癒しの泉

もともとは映画好き、最近は舞台好き(特に宝塚♪)の趣味ブログ★宝塚の中では宙組の真風涼帆さんにハマってます!

宙組お芝居「異人たちのルネサンス」正直感想

2018-10-10 18:09:13 | 宙組

前回に引き続き今度はお芝居の感想です

さて、今回のお芝居、前にも書いたように好き嫌いが分かれそうですね~

私は最後まで観て好きになったんだけど、

途中まで、特に前半、ん?これ大丈夫か・・・?って心配になってましたw

今回の作品、好きなんだけど万人受けする作品ではないかな

それと、大劇場向けではないような気もしますね

小劇場でストプレとして観る分にはまったく問題なさそうだけど、
大劇場だとやはり箱が大きいからある程度の派手さとか盛り上がりとか舞台全体、多人数を扱うことが求められる。
それがまだまだかな~って(上から目線ですみません)


私の場合、終わりよければすべて良しと思えるタイプなのでよかったんですが、
観てる人全員が全員そうではないからね!

もちろん手直ししてほしいところもあるので、
それを書いた上で好きなところを語りたいと思います♪


※ネタバレを含みますのでこれから見る方々はご注意ください!!!
 (かなり長いですw)

 

 

ということでまず、直してほしいところ!!!

・幕開きのローマ教皇、フランチェスコ、グイドと枢機卿の会話
暗いし、人は動かないし、長いし!!!
なんで幕開きにこれ持ってきちゃったの~???って本当に謎でした
いや、大事な伏線であることは重々承知してるんですが、
これじゃあ観てる人の観劇意欲が削がれちゃうよ・・・
せめてロレンツォが出てきてからにできないかな~
5場の酒場のシーンの前とかいいと思うんだけど・・・
とにかく、最初の掴みの場面を暗くて長くて人が動かない場面にするのはやめてほしい
そして、グイドが「天使を忍ばせておりますので・・・」って言った後にレオナルドが出てくると天使=レオナルドと思っちゃってミスリードしちゃうからこの場面の並びもあまりよくないような気がします

 

 

・前半のテンポアップ
前半、なんかテンポ遅くない?
物語があんまり展開しないな~って
やはりレオナルドとカテリーナが再会しないことには話が展開していかないのでもっと早めにその場面がほしいかな~と思います

 

 

・照明のメリハリ
なんか舞台上がひたすら暗い・・・
最後のロレンツォの場面が明るいのはメディチ家の隆盛!って感じでいいんだけど
それ以外ひたすら暗い・・・
せめて酒場とかカーニバルの場面とかもう少し明るくできないかな~

 

 

・組子の使い方
非常にもったいない使い方をされてます!!!
工房メンバーとかもっと歌ったり踊ったりできるんじゃないか!?
シリアスなお芝居であることは承知してるけど、セリフだけだともったいなーと思わずにはいられません
芸達者な宙組子が多いだけに悔やまれる!

 


こんな感じかな~

ここまで書くと本当にこのお芝居好きなの?
って思われるかもしれませんが、好きなんです!

 

 

ではここからは好きな理由を・・・

・配役がすごく合っていた!特に主要なキャストが!

真風っちのレオナルドはビジュアルはもちろん大好きですが、
あの等身大の役がとても真風っちのお芝居と合っていて心を揺さぶられました
私、お芝居に関しては国を治める系の役よりこういう等身大の役の方が好きなんです
思い悩んで、しかもカテリーナに一度拒絶されるときの何とも悲しそうな表情がたまらん!
工房メンバーといるときもちょっとどこか陰のある感じ・・・
カテリーナの立場のことを考えて自分の気持ちを抑え込んでるけどちょっととっさに行動に出ちゃうところ
(@絵を描いてるところでの顎クイ場面)
レオナルドでのアトリエでのカテリーナが心を開いてくれて、
今まで触れたことのないカテリーナに(おそらく)初めて抱きしめてキスをするところ
壊れそうなガラスに触れるかのようなキス・・・そしてあのセリフ・・・
いつもは色気ダダ漏れの真風っちが色気を封じ込めて奥手な役を演じているのが非常にたまらんのです!!!
(いや、もちろんフィナーレの色気全開も大好物ですよ?それはまた後ほどw)
なんというか、とにかく母性本能をくすぐられる役ですごくすごく抱きしめてあげたくなる役でした

 

 


まどかちゃんカテリーナも本当に良かった!!!
まどかちゃんの笑顔って本当に幸せそうじゃないですか?多幸感あふれるというか
それを今回とことん封印しててずっと何かに怯えてる・・・人形のようになってしまっている
それを見るのかこちらとしてはとてつもなく辛かった・・・
だからカテリーナに何とか昔のように人間の心を取り戻してほしいと思うレオナルドにめちゃめちゃ共感した
そして最後にレオナルドの腕の中で本当に幸せそうな笑顔を観たときに涙腺崩壊ですよ・・・(その前から崩壊してたけどw)
この役はまどかちゃんがやるからこそ押さえつけられた苦しみとか身動きが取れない辛さが伝わってくるんだなと思いました
本当に泣かされた!!!

 

 


キキちゃんのロレンツォは支配欲の塊のような役で非常に二番手らしいお役でしたね!!
キキちゃんの悪役が大好きな私としては田渕先生さすがやな!って思いました
ロレンツォって自分の信念(美しいものを自分のものにしたい)に従ってて、
権力者ではよくいるタイプだと思うんだけど、あのねちっこくて嫌~な感じを出すのがキキちゃん上手いね!!!
私が好きだったのはレオナルドがいる前でカテリーナにサラリとキスをするところ
もうね・・・レオナルドの気持ちを考えたら「芹香の野郎ーーーー!!!」って心で叫びたいくらいに嫉妬してましたよw
それに、カテリーナに「他の男を喜ばせているのなら・・・」と脅しをかける所もゾクゾクしてよかった!!!

 

 

 

愛ちゃんのグイドはこの人こそ影の悪役と言っても過言ではないでしょう。
カテリーナの闇の根源。いや、もうね、子供のころから罪の意識を植え付けて、
しかもそれを利用してメディチ家の転覆を狙うなんて悪どすぎる!!!
私の中でこの時代の教会ってブラックすぎるほどブラックなイメージしかないんだけど、
もうその化身のごとき役でしたね。これは濃い役を得意とする愛ちゃんの存在感あってこそだなと
あと、なんかカトリックの司教って聞くと、どうしても最近話題になった神父の児童虐待が頭をよぎって、
もうカテリーナ逃げてーーー!!!と思わずにはいられなかった
田渕先生がそこまで考えてるかどうかはわかりませんが、とにかくこの話の中で一番救いどころのない悪人でしたね

 

 


ずんちゃんのジュリアーノは野心溢れるロレンツォの弟役で血気盛んさがよかった!
そしていつも何かにイラついてるあの若者の感じ、いいですね~
ずんちゃん、今回ショーもお芝居も新境地な感じだな~と思って観てました
そしていつも巻き込まれるねw 
ずんちゃんのこういうちょっと悪い役好きなのでこれからも期待したいな♪

 

 


この5人の思いが入り乱れてて、最終的にどうするの?と思ったら、
一応筋が通った最後だったので(ある意味史実通りでしたが)すごく物語に入りこめた!!!

その他にも、りんきらさんの悪い役の安定感とせーこさんの威圧感がすごい!
まっぷーの親方にもほろりとさせられたり・・・
やっぱり宙組は芝居巧者が多いなぁと感じますね!

 

 


・静寂の空間
お芝居中何度か、何の音もない空間で芝居をしてるところがあったんだけど、
ピーンっと糸を張ったような緊張感で観てるこっちまで緊張してきて・・・
特にレオナルドがカテリーナをモデルにして絵を描くところとか、
そっとキスをするところがそうだったんだけど、
もう観てるこっちに役の緊張が乗り移るというか・・・
観てるだけでドキドキしちゃって・・・
レオナルドが絵を描いているところはカテリーナの見つめられてドキドキしてる心情とか
カテリーナにキスをするレオナルドの張り裂けそうな胸の内とか・・・
なんか本当に感情移入しちゃって、こういう体験は生のお芝居じゃないとできないなぁと思いました

 

 


・観劇後の余韻
観劇後、これはこうだったのかな?と考えるのが楽しくて・・・
やっぱり実在の人物がベースであるため元ネタとか裏の意味を考えたくなる!
例えば、今回「天使」がキーワードになってますが、
ヴェロッキオとダヴィンチの合作「キリストの洗礼」の絵でダヴィンチが描いた部分が左端の天使とされてるから、そこからカテリーナに天使の意味付けをしたのかな~とか
それから、このお芝居で人形のようになっていたカテリーナが最後罪の意識から解き放たれて微笑むという場面があるけど、
ルネサンス以前の聖母の絵は無表情だったようで、モナ・リザの微笑みというのは人間の心を取り戻したカテリーナとものすごくリンクしてるなぁと感心させられました
フィクションと史実を結びつけるのが個人的に好きなので、
観劇後に色々調べて楽しんでるし知識欲を満たせる作品だな~と!芸術の秋にはぴったりかも?

 

 


・当て書きとして楽しむ
観劇してから歌劇を読んだんですが、
田渕先生的にはレオナルドは完全に当て書きのようですね。
そうなってくると、レオナルドの絵の才能=男役として恵まれた容姿・才能っていう風にとらえられて、光と影の部分を妄想しちゃいました。
ダヴィンチが絵をなかなか完成させずに何度も加筆していたっていうのも、
自分はまだまだだと思って努力し続ける真風っちの姿に重なるなぁ~なんて思ったり。
過去のインタビューなんかを見ても、よく「課題」っていう言葉を口にしてたりして、
全然現状に満足してない感じがするのでそういうスタンスが似てるのかなぁとも思います。
そうやって観ていくと、ヴェロッキオの工房から巣立っていったり、
まっぷーの師匠としての言葉なんかがものすごく真風っちの宝塚人生とリンクしてるのかな~と一人で考えておりました。
真風っちに野心を持たせるきっかけはなんだったのか?とかね。
そういう別の視点で観てみるのも面白いなぁと♪

 

 


ということで長々と書きましたが、

色々言いつつもこれだけ語りたくなっちゃうくらい心に響くお芝居でした。

東京に来る頃には少し演出が変わってるといいなぁ~と期待しつつ待ちたいと思います♪


長くなったので、フィナーレの話はまた後日♪(これまたじっくり語りたいのでw)

 

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