かくしつつ よをやつくさむ たかさごの をのえにたてる まつならなくに
かくしつつ 世をや尽くさむ 高砂の 尾上に立てる 松ならなくに
よみ人知らず
このように過ごしながら世を終えてしまうのでろうか。高砂の峰の上に立っている松でもないのに。
「このように」とは「高砂の尾上の松のように」ということで、長生きではあるけれども孤独、といった意味合いでしょうか。句末の「なくに」を順接と捉えればこのような解釈になりますが、「なくに」には順接、逆接両方の意味があり、逆接と捉えて「高砂の松のように長生きはできないのだから」とする解釈もあるようです。ただそう解釈すると、「かくしつつ」の「かく」の指し示す内容がこの歌だけからではわからなくなりますね。