久しぶりの投稿です!!!
昨日、千秋楽を迎えた宙組 梅田芸術劇場公演 FLYING SAPA-フライング サパ-
今回はなかなか関西方面に行くことも叶わず、ライブ配信で観ました。
本当に本当にこの日が来るのを待ちわびてた!!!
千秋楽まで無事に公演できるのか・・・
今まででこんなに毎日緊張して過ごした日々はなかったな。
それは出演者の宙組生も同じで私なんかの比ではないほど、
毎日不安と重圧に押しつぶされそうだったんじゃないかな…
と千秋楽の挨拶で感じずにはいられなかった。。
やり切った達成感とどこかホッとした安心感とそんな思いが表情に出ていた真風っち。
本当に、本当に・・・千秋楽を迎えられてよかったね。
この言葉に尽きる。
東京公演もあるけど、まずは体も心もしっかり休ませて英気を養ってほしい。
さてさて、それではFLYING SAPAの感想を書いていきたいと思います!!
以下、ネタバレしてるところがありますので、
真っ新な状態で東京公演を見たいという方はご注意ください!!
まず、ストーリー!
宝塚では珍しいSFのお話ということで・・・
公演の解説が発表された頃からどんな風になるのか!?と、
映画、アニメ、漫画の中でもSF好き・異世界好きの私としては気になっていたのですが・・・
ストーリーとしては比較的わかりやすいSF設定でしたね。
設定としてはこんな感じ。
『全世界大戦で地球上に住めなくなり、地球を脱出した人類は水星に移住。
過酷な環境のため生命維持装置「へその緒」をつけていないと生きていけない。
「へその緒」は生命維持だけでなく、秩序を保つため人間の精神データを収集しており
そのデータは政府が管理する中枢データベース「ミンナ」に集約され、
攻撃的だったり反政府的な思考を持つ人間は未然に捉えられ記憶を漂白される。』
SFの話としてはよくある形だけど、やはり水星という舞台が斬新。
それも全世界大戦の原因が太陽の核融合反応が弱まったことが原因なのだから、
太陽に近い水星を目指すのは当然だな、ウエクミ先生よく思いついたなぁ~と感心してしまいました。
またね、「へその緒」が上手いことできてる。
これがないと生きていけないけど、その代わりに精神データを収集して思考を管理するよ、っていうね。
これってまさに、スマホで便利になっていくけどその代わり個人情報ちょうだいね、の究極の形。
皮肉もこめてるんだろうなぁとか思ったり。
管理されたくないなら壊せばいいんだけど、それだとこの世界では生きていけないよっていうね。
うーん、よくできている。
こうやって思想や文化を統一することで争いは一切起こらないポルンカ。
非常によくできた設定だと感心する一方で、一つだけ欠けている部分があるなぁと思ったことが。
思想や文化における「違い」を排除することは盛んに説明されていたけど、
フィジカルな面での「違い」を排除することに関しては何も説明がなかったな~と。
演出的にやはり難しいからか、それを入れると話がややこしくなるからか、
そもそも構想になかったからか、真相は演出家本人にしかわからないけど…
へその緒の機能により葉緑体の膜のようなもので人体を包む、的な説明があったから、
フィジカル的な違いを排除することもある程度可能な気がするけど・・・
(まぁ実際には舞台で表現するのが難しいよね。。。)
それはいいとして、ポルンカの設定をしどりゅー君演じるスポークスパーソン101や
すっしーさん演じるタルコフなどなど出演者が説明してたりするんだけど、
あまり説明台詞っぽくならず、それでいて例えなどが入ることでスッとすぐに理解できたから素晴らしいなと。
ポルンカの設定が頭に入ればもう後はこっちのもの。
というか演出家の手のひらでコロコロ~ですねw
なぜ、オバク、ミレナの過去は消されているのか?
本当はだれなのか?
サパには何があるのか?
謎がどんどん解き明かされていくと同時にこの世界にどっぷり浸かってしまいました。
最後、総統01とオバクが対峙するシーン、そしてそこで見せられる記憶の数々たるや・・・
もうね、、、精神的にエグられました…
出演者の熱演に感動するとともに、提示されたテーマの重さ、
そして簡単には答えは出させない、見てる側にも考えさせる姿勢に、
終わってからしばらくサパのことを考えてしまう。
それだけ精神的にズーンとくるインパクトのある作品。
でも、現実から目を背けちゃダメなんですよね、きっと。
「逃げちゃだめだ!!!」(唐突なエヴァw)
実際にFLYING SAPAの世界で起こってることは我々の現実世界ともリンクする部分があって、
過去がどんなに辛くても、悲惨でも、逃げずに受け止めて共生していくしかないってことなのかなと。
まぁ、そんなに簡単に答えは出ないっす。
実際に、ポルンカに近いような独裁体制の国ってあるしね。
それが全て間違いだとも言えない。
違いを認めて共生・共存していくしかないのかなと、自分なりに理解しました。
それにしても、ウエクミ先生が描く作品はいつも観終わった後「重いな…」となり、
わりとド直球に重いテーマを投げつけてくるんだけど、
先生はそういう路線がやはり好きなのかな~
SFだと重かったり哲学的なテーマの作品って多いけど、
わりとエンタメっていうオブラートに包まれて、
単純に面白い!けど考えさせられる!っていうのが多い気がする。
けど、先生はド直球で勝負してくる。
でもそういう作品、私は好きです。
宝塚ファンの中では好き嫌い別れるだろうけどね…
個人的には重いテーマを投げつけられて、
そこにどっぷりつかって考える時間が結構好きだったりするので
今回のFLYING SAPAも思う存分に終わってからもサパの余韻に浸って考えております。
他のSF作品とのリンクだったり、オマージュかな?とか考えるのも楽しいしね。
他の人も書いてたけど、総統01が考えてた「ミンナ」に貯めたデータベースを
ミレナの中で一つの人格に融合させるシステムって、
エヴァンゲリオンの人類補完計画と考え方的には一緒だよな~と。
現実の人間の醜さに絶望した科学者っていうのは、
そんな人間の欠陥を補おうと科学者としての技能をフル活用して
理想の形ってものを目指したくなっちゃうのかな。
でも、人間って完璧な世界では現実を現実として受け止められないんだとか。
これはマトリックス リローデッドで語られてるんだけど、
人間は不完全な世界でないと生きていけないらしい。人間そのものが不完全だから。
その不完全性こそ人間らしさだと認めて、あらゆる違いと共生していくことが
FLYING SAPAの最後でいうところの「希望」なのかな~とか考えたりしました。
SFは色んな作品との共通点や違いを見つけて自分なりに解釈するのが楽しいんだよなぁ~
ということで、完全にサパにハマっておりますw
まだ1回しか見れてないから、早く円盤がほしい!!!
ストーリーのことばかり書きましたが、他にも特筆すべきは音楽と映像!
三宅純さんのなんとも宇宙っぽい哲学的な音楽を聴いただけで
ポルンカにトリップできるところが素晴らしい。
そして逆に青木先生の作られた地球の曲がまた素晴らしい・・・
まっぷー演じるテウダやキキちゃん演じるノアが歌うんだけど、
なんか心が洗われるというか情緒的で心に響く。
対極的な音楽の使い方、素晴らしかった。
そして映像。こんなにうまく映像を取り入れた作品、宝塚ではなかなか見たことない!
リアルで残酷で生々しい、でもSF作品には欠かせない映像演出だと思った。
舞台でここまでやるの、ほんと恐れ入りました。
キャストについては書きたいことがありすぎるのでまた次回!!!
でも一言だけ…真風オバク、最高っした!!!見たいアナタがそこにいました。(詳細は後日w)
久々にこんなにブログで感想を吐き出せるのが楽しくてしょうがない!
宝塚でなかなかここまで骨太の作品には出会えない。出会えたことに感謝。
トップコンビに歌がなかったり、ダンスナンバーがなかったり、
演出的に宝塚らしくないと言われる本作ですが、
個人的にはこんなにどっぷり浸かれる作品にめぐり会えたこと、
それを宙組のみんなが演じてくれたこと、
そしてこの時期に無事に公演できたことすべてに感謝しかありません。
本作品の上演に関わってくれたすべての人にありがとう☆
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