未来をよむ えびせん塾

理科好きっ子育成の一役を担えたら..。

★怖いのは農薬だけではない!野菜の硝酸含量にも注意を!

2010年05月10日 | Weblog
怖いのは農薬だけではない!野菜の硝酸含量にも注意を!

野菜は成長成分として硝酸性窒素を必要とし,通常,土壌から吸収します。豆科の植物は特殊で,寄生する菌の助けを借りて空気中窒素を吸収する事が出来ます。
硝酸性窒素は植物の成長成分であるため,人為的に野菜などの成長を早めるために,化学肥料として多量に与えられる場合があります。植物は与えられただけ,それを吸収します。

そこで重大な問題があります。硝酸塩自体は人体に有毒ではないのですが,これが体内で還元されると亜硝酸塩に変化します。これは細菌を利用した発酵でも起きる変化であり,野菜中の硝酸塩は漬け物にするとその一部は亜硝酸塩に変化します。亜硝酸塩は有毒です。亜硝酸塩が魚類中に多いアミン成分と反応すると(一緒に食べると)ニトロソアミンという強烈な発がん物質に変化します。その昔,尿路を直腸に結合させる手術がありました。しかし,これをおこなった患者には直腸がんが頻発し,この手技は行われなくなりました。この原因としては,尿中の硝酸が腸内細菌で亜硝酸に変化し,それが尿や便中のアミンと反応してニトロソアミンが生成される為であろうと考えられています。細菌の多くは硝酸を亜硝酸に変えますが,乳酸菌にはその作用はありません。納豆菌にはあります。ところで,女性の方は細菌感染で膀胱炎になった方も大勢いらっしゃると思います。膀胱は細菌には強いと言われますが,膀胱中の細菌を抗菌剤や抗生物質などできちんと退治しておかないと,膀胱がんになるリスクが極めて高くなります。それは,尿中の硝酸塩が膀胱中で亜硝酸塩に変わるからです。尿検査には,尿中の亜硝酸塩濃度を測るのがあります。これにより,膀胱中の細菌感染が分かります。

ところで野菜中の硝酸塩含量ですが,1995年,FAO/WHO食品添加物専門家合同委員会(JFCFA)は食品添加物としての硝酸塩の1日摂取量を(ADI)を,体重1kg当たり5mg(硝酸イオンとして)と設定しています。しかし,厚生労働省が行った調査では,国内での摂取量はこの値を超えており,特に果実,野菜からの摂取が多いことが報告されています。

実際の野菜の硝酸含量を見ると,1グラムあたり,チンゲンサイで390~16000μg,小松菜990~9000μg,大根490~6200μgなどの量が検出されています。EUでは硝酸塩の摂取量を体重60kgで220mgを上限としていますが,それを基準に考えると,硝酸が多いチンゲンサイは1日に15g程度しかたべられない。これを食べた日には白米や野菜ジュースなど,一切,口に出来ない日が発生することになります。

ニトロソアミンという物質名を出しましたが,こいつの発がんは極めて強烈で,過去にラットで実験した事がありますが,肝臓がんを高率に発生させました。この物質を取り扱うだけでも,緊張した事を覚えています。

納豆にチンゲンサイと明太子を入れて混ぜて,数十分も放置すると強力な発がん食事の出来上がりです!こんなものたべないでしょうが(笑),これが化学反応です。野菜中の硝酸は納豆菌で亜硝酸に変化し,これが魚卵中に豊富なアミンと反応します。ニトロソアミンは胃中の酸性のpHで生成が促進。何とも,話しているだけでも胃がんになりそうです。

温室育成野菜が増える昨今では,化学肥料は欠かせません。水耕栽培ものなら尚更のこと。日本政府は欧州のように,野菜中の硝酸含量の規制を行う必要があると個人的に思っています。これにより,消化器がんの国内発生件数は確実に下がると予想されます。一昔前,北陸の人は漬け物をよく食べるので胃がんにかかりやすいと言われていました。これは漬け物中の塩分が,がんリスクを高める事が認められていたため,その様に論じられていました。しかし,漬け物中の亜硝酸含量も原因の一つと考えられます。

このブログを読まれた皆さん。これから,野菜中の硝酸含量に注目していて下さい。農家の皆さん,肥料中の硝酸濃度に注意し,栽培をお願い申し上げます。

バーイバイ