古今和歌集 0974
なにはがた うらむべきまも おもほえず いづこをみつの あまとかはなる難波潟 うらむべきまも おもほえず いづこをみつの あまとかはなる よみ人知らず あなた
古今和歌集 0973
われをきみ なにはのうらに ありしかば うきめをみつの あまとなりにきわれを君 なにはの浦に ありしかば うきめをみつの あまとなりにき...
古今和歌集 0972
のとならば うづらとなきて としはへむ かりにだにやは きみがこざらむ野とならば 鶉と鳴きて 年は経む かりにだにやは 君が来ざらむ...
古今和歌集 0960
わがみから うきよのなかと なづけつつ ひとのためさへ かなしかるらむわが身から うき世の中と 名づけつつ 人のためさへ かなしかるらむ...
古今和歌集 0959
きにもあらず くさにもあらぬ たけのよの はしにわがみは なりぬべらなり木にもあらず 草にもあらぬ 竹のよの 端にわが身は なりぬべらなり...
古今和歌集 0958
よにふれば ことのはしげき くれたけの うきふしごとに うぐひすぞなく世に経れば 言の葉しげき 呉竹の うきふしごとに 鶯ぞなく...
古今和歌集 0954
よのなかの うけくにあきぬ おくやまの このはにふれる ゆきやけなまし世の中の 憂けくに飽きぬ 奥山の 木の葉にふれる ゆきや消なまし...
古今和歌集 0953
あしひきの やまのまにまに かくれなむ うきよのなかは あるかひもなしあしひきの 山のまにまに 隠れなむ 憂き世の中は あるかひもなし...
古今和歌集 0952
いかならむ いはほのなかに すまばかは よのうきことの きこえこざらむいかならむ 巌の中に 住まばかは 世の憂きことの 聞こえ来ざらむ...
古今和歌集 0951
よにふれば うさこそまされ みよしのの いはのかけみち ふみならしてむ世にふれば 憂さこそまされ み吉野の 岩のかけ道 踏みならしてむ...
古今和歌集 0950
みよしのの やまのあなたに やどもがな よのうきときの かくれがにせむみ吉野の 山のあなたに 宿もがな 世の憂きときの かくれがにせむ...