古今和歌集 0868
むらさきの いろこきときは めもはるに のなるくさきぞ わかれざりける紫の 色濃きことは めもはるに 野なる草木ぞ わかれざりける 在原業平 紫草の色が濃
古今和歌集 0861
つひにゆく みちとはかねて ききしかど きのうけふとは おもはざりしをつひにゆく 道とはかねて 聞きしかど 昨日今日とは 思はざりしを...
古今和歌集 0847
みなひとは はなのころもに なりぬなり こけのたもとよ かわきだにせよみな人は 花の衣に なりぬなり 苔のたもとよ かわきだにせよ...
古今和歌集 0846
くさぶかき かすみのたにに かげかくし てるひのくれし けふにやはあらぬ草深き 霞の谷に 影隠し 照る日の暮れし 今日にやはあらぬ...
古今和歌集 0822
あきかぜに あふたのみこそ かなしけれ わがみむなしく なりぬとおもへば秋風に あふたのみこそ 悲しけれ わが身むなしく なりぬと思へば...
古今和歌集 0797
いろみえで うつろふものは よのなかの ひとのこころの はなにぞありける色見えで うつろふものは 世の中の 人の心の 花にぞありける...
古今和歌集 0785
ゆきかへり そらにのみして ふることは わがゐるやまの かぜはやみなり行きかへり そらにのみして ふることは わがゐる山の 風早みなり...
古今和歌集 0782
いまはとて わがみしぐれに ふりぬれば ことのはさへに うつろひにけり今はとて わが身時雨に ふりぬれば 言の葉さへに うつろひにけり...
古今和歌集 0771
いまこむと いひてわかれし あしたより おもひくらしの ねをのみぞなく今来むと 言ひて別れし 朝より 思ひくらしの 音をのみぞなく...
古今和歌集 0770
わがやどは みちもなきまで あれにけり つれなきひとを まつとせしまにわが宿は 道もなきまで 荒れにけり つれなき人を 待つとせしまに...
古今和歌集 0747
つきやあらぬ はるやむかしの はるならぬ わがみひとつは もとのみにして月やあらぬ 春やむかしの 春ならぬ わが身一つは もとのみにして...