸い理由

2024年10月25日 | 植物の生態

小布施町には約900mに渡って道路沿いにガウラが植えられていてる所があって、花が風でゆらゆらしてとってもいい感じなのです。「矢島沖」信号あたりから北東方向の谷街道沿いです。写真で紹介できればよかったのですが・・・あいにく撮ってませんです。小布施町には ここ以外にも沿道花壇があちこちにあってどこも手入れが行き届いていて感動ものです。先日訪問した時も「小布施橋東」信号の近くにある山王島委託花壇は相変わらずお花が溢れてきれいでした。実はこの花壇の前を通勤していたことがあって、毎日それを見るのが楽しみでした。小布施町はオープンガーデンを実施している家も多くて その案内で一冊の本になっているくらいです。花好きな人が多い町なんですね。

そんなこんなで自分でもガウラを育ててみたくなって鉢植えにしたんですよ。でも・・・とにかく茎がびよ〜〜んと伸びて傾いちゃうんです。だから全然見栄えがしない、というかなんというか。小さな株ではダメなのかなぁ。沿道花壇みたく群生させてお互いが支え合うようにした方がいいんでしょうね、きっと。あるいは寄せ植えにして他の植物に支えてもらうとか?とにかく丈夫な植物なので持ち主からの愛を失ってもけなげに咲いてはいますけれど。。

これがガウラの花。花の後ろに突き出た「距」があったんだ。今日初めて知りました。雌しべの先端もなんかかわいい。これまで見向きもせずにゴメン。じっくり観察して「愛」も復活、ちょっとだけ大切にしたいと思います。

・・・と日を改めて距だと思っていたものをよく見てみたらそうではなかったぁ。つぼみの時に花を包んでいたものでした。いわゆる萼が花弁のように分かれて広がらずに筒状のまま花の後方に反っているもののようです。口先だけで愛を語ってはダメですね。相手のことをよく見てあげなくちゃ・・です。


非常に前置きが長くなりました。今日のテーマは茎の断面の形です。

ガウラの茎の断面を見てみると・・

右がガウラで左がニシキギです。ガウラでは、茎の断面はやや歪みはあるものの丸い形です。一方、ニシキギは丸の茎に褐色板状の「翼」が4枚ついています。ガウラの茎は曲がりやすくできているため、どの方向からの力でもしなやかに受け流せます。ニシキギは翼があるのでそれを破損せず曲げることができません。

ニシキギの「翼」はこんな感じ。他の植物では見られない特徴です。ただしこんなに大きな翼を持つのは園芸用に選抜されたものであって、山に自生しているニシキギはそうではないらしいです。いずれにしても翼の役割は茎を曲げる力から守っていると見てよさそうです。


次に庭にある植物をいくつか取ってきて断面を調べてみました。

オヒシバとナシの断面は「丸」でツユクサは平らな面がある丸、カヤツリグサは三角、シソとバジルは共にシソ科で四角でした。バジルの試料は、斜めに伸びた茎が起きあがろうとしていた部分を使用したので少し歪みが見られます。樹木で言うところのアテ材。

カヤツリグサとシソとツユクサにはどのような事情があって丸ではないのでしょうか。カヤツリグサは、根元にある葉と上部にある苞葉の間には節がなく茎の途中から葉を出すことがありません。すなわちその間、茎を丈夫にする役割もある節が一つもないのです。そのため曲がったり潰れたりしにくい三角形が採用されたのではないかと考えました。

三角形には構造的に強くても葉を出す方向に制限がかかるというデメリットがあります。そこで、茎の途中に多数の節をもち、葉っぱをたくさん出して光合成効率を上げたいシソ科の植物は茎を丈夫にしつつも葉を出す方向に困らない四角を採用したのだと思います。

ツユクサの丸い断面に含まれる平らな部分は、構造力学的な理由ではなくて成長過程にあるように思われます。ツユクサは節の部分で二股、あるいは三股に分かれて成長します。その分かれた後の茎で向かい合う面が平になっていました。


以上まとめると茎が丸い理由は、どの方向からの力もしなやかに受け流しやすい形であること、そして葉を出す方向に制限を受けないので植物種ごとの事情に応じて自由に葉序を決められるということです。丸以外の形を採用している植物にはそれぞれ異なる事情があるらしく、以下は私の想像・・カヤツリグサでは茎の途中に節がなくても茎を丈夫にするために三角の断面が採用され、シソ科の植物では茎を丈夫にしつつ対生にすれば葉を出す角度に困らない四角が採用されたと推測。ツユクサの断面は丸と考えて良いが成長の過程で図らずも平らな面ができてしまったと。いずれにしても風などの力に対する戦略の違いによって茎の断面の形が違ってきたのだと思います。

「シソと、ツユクサ、カヤツリグサ、みんなちがって、みんないい」

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アサガオの開花時間

2024年10月21日 | 植物の生態

西洋アサガオは秋が深まっても元気に咲いています。10月20日の未明に開花時間の観察をしましたのでレポートします。

アサガオは暗くなってから一定時間経つと開花すると言われています。そうであれば開花は未明に予想されるので、夜中に鉢を室内に取り込みインターバル撮影に設定したカメラに任せて観察しました。2分ごとのインターバル撮影をしたのでスムーズな動きの動画として見ることができました。ただ開花の様子はほぼ予想通りであったので、動画は載せずに時刻順の静止画何枚かで説明したいと思います。

夜中の1時45分くらいから蕾の捩れが解け始め開花の動きが見られるようになりました。

4時ごろになるとほぼ最大に開いた状態に近くなり、その後は大きな変化が見られなくなりました。厳密に言えば花弁が最大に開いたのは4時20分頃でした。

その他に気づいた点として、翌日咲きそうな一つ上の蕾は、この観察の時間中に思いの外大きく膨張していました。人間の時間感覚ではほとんど動いていないように見える植物でもインターバル撮影すると確実に動いて活動していることが実感できて面白いです。

今回の観察だけでは開花のスイッチが暗闇であることを示すことにはなりません。しかし、すでに調べられている開花の性質にどの程度合致するのかや 新たに気づく点はないか、を目的に観察しました。


NHK for school」では、「アサガオの花の一日の動き」の短い動画で

  1. 暗くなってから9時間後に花を咲かせること
  2. 好きな時間に花を咲かせたい場合は、アサガオをその9時間前に暗い部屋などに入れること。
  3. 暗くしてから5時間ぐらい経てば、明るい所に移動しても開花時間に影響が出ない。

と説明されていました。また、日本植物生理学会のみんなのひろば植物Q&A(登録番号1384)では、「気温にも影響し、夜の温度が低いほど花が開く時間は早くなります」とありました。


前日19日の日没は、17時7分、そしてこの日の夕方は雨模様でかなり早い時間から薄暗くなっていました。

日没を基準にすれば、日没後8時間50分くらいから開花の動きが始まり、3時間半くらいかけて花弁が開き切ったことになります。一般に言われている「暗くなってから9時間後」に合っていたと思います。

ここでいう「9時間」は絶対か、と言えばそうではないのでしょう。光を当て続けて暗闇の刺激を与えなかった場合、翌日開花しそうな蕾でも開花しなくなる・・ということは実際には起こりそうもないからです。NHK for schoolでは「好きな時間に花を咲かせたい場合は、アサガオをその9時間前に暗い部屋などに入れること」とありましたが、あまりにも自然とかけ離れた条件では理論通りにはならないのでは、と推測しています。それでも21時まで光を当て続けたら・・あるいは15時に暗い部屋に入れたら・・こんな条件でも機会があったら調べてみようかな。

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