古今和歌集 0912
わたのはら よせくるなみの しばしばも みまくのほしき たまつしまかもわたの原 寄せ来る波の しばしばも 見まくのほしき 玉津島かも よみ人知らず 大海原から
古今和歌集 0911
わたつうみの かざしにさせる しろたへの なみもてゆへる あはぢしまやまわたつ海の かざしにさせる 白妙の 波もてゆへる 淡路島山...
古今和歌集 0910
わたつうみの おきつしほあひに うかぶあわの きえぬものから よるかたもなしわたつ海の 沖つ潮合いに 浮かぶ泡の 消えぬものから 寄る方もなし...
古今和歌集 0908
かくしつつ よをやつくさむ たかさごの をのえにたてる まつならなくにかくしつつ 世をや尽くさむ 高砂の 尾上に立てる 松ならなくに...
古今和歌集 0907
あづさゆみ いそべのこまつ たがよにか よろづよかねて たねをまきけむ梓弓 磯辺の小松 誰が世にか よろづ世かねて 種をまきけむ...
古今和歌集 0906
すみよしの きしのひめまつ ひとならば いくよかへしと とはましものを住吉の 岸の姫松 人ならば いく世か経しと とはましものを...
古今和歌集 0905
われみても ひさしくなりぬ すみのえの きしのひめまつ いくよへぬらむわれ見ても 久しくなりぬ 住の江の 岸の姫松 いく世経ぬらむ...
古今和歌集 0904
ちはやぶる うぢのはしもり なれをしぞ あはれとはおもふ としのへぬればちはやぶる 宇治の橋守 なれをしぞ あはれとは思ふ 年の経ぬれば...
古今和歌集 0899
かがみやま いざたちよりて みてゆかむ としへぬるみは おいやしぬると鏡山 いざ立ちよりて 見てゆかむ 年経ぬる身は 老いやしぬると...
古今和歌集 0898
とどめあへず むべもとしとは いはれけり しかもつれなく すぐるよはいかとどめあへず むべもとしとは 言はれけり しかもつれなく 過ぐる齢か...
古今和歌集 0897
とりとむる ものにしあらねば としつきを あはれあなうと すぐしつるかなとりとむる ものにしあらねば 年月を あはれあな憂と 過ぐしつるかな...